真紅と純白:2
霊夢は、自分の周りに霊符を展開した。
多量の霊符が彼女を包み込む。
仮面からは、彼女の姿は見えない。
「行くわよ!」
「・・・」
霊夢が仮面へ突撃する。
距離が縮んだ所で、霊符の結界は穴を開け、
そこから霊夢が飛び蹴りをした。
その飛び蹴りは胴部に命中した。
仮面はよろけた。
「追撃よ!くらいなさいな!」
先程の多量の霊符を突撃させる。
しかし、仮面は霊夢の手を引っ張り、
盾にした。
「ちょっ!?」
「・・・」
霊夢は思わず霊符の動きを止める。
その霊符に向かって霊夢は蹴り飛ばされた。
霊符と霊夢が衝突する。
大きな煙を上げる。
「・・・」
「危ない・・・瞬時に結界を生成出来たわ」
再び2人の距離が開く。
仮面はとある行動を取った。
「ちょっ!それ私の技!」
「・・・」
仮面が取った行動は、両手を左右に広げ、
空へ浮かんだ。
周囲に7つのカラフルな光が発生した。
「あーもう!」
霊夢は突撃した。
飛び蹴りをしたが、その体勢のまま、
軽やかに回避される。
7つの光が霊夢へ突撃する。
「耐えきりなさいよ結界!」
仮面が居る前方に何重もの結界を張る。
一つ目が衝突。
軽く1枚の結界を破壊した。
二つ目、三つ目の光が向かってくる。
あと2つの所で、
結界が1枚のみになってしまった。
六つ目が衝突する。
しかし、結界はそれをヒビが入りつつも、
耐えきった。
七つ目が衝突する。
ボロボロな結界をものともせず突き破り、
霊夢へ衝突した。
大きな爆音と煙が上がる。
その足場は小さなクレーターの様になっていた。
「・・・」
仮面はそこを見つめている。
その後ろに、足音が響く。
仮面は、肩を掴まれた。
「やってくれるじゃない。
飛び蹴りした時に貴方の後方に、
マーカーを設置したのよ。
亜空点穴って技よ。貴方も知ってそうね」
「・・・」
直後、仮面の前方から陰陽玉が飛んで来た。
それは仮面に衝突し、
仮面に大きな亀裂を生した。
仮面は動きを停止した。
「・・・止まった?」
霊夢は少し距離を取るも、
再び歩き寄る。
そっと仮面を掴み、取り外す。
そこには、それぞれと同じ結果であった。
「・・・嘘よね。
ここまで似てるなんて有り得ない・・・
この人物は・・・私・・・!?」
そこには、儚く散った桜のように、
博麗 霊夢、彼女が居た。
その彼女は、肌が青白く、
目を開け目覚める事は、二度と無かった。
彼女は、死んでいた。
とても泣いた跡が残っていた。
この世界の霊夢は、私の未来なのだと、
私の結末なのだと、悲しく理解した。