紅霧異変の結末
あの日から、一週間が経った。
惨劇は、予想以上に傷跡を残した。
咲夜は、精神が不安定になってしまった。
時々安定剤を飲んでいる姿が
確認されている。
フランは、殆ど車椅子を使わなければ
ならない身体になってしまった。
レミリアは対人恐怖症になり、咲夜とも
顔を合わせる事は無くなってしまった。
魔理沙は出血多量により、
意識不明に陥ってしまった。
霊夢は頭部強打による、記憶喪失になり、
今回の異変の殆どを覚えていなかった。
颯花はあの日以来、行方不明になっている。
彼女らは、この結末を望んでいたのだろうか。
颯花はどこへ行ってしまったのか。
この物語は、
決して正しい物語だという事は無い。
もしも運命を変える事が出来るのなら、
誰もが望むであろう。
どんな犠牲を払ってでも。
「本当に、何も覚えていないのですか?」
「・・・そうね、何も覚えてないわ」
「・・・そうですか」
「何があったのかは、聞かない方が
良さそうわね」
「・・・知っても・・・
過去は変わりませんからね・・・」
「・・・ごめんなさい、思い出させて」
「大丈夫です。慣れてしまってますから」
「・・・」
咲夜と霊夢が会話する。
その神社の外は、紅い霧も、青い空も無く、
ただ雨が降っているだけであった。