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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜奇九襲来編〜
50/245

2人の個体:2

颯花は霊夢状態へ変化した。

霊符を飛ばしつつ、突撃する。

霊符はジーグへ当たりもせず、

ジーグは颯花へ歩みだす。


「・・・調子に乗ると・・・!」


颯花はレミリア状態へ変化する。

背中の黒い翼で進む速度が増す。


「貰った・・・!」


颯花は右腕でジーグを殴りかかった。

しかし、それ以上の速度で仮面に拳が入った。

反動で後方へ吹き飛ぶほどであった。


「なっ・・・何故・・・素の状態でそんな力が・・・」

「昔では考える事が出来なかったことをしたんだ」

「・・・大量虐殺による、他力吸収・・・か」

「はは、凄いなぁ流石僕だ」

「私は私だ・・・!一緒に・・・するなッ!」

「どうせお前もこうなるのなら、

みんな死んでルートを正せばいいのさッ!」

「みんなを死なさせずに正す方法も・・・

あったはずだ・・・!私はお前なら、

先に考える筈だ・・・!」

「考えた・・・しかしなぁ・・・

そんなもの・・・ある筈ねぇんだよぉ!」


ジーグの姿が変化した。

その姿は、前回の惨劇の、破壊神を想像させた。


「この姿、見覚えがあるだろぉ?」

「・・・ッ・・・!」

「この姿の力はレミリアとフランドールの、

身体能力を取り込み、

それが自らの潜在能力の吸血鬼の力が合わさり、

成し遂げられた業なんだよぉ!」

「・・・吸血鬼・・・3体分だと・・・!?」

「この姿でも暴走しているんだ・・・が、

もう何も惑わされるものはない!

暴走は暴れる必要性が無くなった為!

変化のみが適用されているのさッ!

これが超完璧生物の吸血鬼・・・!

フハハ・・・怖いだろう・・・?

己の末路がさァ!」

「・・・怖いな・・・けど、怖いのはそれじゃない。

自分がそうなってしまうのに、

恐怖と絶望に恐れているだけだ・・・!

この世に便利に創られている生物なんて、

存在しない・・・!私達はただの人形なんだ!」

「人形が力を持てば指導者にも神にもなれる!

僕は選ばれた姫・・・全てを統べし神だァ!」

「力に惑わされた哀れな幻想を・・・

今ここで終わらせる・・・!」

「自分自身を殺せるかァ?」

「己を捨てる事は何度もしてきた・・・

私達はこの世界に居てはいけないと、

悟った時から決意はある・・・!」

「ならば・・・やってみろ!」


颯花は変異する。

自ら破壊神へと。

おぞましいオーラが包み込む。

颯花は苦しみの表情をしていた。


「おっ・・・?自らに取り込まれるか?」

「・・・くっ・・・こんな筈は・・・!」


背中から翼が生えてきた。

前回の惨劇やジーグと

ほぼ同じ形や構造を成していた。

仮面が割れ、髑髏のような顔があらわになった。

表情が苦しみから憎しみへ変化した。


「ざまあないな・・・自らに取り込まれている!」

「ウ・・・ォオオオオ・・・!」


破壊神と統べし神が対を成した。


「同じ神でも・・・格が違っていてはなぁ・・・!」


破壊神は目視出来ない速度で突撃した。

しかし、それ以上の速度でジーグは

破壊神を叩き潰した。

威力は凄まじく、

暴走状態が解除される程であった。


「弱いなぁ・・・いや、

私が強過ぎるんだろうな・・・

フ・・・ハ・・・ハ・・・フハハ・・・!

我は救世主(メシア)なり・・・!

この世界を導く者であると!」

「・・・惑わされた哀れな子羊め・・・」

「おお・・・まだ生きていたんだな」

「この程度でやられて・・・たまるかよ・・・!」

「その勢いだ、そのまま現実に絶望していけ」

「絶望なんか・・・しない」

「やかましいな、失せろ」


ジーグは颯花を蹴り飛ばした。

しかし、途中で突然と視界から消失した。


「・・・十六夜 咲夜か・・・まあいい」




「・・・・・・咲夜・・・すまん・・・」

「いいのよ・・・けど、1人で無茶は駄目よ 」

「でも・・・己は己で止める・・・どんな事をしても」

「貴方・・・」


かなり遠くまで来た。

咲夜が颯花を降ろした。

互いはボロボロであった。


「・・・すまん・・・自爆の件」

「大丈夫、直撃は避けられたわ」

「・・・そう・・・ごめんな」

「・・・」


咲夜は立ち上がる。


「・・・紅魔館へ行くのか・・・?」

「貴方はここで休んで・・・それでは危険よ」

「・・・足でまとい・・・なんだろ・・・

ハッキリ言っていい。置いていけ」

「・・・見つからないようにね」

「・・・ああ」


咲夜は紅魔館へ向かった。



「では、終わりだよ、過去の自分クン」

「・・・ちっ・・・やはりか・・・」


ジーグは聞いていた。

姿は通常であった。


「脳天を貫けば、チップが破壊出来る。

人間にとっての死であり、

生物にとって不可避で馴染みのあるもの」

「・・・まずい」

「なんてな・・・あの頃の様に血塗れにして、

腕と脚を切り取ってあげよう」

「 (・・・痛いのはどうでもいい・・・チャンスが

あるのなら・・・!) 」


周囲が血に染まると同時に、

森林に1つの叫び声が響いた。


「・・・ゼィル・・・ごめんなさい・・・

私は・・・前へ行く・・・!」

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