紅く滴る血
「くっ・・・!火力で消し尽くしてやるぜ!」
「間に合うかなぁ?」
「私は・・・私の道具を信じる!」
当てる為に狙わず、
ナイフをかき消す為だけに発射する。
まとまって飛んで来ていた為、
一発で全てを消滅させた。
「やっぱり・・・信じれば報われ・・・ 」
「・・・魔・・・魔理沙ッ!」
それを霊夢は目視している。
魔理沙に最後のナイフが命中した。
その物質は胸部に突き刺さる。
「・・・グ・・・ッ・・・!お・・・前・・・!」
「信じた物に捨てられたわね。
それとも・・・自分が未熟だったのかな?
望み通りの苦痛ある死よ。
ありがたく思いなさい。」
「ちっ・・・最後までムカつく野郎だぜ・・・」
魔理沙は後ろへ倒れる。
その下にある瓦礫を、更に深紅へ染めた。
レミリアがゆっくりと振り向く。
紅い光に照らされた目は、
さらに血のように染まっている。
「ツギはオマエのバンだ」
「・・・くっ・・・この背中の瓦礫を・・・
どうにか出来れば・・・!」
「ムリだね。ウンメイはワタシにムいていル。
もウどうしヨうともアラガエなイ」
「言葉がおかしくなっている・・・?」
レミリアは霊夢へ歩む。
ゆっくりと。じわじわと殺す様に。
「・・・颯花!あんた、悲しむ人を、
無くすんじゃなかったの!?」
「・・・」
「ン?アレにタヨるなンて、
もうジブンではカテないとワかッタノ?
サイショからそウしてイレば、
イタいメにアわズにスんだモノヲ・・・」
「あんたがそんなんだから、皆が悲しむのよ!
あんたが皆を助けるのよ!
自分自身の手で決着をつけなさいよ!」
「・・・」
「・・・ミジメだカらアトニフンまってアゲル」
「この意気地無し!
何の為に親友に嫌いな倒し方したの!
助ける為でしょ!救う為でしょ!
自分を信じなさいよ・・・!」
「・・・」
「何か言いなさいよ!この屑野郎!」
「・・・うるせぇよ・・・どうしようもないの!
もう自分ではどうしようも出来ないの!」
「まだ死んでない!死んだら全てが終わる!
貴方はそこに居る!存在している!
貴方は貴方の役目がある!だから!
まだ諦めては駄目よ!
勝てなくてもいい・・・・・・けど!
後悔はしては駄目!
自分を信じて・・・!」
「・・・・・・霊・・・・・・夢・・・」
颯花の頭の中で何かが弾けた。
自分は今迄何をしていたんだ。
自分が馬鹿だった。
逃げて、という他人事のような事を、
ただ言っているだけで、
結局何もしていない。
魔理沙は死んでしまったのか。
私のせいで。
私は・・・私は・・・
もう誰も死なせない。
このまま霊夢を死なせてたまるか。
彼女はそっと立ち上がった。
「もう他人が死ぬのは後免だ・・・!
レミリア、君を殺してでも、
この悲劇をくい止める・・・!」
颯花は彼女に言った。
レミリアは霊夢を見つめている。
「・・・ジカンだ、サヨうナラ、
ハクレイのミコ」
「・・・ッ!」
「やめろッ!やめろッ!よせッ!
レミリアァアアアアアアアア!!!!」
彼女は、
霊夢の頭部を右脚で叩き潰した。
紅い空に嫌な音が響いた。
レミリアの脚には血が付着し、紅く滴っていた。