新たなる襲来
「・・・お嬢様方・・・パチェ・・・」
「・・・もう少し早く行けば・・・
まだ間に合っていたのかもしれない・・・」
「・・・後には戻れないわ・・・
あまり自分だけを責めないで・・・」
「・・・でも・・・あいつの話を信じていれば、
もっと良い未来があったかもしれない・・・ 」
「・・・」
2人は彼女達を見つめている。
咲夜は涙ぐんでいた。
しかし颯花は泣いていなかった。
彼女が泣いていないのは、
心が徐々に人形となっている証拠なのか。
それともその身体は製作者が、
涙を不要とし、切り捨てた物なのか。
彼女自身も分からなかった。
哀しみたくない訳でもない。
それでも泣けない彼女は、
咲夜に他の事を気にさせないように、
顔を向けず背けた。
その時、地上から爆音が響いた。
「時間が無い・・・もうこれ以上悲しんでいられない」
「・・・そうね・・・お嬢様達にも、
泣き顔見せて悲しませたくないものね」
「・・・」
「・・・ゼィル?」
「・・・いや、なんでもないよ」
「・・・貴方・・・本当にゼィルなの・・・?」
「・・・」
「見た目は違うのはいいけど・・・
分かるよ・・・なんで泣いていないの・・・?」
「・・・」
「・・・何か言いなさいよ・・・」
「・・・すまんな」
「・・・」
颯花は彼女達を最下層のある1室にて、
咲夜の両腕の手当をしつつ、
レミリア達を埋葬する。
「こんなものか・・・これでいいんだな」
「・・・ええ」
「なるべく遠くの場所から外へ出るよ」
「・・・」
2人は歩き始めた。
しかし、少し歩いて、
颯花は彼女達に別れを告げに戻った。
「必ず生き返らせる。どんなことをしても。
・・・絶対にな。それまで休んでいてくれ」
「・・・・・・?」
「・・・すまない・・・行くよ」
再び地上へ向かった。
「・・・あいつら、全然こっち見てないし、
私達が注意を引かなくても良くね?」
「・・・だね」
「だね・・・キリッ・・・じゃねーよ!
とりあえずあいつらの全身隠してるローブだか
なんだかのせいで敵の様子が分からない!
とりあえず神社へ向かうぞ!
集合場所にはいい場所だろ!」
「敵の襲撃で紅魔館みたいに壊れないわよね?」
「私は保証出来ない」
「・・・」
2人は博麗神社へ向かった。
その後、紅魔館跡地から眩い閃光が輝いた。
「・・・あいつ・・・」
「本当にするのですか?」
「ええ、もちろん。その為に来たのよ」
「はぁ・・・」
「これもこの世界と私達の世界の為よ。
仕方ないわ」
「・・・私は貴方に従います」
「それでいいのよ、とりあえず今は
こちらの世界の『本物』を
専用の結界に封じ込めたし、
役に成りきるのが次の問題ね」
「はい。主の思うままに」
5人は姿を見せる。
その姿は、八雲藍、その隣に橙。
中央に、八雲紫が居た。
そのほかの2人は姿を見せない。
「あら?もう脱いでいいのよ?」
「・・・私はまだいいわ」
「そう・・・」
「なんであの2人は脱がないのですか!
スクープにならないじゃないですか!
また巫女さんに文句言われるじゃないですか!」
遠くの小高い木から、文が撮影していた。
「・・・ところで、なんで八雲さんがあそこに
いるんでしょうか・・・?まあいっか!
私も神社へ〜GOっと!」