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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
~外界旅立編〜
148/245

街と人と:2

「…君は、何の為に生きているの…?」

「何の為でもありませんよ。

私はただ生きたいだけです…この瞬間を、今を」

「…」

「行動全てに理由が必要なんて誰も言ってません。

この世界はただ時を流れ続けます。

それは戻ることはありませんよ」

「…。過去は書き換えられないなら…

未来を変えろ…ということなの…?」


街の大通りを出て、隠れ家への道に入る。

進むにつれ、颯花の脚が重くなる。


「あなたは急ぎ過ぎですよ。

もう少し、ゆっくり前に進めばいいんです」

「…」

「あなたのしようとしている事を、

私は止めようとも何も思いません。

でもそれが本当に彼女達が嬉しいと思えるのか、

自分の自己満足の為になってないか、

ちゃんと考えていれば、道に迷いません」

「…。故郷…いや、自分の居た世界が消えて、

何も生きる宛が無く泣き崩れていると思っていたが…

お前は強いよ…何度も悲しみに押し潰されるより、

一気に全てを…奪われた方が苦しいはずなのに…

それでも過去を見ず、

前へ進めるんだ…普通の事じゃない…」


そのまままっすぐ進んでいく。

そして見覚えのある建造物が視界に入る。


「過去は残るより、忘れた方が楽ですよ。

いつまでも悲しむより、今を楽しむほうが、

誰にとっても1番身が軽くなります。

死んでしまった仲間がいるのなら、

死んでしまった仲間の為にあなたが生きるんです。

もちろん、大切な仲間を忘れちゃいけませんよ 」

「…」



「なんでまた出掛けるのよ…。

あたし颯花助けに行って疲れてるんだけど」

「いいだろ?まだ行ってないとこあったし」

「また急いで人とぶつかったりしないでよね」

「大丈夫だって、へーきへーき」

「全く…」


霊夢と魔理沙が昨日に続き今日も2人は

大通りへと出掛けに行った。

しかし、相変わらず十字路の角で、

魔理沙は再び人とぶつかった。


「あんたほんと馬鹿じゃないの!?」

「…すまん」

「あっ大丈夫ですよ、魔理沙さん」

「えっ…と…誰」

「えっ…」


魔理沙が2回目にぶつかった相手は、

今まで生きていたかさえ忘れ去られた紅美鈴だった。

霊夢は顔だけ覚えていたが、

魔理沙は完全に忘れていた。


「しかしまぁ…なんでここに?」

「私は別の場所の隠れ家に住んでいたんですが、

たまには顔を見たいなぁ…って」

「へぇ…他の隠れ家にもいろんな奴がいるのか?」

「ええ、様々な人が居ますよ。

まあ居場所を無くした妖精の類が、

過半数を占めていますけどね」

「へぇ…みんな意外とまとまって生活してるのな 」

「魔理沙、早く行きましょ」

「あ…ああ、すまない、んじゃまたな」

「はい」


美鈴は隠れ家へ歩いていった。

魔理沙は地図を買い、どこへ行くか探している。


「そういうの、先に決めときなさいよ…」

「行く方向は決めてた…後は何があるかだけ」

「直接行ったほうが早い、ほら歩く! 」

「ちぇ…」


大通りを昨日進んだ方向の反対へ進んでいく。


「それにしても、霊夢は驚かなかったのか?」

「何が」

「颯花だよ、生き返ってた例の件」

「少しだけ聞いたわよ、片目だけ失って、

後はデメリットなく生き返ったとか」

「でも不自然過ぎないか?

なんであいつだけ生き返られるのさ。

普通それはありえないし、他の奴だって…

生き返せるのなら生き返らせてくれよってさ…」

「…私が思ってるのが合ってたら…

この世界も死後の世界も、相当黒いわよ」

「…どういう意味だ?」

「気安く話せないわ…これは。

少なくとも…この世の全てを監視されていて、

世界を思うがままに…動かしている」

「真の敵は…死後って事か…」

「颯花が生き返らされたのも、

そいつらの玩具として使われているだけかもね」

「酷い話だ…だけど私はあいつには同情しない。

自業自得だ、あいつは」

「どうしてそこまで颯花が嫌いなのよ」

「あいつから聞けばいい。そのほうが早い」

「…」


大通りを進んでいると、街の雰囲気が変わった。

現代風な町並みは消え、住宅や小さな店、

穏やかな風景が広がっている。


「で、ここに何があるの?」

「ここ、珍しい冬の花火をやるらしいのさ。

なんで冬にやるのか疑問だけど…」

「私達にとっては花火自体珍しいわよ。

それは楽しみだけど、それまで何するの?」

「まあ場所を探しつつ観光、それだけ」

「まぁ…悪くないかもね…

てか、飛べるし場所探ししなくてよくない?」

「でも飛ぶのはタブーだってあのゲス管理人が」

「夜にやるんでしょ?見つからないわよ」

「…まいっか」


少し歩くと、小さな公園があった。

別にそこに寄るのではなかったが、

そこにいた人物のせいで結果的に寄ってしまった。


「…妹紅…?あいつなにしてんの?」

「ベンチに座ってるだけじゃん」

「それが気になるのよ、行くわよ」

「一人で居たいんじゃないのか?」

「じゃあ邪魔しに行きましょう」

「うわ…」

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