2人の颯花:1
「これで最後か。瓦礫を片付けてみたが、
まるで野球場みたいだな」
紅魔館跡地の瓦礫を撤去が終わった。
地下の彼女達の墓を、咲夜の依頼もあり、
地上へ移した。
もちろん、日陰になるような木の下へ
設置してあげたさ。
あの引きこもりは外に出ないから、
太陽に浴びるのは嫌いそうだし、
吸血鬼は日光が苦手だもんな。
私は・・・関係ないか。
半ばアンドロイド。
吸血鬼から作られただけのただの紛い物さ。
正直、私は存在しなくていいのさ。
結局何も出来なかったしな。
存在意義が示せない。
どうしても、他人無しでは生きれない、
戦えない、そんな奴なんだ。私は。
コピーとか、他人の折角与えられた大切な物を、
横取りして使っている。
自分のプライドが高い奴には、
毛嫌いされる立ち位置かな。
「さてと、そろそろ戻るか・・・」
「あれ、君って確か魔理沙が言ってた機械人形?」
「・・・?まあ、骨格等は機械で造られているな。
クローン生命体よりも、機械人形の方が、
正しいという訳か」
「ん?ん?良く分かんないや。私は河城にとり。
身体の修理とかやってやれって、
魔理沙に言われてたのさ」
「ありがたいな。
けど、もうちょい早く会ってくれれば・・・
本体が修理出来たんだがな・・・」
「あっあれか、修理しといたよ。
まだ起動段階までいかないけど」
「・・・仕事が早いな。けどある程度これでも
なんとかやっていける。あまり急がず、
のんびりやっといてくれ」
「やっぱその身体気に入ってるんだねー」
「・・・そうだよ、全く・・・」
そして颯花は神社へと戻る。
「・・・見た事ない奴だな。それに周囲の空気が
妙に冷たい。あと弱そう」
「・・・あんただれ」
「あっすまない。私はゼ・・・桐初 颯花」
「ゼキリねーあたいはチルノ。
このあたりでサイキョーの名を轟かせてるのは、
このあたいのことよ!」
「(こいつめんどくさ)」
「チルノちゃん、みんなとの待ち合わせ場所に
遅れちゃうよー早く行こー」
「あちらは?」
「大ちゃんだよ」
「大ちゃんか・・・いい保護者だ」
「・・・ほ・・・ご?」
「気にすんな、ほら行ってやれ」
「ああ、そうね!じゃあねー」
「ああ、またな」
「・・・私の知らない場所では、こんなに平和なんだな」
「私が知らないだけか・・・全く、
戦っていく日々が馬鹿みたいに見えるな。
戦わないと運命は変えられんのにな・・・」
再び、颯花は歩き出す。
「はっ!?」
「・・・どこだここ・・・私は、今まで何を」
「・・・えっ?なんで動いてるの?」
「えっ誰?」
「えっ?ああ、私は河城にとりだよ。
本体に魂を戻したのかな?てか、
何故に覚えてないのさ?
さっき会ったばっかだよ?」
「さっきって・・・所で、巫女達はどうなった?」
「・・・?普通だけど」
「普通?あの戦いは終わったのか・・・
どうやら、長く眠っていたようだな。
早速神社へ向かうか」
「あっあんま無理に動かないでね。
試験段階だから、その修理」
「修理してくれていたのか、ありがとう。
では、また」
「うん」
その人物も、神社へと歩き出した。
オリジナルの、桐初 颯花。いや、
ゼィル・アルフ・ロイズ・セカンドだった。