黒黒白白魔法使い:1
「よお!よく人の格好できるな!」
「・・・」
大図書館の入口付近で、
2人は立ち止まっていた。
「・・・なんか話そうぜ?
それとも私、過去にお前に何かしたか?」
「・・・」
「・・・ったく、相変わらずだなぁ」
無言のままの仮面は、
魔理沙をただ見つめていた。
その見つめる理由はなんなのだろうか。
「一ついい事を教えてやる!
私に仮面はないぜ!外したらどうだ?」
「・・・」
「何か言えよ!独り言みたいじゃんか!」
「・・・」
何も答えない。
その時、仮面は箒に跨った。
「おっ?機動戦か?私の得意分野だぜ!」
「・・・」
魔理沙も箒に跨った。
互いに高度が増す。
魔理沙は接近した。
仮面が全く攻めてこないからであった。
「来ないなら、こっちからだぜ!」
「・・・」
魔理沙は周囲に星型の輝弾を纏った。
それは魔理沙よりも先に突撃する。
その輝弾は衝突し、爆発し煙を上げた。
その煙の中に、魔理沙は飛び蹴りをした。
「そりゃっ!」
飛び蹴りは外れた。
煙の中には誰も居なかった。
「・・・上か。上昇するのが速いぜ」
「・・・」
仮面は頭上に居た。
いつ避けたのか分からないほど、
とても速かった。
「隙があった筈なのに、どうして攻めない?」
「・・・」
「また無言か・・・」
魔理沙は箒の後方に、ミニ八卦炉を取り付けた。
ミニ八卦炉は、閃光を帯びる。
「彗星『ブレイジングスター』ッ!
この速度は誰にも止められないぜ!」
「・・・」
仮面もミニ八卦炉を箒の後方に取り付けた。
同じ様な技を使用した。
「鬼ごっこなら、負ける気はない!」
「・・・」
ほぼ同じ速度で追いかけている。
距離も開かず、近付きも出来ない。
仮面は突然に振り向き、輝弾を飛ばした。
「そんなの当たらない!」
魔理沙は軽く避け、その止まった時を、
チャンスと見て突撃した。
しかし、次には頭部に瓶が衝突した。
「うわっ!・・・水かよ!」
「・・・」
互いの脚が止まった。
今の瓶の中身を変えれば、
勝利出来たかもしれないのに、
何故ただの水なのかは、理解出来なかった。
魔理沙は深く考えず、
単なる戦闘好きと把握していた。