劣化、再び
肩を落とす彼女の下に、
一つの足音が響く。
その人物は、神社で会ったジーグという人物と、
とても似ていて、同一人物の様だったが、
ジーグの雰囲気を彼女からは感じさせず、
ただ懐かしく思っていた。
「貴方は誰・・・これは何・・・!
何故私は2人居るの・・・!
何故私は・・・死んでいるのよ・・・!?」
「・・・霊夢・・・いや、巫女。
それを話す為に・・・ここへ来た。
私は敵では・・・ないよ」
彼女は赤い髪をした、
青い服にショートパンツの、
奇妙な格好をした人物だった。
彼女は顔にある何かを隠すような、
ピエロの様な仮面を取り付けていた。
「貴方の事だ、もうその彼女の正体を
もう理解しているでしょう・・・」
「・・・私の・・・未来」
「・・・そう。それは貴方がこのまま進んだ、
未来の結末よ」
「・・・」
「私達は、未来を変えなければならない・・・」
「・・・分かってる・・・けど、
どうしようもないじゃない・・・」
「・・・確かにそうかもしれない・・・けど、
今やるべき事は、ある筈だろ・・・」
「・・・」
「・・・それを成し遂げる。まずは・・・
するべき事をするだけと・・・」
「・・・貴方は・・・一体・・・」
赤髪が彼女に寄る。
「私は・・・ゼィル・・・いや、
桐初 颯花・・・かつて君と共闘した人物だよ」
「・・・ごめんなさい・・・記憶喪失なの」
「・・・知ってたよ。霊夢」
霊夢はそれを道の端の木に横たわらせた。
それはとても冷たかった。
「・・・私と似た人物と会った・・・?」
「・・・うん・・・神社で会ったわ」
「そうか・・・」
2人は肩を並べて話す。
青空は徐々に曇りかかっている。
「まずは・・・皆と合流しよう」
「・・・そうね、皆も同じ状況に合ってるかも」
2人は立ち上がった。
「待ってくれ、君の能力を使わせて・・・
私単体では飛べないんだ」
「・・・?いいわ、使って。
・・・劣化・・・コピー・・・ね」
「・・・そういう事だ」
2人の真紅は飛び上がる。
「・・・まずは咲夜と合流するわ」
「・・・咲夜か、懐かしいな」
その後、二手に分かれた場所に戻り、
咲夜の行った方向を目指した。
「・・・アタイの真似しようなんざ、
100年早いね!」
「ちっチルノちゃん・・・や・・・やり過ぎ!」
「・・・」
「奇妙な仮面を取ってやるわ!いざ!」
「・・・wkwk」
「なっ・・・アタイの顔まで似てるなんて、
見事ね!弟子にしてあげるわ!」
「・・・ (し・・・死んでる・・・!?)」
「おーい、起きてるー?
アタイの実力に怯えて寝たふりを
してるのね!やっぱりあたいってば
サイキョーね!」
「・・・ (何処まで能天気なの・・・)」