神と名乗った者の最期
「これが・・・クローン・・・?
どう見ても幼zy・・・んんや、これしかないし、
こいつにするぜ!」
魔理沙は紅いコアを幼女の心臓部へ叩きつけた。
その後、ゆっくりと目を開けた。
「これじゃないんだけど・・・」
「・・・え」
2人は硬直した。
「こいつのじゃ戦力どころかマスコット!
なにも出来ねーよ!」
「仕方ないだろ!これしかねーもん!」
「節穴か!あそこにあんだろ!」
「あっ」
「あっ、じゃねーよ!どーすんだこれ、
コアもう外せねーよおい」
「なんとかなるさ!テヘッ」
「・・・冗談やってる暇じゃないぞ・・・
こいつで行くしかない・・・幸運にも、
コピーは健在、変化部分は見た目だけだな」
「あれっ?まてよ、お前がその身体になったら、
未来変わってね?」
「・・・この身体は成長しない・・・身体が
元の体型に戻れずジーグにならない・・・
未来が・・・変わった・・・?」
「って喜んでる場合か!急ぐぞ!」
「こんな現状で喜んでいられるかよ!
人が死んでるんだぞ!
この先の事が予測出来なくて不安なだけだ!
この身体じゃ走るの遅いから担げ!」
「走るの遅いのはもとからな!
仕方ない、ほらっ乗れ!」
魔理沙と颯花は、地下を出た。
その途中にある3人の亡骸を運んで端に寄せた。
隣り合わせに寝かせた。
僅かながらも微笑んでいたが、
焦っている2人が気付く気配はない。
地下を出た時、見た光景は、
突如現れた謎の5人の1人が霊夢へ攻撃し、
それをジーグが庇っていた。
死が近いのか、それとも運命の路線変更による
自分の存在が無くなった為か、
ジーグは光を纏い、消えつつあった。
「おいおい・・・状況がわかんねぇよ・・・」
「・・・巫女・・・!」
2人は駆け寄る。
「やはりか。装っていたんだ、
ジーグ・・・いや、私は、私を」
「???訳が分からないよ」
「最初から彼女は仕方なくやっていたのさ。
恐らく別の世界の話も本当だったのだろうな」
「お前・・・」
「おい・・・! あいつらは・・・
早くみんなを連れて・・・逃げろ・・・!」
「嘘だとは思えんな・・・みんな・・・
この場を離れるぞ・・・!」
「まてよ!こいつはどうすんだよ!
仇を打たないままかよ!」
「待って・・・。
こいつはレミリア達を確かに殺した。
・・・でもそんな奴が何故私を守るの?
今まで殺しに来ていたのに・・・」
「時間切れなんだよ・・・
もう私には君達を救える事は出来ない」
「・・・ どうせなら、もっといい方法を
見つけていれば・・・良かったのよ」
「昔共に戦った奴に・・・殺してまで助けるのも、
私なりの善意さ。偽善と言われても、
私なりの最善の手なんでな・・・
どう言われようと・・・それ以外の手はない」
「・・・」
「こんな私でも・・・まだやれる事はある。
私は・・・時間稼ぎでも・・・・・・
させてもらおうか・・・な」
「・・・。
あんたを許したわけじゃない・・・けど、
それだけはさせてあげる・・・せいぜい、
悔いのないようにやりなさいよ・・・」
「・・・・・・フッ」
「急ぐぞ・・・皆は先に逃げてくれ、
私は・・・レミィ達を・・・
それが・・・せめてもの願い」
「みんなでしてあげたいけど・・・
流石にそれは出来なさそうね・・・
咲夜、一緒に行って。なるべく私達が
あいつらの気を引いていくわ」
「・・・ありがとう」
「ちょっと待てよ、私も気を引きつける役か?」
「当たり前でしょ!」
「当たり前って・・・」
「・・・では、なるべく遠くから地下へ行く」
「おうよ!埋葬してやった場所忘れない様に
印作れよ!」
「忘れる程の相手じゃないさ・・・気を付けて」
4人は2人ずつに別れ、正反対の方向へ向かった。
「・・・好き勝手に話付けやがって・・・
私の仕事が増えるな・・・なぁ・・・?
八雲紫・・・いや、パラレルワールドの私。
会うのは2度目か・・・」
「お前に用はない。まだ奴らには時間をくれてやる。
しかしお前は別だ、今殺す」
「へっ・・・そうかい・・・どうしてこうも
ゼィルという人物は、
こういう奴が多いんだろうな・・・!」
「なんでせっかく劣化しないコピーが可能なのに、
ほとんど使用しないんだ?」
「さあな、思い出したくないんだろ?
どうしても使う時に思い出すのさ。
その持ち主の死に顔をな・・・」
「どうでもいい。その身体では死ぬまで
もうすぐだろうな」
「それまで足掻いてやる・・・
この世界の彼女達を信じて・・・」
「信じるだけでは後悔しか残らんぞ」
「信じるだけではない・・・!
私は最後に、己の運命を貫くだけだ!」
その後、辺りに眩い輝きが放たれた。