颯花の目的
「貴様!また私を吹き飛ばす気か!」
「フッ、それがどうした!?」
槍を外した反動で、
即座に動くことは出来なかった。
その隙を颯花は見逃す事は無かった。
「洞窟から風圧で追い出した所で!
何も状況は変わらんぞ!」
「教えてやるよ!吹き飛ばすんじゃない事をな!
ヒントは!水で濡らした事だ!」
「なんだと!」
颯花は異颯花の胸元へ手を当てた。
直後に、異颯花の身体へ電流が流された。
「うぐああああ!?」
「水に濡れてちゃ効果も倍増する!
このまま貴様は負ける!」
「ふざけるなぁぁああああ!」
「なっ!?その状態で動けるだと・・・!
私の予想の上を行ったか・・・褒めてやる!」
颯花は異颯花を押し、体勢を崩させる。
その隙に颯花は脚部と連結させた。
「・・・ぐぬぬ・・・」
「まだ立ち上がるか・・・凄いな。
けど、終わりだ。水は自力で探す」
異颯花の喉元へ、刺剣が突き向けられる。
その時の異颯花の、レミリアの顔は、
綺麗な笑顔だった。
「(馬鹿な・・・なぜ戸惑った。この私が・・・!
こいつはレミィじゃない・・・じゃないのに!
私は彼女の見た事ない表情に、
戸惑っているのか・・・!)」
彼女の戸惑った時間は一秒も無かった。
しかし、その隙は大きかった。
「フッ馬鹿め!死ねぇッ!」
「ぬっ・・・!?」
颯花の刺剣は折られ、腹部へ蹴りが入る。
その衝撃で、洞窟の壁へ衝突した。
「くっ・・・油断したか」
「あんな直撃で、まだ動けるとはな」
「・・・お互い様だ」
「これでは決着が付かんな・・・!」
異颯花はよろつきながら、紫の姿へ変化した。
その後、生成された隙間から、
霊夢が放り出される。
「ちょっと!呼び方雑じゃない!」
「いいじゃない、そいつまた頼むわよ」
「こいつ・・・。分かったわ、任せて」
異颯花は隙間へと入って行く。
その時だった。
「この瞬間を待っていたのさ!
レミィから八雲紫へ変化ッ!!」
颯花は、自分の目の前に隙間を作り、
紫のその隙間の近くにもう一つを作った。
「なっ!隙間へ入って来るなんて!」
「これを待っていたのさ・・・
その隙間の世界に水を隠してあるとなッ!!」
その後、2人の颯花とそれらの隙間は消滅した。
「・・・私は・・・?」
そこに残ったのは、霊夢1人だった。
「・・・せめて私を神社へ戻しなさいよ・・・」
霊夢は呆れ顔をしつつ、洞窟から神社へ戻った。