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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜紅霧異変編〜
22/245

赤と黒:1

「あらあら?退場したのかしら?」

「私が居るわ。彼女には休んでいてもらう」

「あなたじゃあ……ねぇ……?」

「…」


その後、2人の会話が進んでいく。

彼女達はその間、1度も目を離すことはなかった。

その2人がいる場所へ、1つの足音が響く。


「おい!霊夢!」

「魔理沙!遅いわよ!」

「うっさい!こっちだって大変だったんだよ!」

「そんなんこと知らない!早く手伝いなさい!」

「後で覚えてろよ!……ったく」


魔理沙がその場に駆けつけたおかげで、

少しずつ勝ち目が見えるようになった。

しかし、2人に人数が戻っただけであり、

戦力になるのかと疑問にさえ思っている。

その魔理沙の事をレミリアは馬鹿にする。


「…あなたは戦力になってるかしら?」

「うっさい!…私だってやれる、戦える!

行くぞ霊夢!私に着いて来い!」

「何よ!あなたが私に着いて来るのよ!」


着いてくるように言った魔理沙へ反抗するように、

霊夢も自らに着いてくるように言い放つ。

そのグダグダな会話をしつつ、

2人は戦う構えをして突撃していった。


「だったら……ハンデをくれてあげるわ…。

咲夜の能力……時止めは使わないであげる」

「よっしゃ…勝ったぜ(確信)」

「さあ…?どうかしらね?」

「行くわよ魔理沙!私に着いて来なさい!」

「もういい分かったぜ!仕方ない私が援護する!」


そのままレミリアへと2人が駆け走る。

その向かう前方から拒むように妨害を仕掛けた。

鮮やかな弾幕目の前を覆い込みが展開される。


「魔理沙お願い!」

「…またコイツにお世話になるぜ!」


魔理沙は瓶を取り出し弾幕へと投げ込んだ。

そして中央で爆発し、花火のように弾幕が広がり、目の前の弾幕を相殺していった。


「なぶしっ…!使うなら何か言いなさいよ!」

「すまんなぁ霊夢、考えてなかった」

「…チッ」

「巫女が舌打ちした!また巫女の評価下がるぜ」

「喋ってると寝首を狩られるわよ!」

「へいへい…っと」


魔理沙がそれを使う事を教えなかった事は、

おそらくわざとであっただろう。

仲がいいのか悪いのかがよく分からない。

その目を隠した霊夢の隙を突き、

一足先に魔理沙はレミリアへと接近する。


「まずは……魔法使いから始末するわ」

「だったら…やってみろ!」

「ひとりで戦わないで!死ぬ気なの!?」

「死ぬ訳ないだろ!主人公補正があるだろ!」

「あんたねぇ…!!」

「さあ来い!ここがお前の死に場…」

「もらったわ!」


台詞を言う前に、被せるように言い放つ。

そしてレミリアの拳が魔理沙へと真っ直ぐ向かう。

しかし、彼女はそれを防ごうともしない。


「それはこっちの台詞だ!」


魔理沙はヘソのある場所の服の下に、

ミニ八卦炉を隠していた。

そこから眩い輝きが放たれた。


「くらえ!ヘソスパークッ!!

超高火力の閃光が!お前の身体を削り取る!」

「ダサッやめたらその技!」

「うっせえ!当たりゃいいんだよ!」


その放たれた極太の輝きがレミリアを包み込む。

その光は紅魔館の外へ突き抜けた。

その輝きが消え、舞った土煙が引いた。

しかしそこには何事もないように、

レミリアが余裕な態度で立っていた。


「…この程度か?」

「なっ紅魔館…の吸血鬼は化け物か!?」


明らかに全然効いていなかった。

直撃の筈なのだが、威力も充分あったはずだ。

その状況に固まった魔理沙の首を掴み、

いともたやすく持ち上げた。


「ぐ…!」


持ち上げたもう片方の腕で腹部を連続で殴る。

彼女を殴る度に鈍い音が響いている。

それを止めさせようと霊夢は突撃する。


「…やめなさいッ!」


殴りかかった霊夢のお祓い棒は、

高く上げられた脚で軽く止められた。

その力はどこから湧いてくるのかが、

霊夢にとっていちばん不思議だった。


「所詮この程度だわ、私に勝つことなど不可能!」

「調子に乗って!」

「調子に乗れるほど余裕があるのよ!」


魔理沙は先程より強く殴られ、

霊夢はそのまま蹴り飛ばされ、

互いの背中の方向へと飛ばされた。


「…チ……チートだぜ…こいつぁ…」

「チート……?違うわ…これは実力よ。

なるべくしてなったてん結果よ」

「まだ勝敗なんて決まってないわ……。

そんな余裕だけで…やはり傲慢の塊ね、あなた!」

「……いくらでも言えばいいわ。

言ったって戦況が変わるとでも?」

「あなたの頭の中のお花畑では…

言いたいことを言っては駄目なの!?」

「…そうなのかもしれないわね」

「…フッ」

「…フフフ、ナイスだ霊夢」


何故か2人は笑い始めた。

突然笑ったことに不気味さを感じる。

しかし、その理由は分かるはずもなく、

レミリアは未だに分かっていなかった。

しかし。その異変にはすぐ気付いた。

脚に霊符の結界が張り付き、動きを止めている。

もがいても結界は破れない。

その結界が上へどんどん彼女を包み込み、

遂には全身の動きを止めさせた。


「あんたの足下に、結界を張ったのよ。

殴られて壊れるなら、殴らせなければいい」

「…ッ!」

「さあ、どう終わらせましょうか?」

「高火力でぶっ飛ばすぜ」

「さっき効かなかったじゃない」

「あれは最大出力じゃないから…

手から魔力供給の方が威力が上がるんだよ」

「あっそ、お好きにどーぞ。

(あんな腹パンされてたし、ここは譲るかな)」

「そんじゃいくぜ!

ミニ八卦炉、行くぞ!最大出力……!」


ミニ八卦炉に次第に光が集まっていく。

明らかに先ほどより輝いている。

まともに喰らえば今度こそ消し飛ぶだろう。

レミリアは冷や汗をかいている。


「やめろ…!」

「いいや、だめだね」


レミリアはその時、時を止めた。

しかし体が動かせず、結界を破壊出来ない。

そのまま6秒が経過し、無駄となった。

時を止めたことに、霊夢が気付いた。


「ハンデじゃなかったの?」

「ッ……黙れ巫女ッ!」

「今頃、遅いぜ!くらえ!

魔砲『ファイナルスパーク』!」

「やめろ!ふざけるなッ!この私がッ!

下等生物ごときが思い上がらないで!

やめろ…やめろ…やめろ……やめろッ!

……この……この私をッ……!

この私がぁああああああああああ!!!!!!」


やがて放たれた巨大な閃光が、

レミリアの姿を完全にを包み込んだ。

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