八雲2人と1人とその2人
「そこにいる人物もどうだ?
一緒にお話しないか?」
「・・・凄いわね、見習いたいものです」
「あんたは・・・確か紫の」
「はい、八雲藍と申します」
金髪の女性の足元に、
同じく尻尾が生えた少女も居た。
「私には要はなさそうだな。
霊夢と話させてください、的な事を
言おうとしてるのも、
表情、身構えから読み取れた、では」
「なんでそんなに観察力が優れているのですか?」
「コツさえ掴めば簡単さ」
「あんたみたいに人間は便利に出来てません。
さっさと立ち去りなさいな」
「はいはい、私はクールに去るぜ」
「・・・全く・・・」
「私が紫と協力しろと?」
「はい、紫様が仰ってました」
「現状は断るわ。手伝うものと私の必要性、
更に5人の時、何故あんな事をしたのかも、
まだ分かってないし、そもそも
紫自身が奇妙な人物過ぎて用意に手伝えないわ」
「私はあまり説明出来ませんが、
紫様と会えば、話してくれるかもしれません」
「まぁ・・・話さないと始まらないわね。
分かったわ」
「ごきげんよう、霊夢」
「加齢s」
「やめなさい」
「・・・で、質問を全て答えてくれるかしら?」
「話せる事ならね」
「なら最初に、今まで何をしていたのかしら。
こんな現状に、死人まで出ているのよ」
「ずっと見てたわ、でも私が関わる事じゃない」
「・・・二つ目、なんでいきなり現れたの?」
「それは言えないわ、
私にも企みというものがあるの」
「・・・三つ目、とりあえずこれで最後ね。
あの残りの2人の正体は?」
「そうね、あるべき運命を辿った後の、
新しい仲間と言っておこうかしら」
「・・・」
「・・・どうしたのかしら?
それと、協力してくれるかしら?」
「・・・ですって、盗み聞きの好きな、
奇妙な色の服装の幼女さん」
「・・・奇妙な服装ではないよ、
髪の色と自分の好きな色が、
合ってないだけさ。
髪を紅から青に染めたいくらい」
「はいはい、それで?」
「本人と会ってないから比較のしようがないが、
気になったのは、あるべき運命と、
その味方の正体だ」
「私が気になったのは、死人が出ているのに、
正義感が地味に強いあんたが、
何も思っていなかった所ね。
良く言えば性格が変わった。
悪く言えば・・・全くの別人ね」
「・・・なら、その2人を紹介しようかしら」
「(話を変えたな、それと、表情が硬い。
偽者である事の信憑性が6割程に変更)」
「(しまった、悟られたか?
紫様に何か支障があれば取り除くのみ)」
「そうね、知りたいわ」
「じゃあ、来なさいな、妹紅さん、さとりさん」
「へぇ、この人物達がねぇ」
「藤原妹紅だ」
「古明地さとりよ」
「(ちょっと待て、少し脳内のページを変更、
なんだこの娘・・・さとり・・・カワイイ!)」
「(凄い考察力の脳内から一変して、
なんか凄い事考えてるわね・・・
いわゆる、ロリコンってことかしら。
自分も小さいのに)」
「(・・・ページを元に戻す。
さとり、汗をかいている、舐めt・・・違う、
何かに怯えた?突然何故だ?表情はなんか
照れているな、何故こちらを見つめている?
やめろ・・・そのカワイイ目で見るな・・・!
せっかく考えた事が忘れる・・・!)」
「(よくわからない人だわ、凄い人なのか、
それともただの変態さんか)」
「(困惑した表情になったな、
私が思考を変えるとほぼ同時に
変化が現れる。何故だ・・・?
心の中を読めるのか・・・!?
よし、何か考えてみようかな)」
その後、颯花の脳内はピンク色になった。
同時にさとりが赤面なった。
「(ちょっと!なんてこと考えてるのよ!
察知されないように頑張ったのに、
それは流石に・・・!)」
「(的中だな、こいつの能力はやはりそうか。
これで脅してあんなことやこんなk)」
「何ボサっとしてるのよ、この2人、
どう思う?」
「可愛・・・いい人物だ、うん」
「・・・あっそ。で、見返りは協力ね」
「そうよ、ちょっと手伝ってくれるだけでいいの」
「まあ・・・こんな話してくれた訳だし、
何も返さないのは無礼だわ、協力するわ」
「巫女、幼z・・・さとりの能力は脳内を見る事。
出来るだけ何も考えるな」
「・・・えっ?」
「・・・私も同行させてもらおう。
私にも協力出来る事がある筈だ」
「・・・そうね、お願いしたいわ。
でも貴方では行けない場所だわ」
「・・・そうか、なら用件を聞こう。
(咲夜・・・出てくるなよ・・・
そのまま寝ててくれ!)」
「とある場所から、
記憶を消す水を取ってきて欲しいの」
「それ、紫だけでも出来るじゃない」
「私じゃ何故か入れないのよ、
場所は教えるわ。お願いね」
「(一体何を考えてるの・・・?
まあ、持ってくるだけなら大丈夫そうね)」
「貴方はおそらく入れないわ」
「本来の住人ではないからか?」
「凄いわね、そういう事よ。
じゃあ霊夢、よろしく」
「はいよー」
霊夢はその方向へ飛んでいった。
「なるほどな、よく分かったよ、
なんて間抜けな侵略者だ、バレバレだな」
「・・・どういう事かしら」
「紫、お前は本来なら必ず入れる筈だ。
私みたいな、ノイズで混ざった混入物
じゃないからな。お前が、
『八雲 紫』であるならな・・・!」
「・・・私は八雲紫よ、それで、
どうして自分を混入物と思うのかしら?
何故そう思えるの?」
「この幻想郷と、私達紅魔組が来た時の幻想郷に、
僅かな時間のズレがあったのさ。
もし全員が幻想郷にとってノイズであるならば、
もっと大きな時間のズレがある筈さ」
「ただの予測でしょ?違うかもしれないのよ」
「私の直感は外れない。咲夜のお墨付きさ」
「それで、その場所に入れない私は偽物だと?」
「ああ、そうさ。私の仮説が正しければな」
「・・・無理に敵を増やさない事ね。
かえって自分や周りが危険になるわよ」
「・・・いつものことさ」
「(何でこの人物はこんなに直感が凄いの?)」
「(さとりちゃんが不思議そうな顔をしてるな。
やはり心の中を読めるのか。それと、
その顔も可愛いねぇ・・・!)」
「ひっ!?」
「ん?どうかしたか?さとり」
「いえ、何でもないわ・・・
心配してくれてありがと、妹紅」
「(ああ、いいなぁ・・・私も言われたいなぁ)」
「(全く・・・よくわからない人だわ。
相変わらず)」