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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜紅霧異変編〜
23/245

『吸血』鬼

先ほどの攻撃により紅魔館に被害が及び、

壁や天井に亀裂が走り、崩れていった。

建物の瓦礫が彼女達の上から降り注いだ。


「……痛っ……」


霊夢は背中に乗った瓦礫を振り落とし、

彼女はそのまま辺りを見回す。

その紅魔館の残骸を照らし続けている、

紅い空がやたら大きく輝いている。


「あの馬鹿…建物壊さなくていいじゃない…」


周囲には残骸が広がってはいるが、

全てが壊れ崩れた訳ではなかった。

一応魔理沙が視界に入っているものの、

とりあえず安否を確認した。


「みんな、大丈夫?」

「お……おう…大丈夫…だぜ。多分」

「…あんたのせいなのに

何でそんなにボロボロなのよ」

「えへへ…照れるなぁ…」

「褒めてないから!迷惑なのよ!」

「…颯花とメイドと吸血鬼妹は?」


魔理沙がそう言葉に発すると、

真後ろから声が響いた。

それに彼女は驚いている。


「……私はここにいる」

「うわっ!なんだお前いつから!?」

「最初からだよ・・・」

「ステルスも搭載されてんじゃね?」

「……ないな」

「…真面目に探すなよ!」

「……えっ」


その場所にいる3人が顔を合わせる。

それ以外の人物は見当たらない。

崩れていない方に逃げ込んだのだろうか。

霊夢が呼んでも返事はない。


「…終わった……のか?」

「そうなんじゃ…ないかしら?」

「私のミニ八卦炉の威力だ。

この戦いはもう終わったに決まってる」

「……レミリア…君は……」

「颯花…」

「…すまん」

「……大丈夫…ありがとう」

「……おっおう…」


レミリアの姿を確認する事は出来ず、

やはり死んでしまったのだろうか。

妙な悲しみを含んだ気持ちから、

颯花はふと、何故か空を見上げた。


「…!?」

「…レミリア…!」

「私のミニ八卦炉の全力を耐えたって…!?」


そこにはフランを姫様抱っこ持ちしつつ、

全員を上空から見下ろすレミリアの姿があった。

彼女は全身と服装が少し焦げていたが、

それでもほんの少し余裕があるようだった。


「…痛かったわ……霧雨魔理沙。

けど、即死まではいかなかったようね」

「……レミリア、何をする気だ……!」

「今からそれを……教えてあげるわ…!」


レミリアはフランの首筋に口を近づけ、

そして噛みつき、溢れる血を吸っている。

フランの肌の色がだんだん青くなっていく。


「……やめなさい……レミリア!」

「…巫女に言われる筋合いはないわ」


血を吸ったレミリアの全身の傷が治っていく。

やがて彼女の全身からは力を纏ったような、

紅黒い不気味なオーラを発している。


「この吸殻は…もういらないわ」

「なっ……!」


そしてレミリアは用済みとなったフランを、

情もなくゴミのように投げ捨てた。

そして重力に引かれつつ落下していく。


「…いけない!」


颯花はとにかく全力で駆け走り、

彼女を優しく受け止める事が出来た。

なんとか地面へ直撃は避けられた。

再び腕に過度な負担が掛かったせいで、

腕の動きが悪くなるも、それを隠す。


「…こいつ…やっぱり生かしていく意味…

本当に…あるっていうの…こんなのに…!」

「…私は、約束した」

「…」

「彼女を……それでも救ける、と」

「でっでも……!」

「私は彼女を殺したりはしない。

死ぬのは私だけでいい。

どうか……彼女を殺さないでくれ」


そう言った颯花に対し、霊夢は少し硬直する。

しかし、彼女が返答する答えには、

迷いは確かになかったものの、

颯花が言った言葉のひとつを否定した。


「…分かった」

「霊夢……!」

「…けど、自分は死んでもいいなんて、

それは違う。相手を救けて、自分も生きる。

…約束して。自分を捨てないで」

「…巫女……分かった。

自分を捨てない。約束するよ……霊夢…さん」

「その調子よ…!」

「でもよ…あいつは空中で戦おうとしてるぜ。

私は箒使えないから飛べないんだが」

「魔理沙……ここは私達に任せて」

「…ちぇっ、いいぜ。任せる」


魔理沙はやり足りなさそうだが、

仕方ないなと考えそう答えた。

レミリアは空中にいたままだ。

彼女達をいまだ見下ろしている。


「霊夢…能力借りるよ!」

「分かった、大丈夫よ。

けど雑に使ったら許さないからね」

「大丈夫」


颯花の全身が光を放ち、その光が彼女を包み込む。

カチューシャは霊夢のリボンを2つに分け、

取り付けたような感じに変化した。

服装は赤基準になり、

ショートパンツは霊夢のスカートを、

短くしたような感じになった。


「それ、見えない?」

「気にしてないけど、スパッツみたいなのが、

あるから大丈夫か……な、なんか気に食わない」

「…」


2人がレミリアへと飛び上がる。

魔理沙それを見守っている。


2人の紅白と吸血鬼の戦いが始まる。

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