博麗、紅魔館にて
「着いた・・・けど、何ともないじゃない」
紅魔館に霊夢が到着した。
前回の惨劇の傷跡はまだ残っているが、
彼女は覚えていなかった。
「霊夢ー!こ↑こ↓だぜ」
「ここの発音がやかましいわ」
中庭の中央に、魔理沙が居た。
霊夢はそこへ降りた。
「・・・で、もうひとりの私はなんなんだ?」
「あー、気にしなくていいわよ」
「気になるから聞いてるんだが・・・」
「・・・はいはい、分かりました」
霊夢は、今までの経緯を話した。
魔理沙は驚いていたが、
最終的には理解していた。
「・・・で、そいつを倒せばいいと?」
「たぶんね」
「へぇ・・・」
会話をしているが、
一向に5人が見当たらない。
魔理沙も見ていないそうだ。
その後、咲夜が紅魔館へ着いた。
咲夜は5人が居なかったことを知り、
すぐに颯花の下へ行かなければならないと
2人に話した。
「まずいわね・・・頭だけでも生きれても、
壊れたら元もこうもないわよ・・・」
「とりあえず今は急ごうぜ」
「大丈夫でしょうか・・・」
魔理沙は咲夜を箒に乗せ、2人乗りで向かった。
霊夢も続けて向かった。
その姿を、ある人物が見ていた。
「咲夜・・・私の魔理沙をよくも・・・」
「・・・寒気が」
「秋だからじゃん?私もそうなったぜ」
「颯花が大変な目になってる証かもね」
「縁起でもねぇ・・・」
霊夢達は、視界に捉えた。
その現場はあの時の空のように、
深紅に染まっていた。
「・・・出血多量で死んでるかもね」
「ちょ・・・と、とりあえず降りるぜ」
3人はそこへ降りた。
周囲は血で染まっている。
その中央に颯花は居た。
一見何も無いように見えたが、
首と腕、脚を切断され、
左右を逆に付けられていた。
腕に頭部を抱かれていた。
彼女の瞳は虚ろだった。
「颯花、大丈夫!?」
「・・・大丈夫か・・・?これ・・・」
「ゼィル・・・」
咲夜はそっと、パズルの様に身体を治した。
首を取り付けたと同時に、
意識が戻った。
「・・・馬鹿、紅魔館に居とけよ・・・」
「あんたが心配だったのに、
馬鹿はないでしょ?」
「ちょ・・・霊夢・・・」
「あいつの目的は吸血鬼だ・・・
なんで姉妹の所に居てやらないんだ・・・」
「ちょっと!まだ立ち上がったら・・・」
「問題ない・・・急ぐ・・・ぞ」
ふらつきながらも立ち上がる。
颯花は霊夢状態へ変化した。
「昔からいつも無理をして・・・」
「最善の結末を得る為には・・・必要な事」
「それが良い結果になるとは限らない・・・」
「それでも・・・やるべき事から逃げてはいけない」
「・・・」
4人は紅魔館へ向かう。
ジーグ・フリーズ。
彼女は一体、何処へ向かおうとしているのか。
彼女は、今も昔も、
自らを犠牲にする事をしていた。