思い人達の為に
「馬鹿めッ!これから死ぬんだよッ!」
「少なくともあんたには殺られない!」
「そんなに殺されたくないならぁ!
自害でもするんだなぁッ!」
「寿命まで死んでたまるもんですか!
あんたはここで倒すッ!
咲夜、魔理沙、行くよ!」
「おう!」
「やりましょう!」
「いくら強がった所で状況は変わらんよッ!」
ジーグは左右に両手を広げ、
その両手から大きな魔法陣が二つ、
そこからマスタースパーク級の閃光が発生。
薙ぎ払う様に回転した。
「この火力に耐えられるかぁ!?」
「魔理沙!咲夜!つかまってッ!」
「おうよッ!」
「助かるわ!」
「馬鹿みたいに回転しやがって・・・
紅魔館が壊れちまうぜ!」
「あっちの世界では復活してるだろうよ!」
「だーかーら!行かねーって言ってるだろ!」
「抵抗しても導いてやる・・・!
これがわ・・・僕の!善意さッ!」
「迷惑な善意な事ねッ!」
「勝手に思っていろッ!」
ジーグは回転を止めた。
かなりの周囲が平地になっていた。
紅魔館が3割ほどしか残っていなかった。
颯花達は地下に居た為、被害は免れた。
ジーグは両手を霊夢達に向けた。
「うおっあぶねっ!」
「回避出来たけど・・・結界では防御不可能ね・・・」
「接近戦も空中戦も不利・・・
更に火力も防御力も高い・・・どうすれば・・・」
「どうすればってやるしかないだろ!」
「何か手は・・・」
「・・・一か八か、ね。魔理沙、颯花を呼んできて」
「大丈夫かよ、アイツはもう・・・それに、
2人であいつを抑えられるのかよ!」
「どうせ身体は治るんでしょ!
私は颯花を暴走させてでもあいつを倒す!
颯花もそう思っている筈よ!
私達は大丈夫、さぁ早く!」
霊夢はなるべく地下に近い所で2人を降ろした。
「逃さんッ!」
ジーグは片手を向け、閃光を照射した。
「危ないっ!」
霊夢がギリギリで結界を張った。
しかしそれは数秒しかもたないと思わせる程、
閃光の火力は大きな亀裂を入れた。
「は・・・早くッ!咲夜も離れて!」
「・・・おう・・・!死ぬなよッ!!」
「あなたもッ!!」
魔理沙は残骸の中から地下へ行く通路を見つけ、
駆け下りていった。
直後に結界が破れ、霊夢に閃光が迫った。
「霊夢、危ない!」
咲夜は霊夢を蹴り飛ばした。
自らも反動で回避する。
「さっさと死ねば楽になるぞ・・・?」
「だから殺されないって言ってるでしょ!」
「・・・私達は貴方を倒すだけよ!」
「・・・ (まずい・・・時間が無い・・・!)」
ジーグは地面へ降りた。
「仕方ないな、今のは使わないでやろう。
戦局が硬直するのは嫌いでな」
「そのまま脳筋みたいに火力押しで来ると
思ってたけど、まあお互いにそれがいいわ」
「霊夢・・・ジーグの策略かもしれないですよ」
「大丈夫・・・たぶん」
「たぶん・・・ですか。けど、
私はあなたを信じる・・・!」
「咲夜・・・ありがとう。いくわよ!」
「長々と会話をして・・・油断は大敵だぞ!」
互いに接近する。
「・・・宝具『陰陽鬼神玉』ッ!くらいなさい!」
「・・・奇術『エターナルミーク』ッ!」
「時間を掛けている暇は無いんでなッ!
僕のとっておきを使わせてもらうッ!」
「とっておきなんて最初から使う物よ!」
「後々使うのがとっておきなんだよ!
先程から使用していた隙間、
見覚えがあるだろう!霊夢ッ!」
「やっぱり・・・紫の!」
「そうさ!その隙間を展開してそれを無効化する!」
「更に面倒くさい奴になって・・・!」
「私には劣化の概念が無いんでな!
1度コピーした物はずっとそのまま使えるッ!
この幻想郷にいる人物ほぼ全員のッ!
能力が詰まっているのさッ!!」
「まるで化け物ね・・・」
「それでも私はあんたを倒す!」
「人間ごときが神に勝てる筈などないッ!
無様な死を遂げよッ!!」
「あんたのような傲慢な神がいるか!
その根性叩き直すッ!」
「お嬢様達の為にも・・・負けられないわ! 」
「お嬢様に会いたいだろ!?
ならば・・・さっさと死ねぇえ!」
「会いたい・・・けど!
私達はまだ死ぬ訳にはいかない!」