世界へ旅立つ少女達:2
「なかなか広いじゃない、一人一人の個室の大きさ
には十分ね。誰も来なければ広いけど…」
「よお霊夢、暇過ぎて来たぜ」
「…。狭くなったわ…」
その霊夢の個室へ魔理沙はやって来た。
流石に1人分では広いものの、2人では狭く感じた。
霊夢にとって1人以上に気楽でいいと思うことはないと、
そう思っている為でもある。
そして、彼女は魔理沙の元へ行き、彼女をつまみ出した。
「おい!そりゃねーだろ!来てやったんだぜ?」
「余計なお世話よ!
あんたが居たって何も楽しくないわよ」
「ひっでぇ…そりゃないわ…」
「自分の部屋で大人しく魔法の研究でもしてなさい。
私の足を引っ張らない程度には上達しなさいよ」
「霊夢!正直に言うがお前より強いからな!」
「そんな訳ないでしょ!ほらさっさと出て!」
「ちぇ…」
再び個室で一人となった。
しかし何故か彼女の中には孤独感が生まれた。
それは、部屋の周囲を見れば分かった。
「…ベット以外何も無いじゃない…。
魔理沙の言う通り暇だし、外を回ってみるかしら」
「お供するぜ」
「まだそこにいたのね…全く…」
魔理沙と霊夢は建造物を出て大通りに出た。
資金は事前に少し配られていた。
「早く行こう!楽しみだぜ!」
「目立たないようにしなさいよね…」
その大通りに出た瞬間、十字路の角で魔理沙は
そこの住人と思われる人物に衝突した。
「うわぁ!すまんすまん」
「あんたが走るからでしょ!全く…」
「いっいえ!大丈夫ですよ!問題ありません!」
「やっぱり私が買い物袋持ってよかったわ!
私の勘は外れないってね!」
「でしたね…よかったぁ…」
その十字路の角でぶつかった相手は、
緑色の髪で、巫女服の様な見た目の服を着ていた。
その隣にいたのは、赤に少し黄色が入った髪の、
見覚えのあるような顔をした少女がいた。
「奇妙な服装だな…名前を聞かせてくれよ!」
「お互い様ですが…私は東風谷 早苗です!」
「では私も名前を、私は桐柄です」
「私は霧雨 魔理沙だ!普通の魔…人間だ!」
「これって私も言わなきゃ駄目なの?」
「当たり前だろ!ほらっ挨拶」
「上から目線…私は博麗 霊夢よ」
そしてその4人は、近くのカフェという店に立ち寄り、
何故か自分達の自己紹介の続きを始めた。
「…いつまで話すのよ…全く…」
「ほら!これが魔法だ!」
「ちょっあんた!?何してるのよ!」
「何って、魔法見せてんだよ」
「目立たないようにしろって言ったわよね!」
「まあまあ…でも魔法使えるなんて凄いですね」
「りえは本当に普通の人間だもんねぇ、
普通過ぎて怖いくらいに」
「褒められてるのか馬鹿にされてるのか…もう…」
「んー…感が鋭くて…赤髪で…なんか見覚えが…」
「そんな事よりここの飲み物いい味してるぜ」
「でしょう!私の中で一番の店ですから!」
「早苗さん…いつからここが一番って…」
「まあまあ、霊夢さんも冷めないうちに…ってあれ?」
「もう飲んだわよ、意外にいいんじゃない?
こういう味も」
「でしょう!ここら辺にはいい店もっとありますよ!
行きましょう!ほらほら!」
「…どこに行くのよ…」
次に少し歩いた先の、服の店へと入っていった。
「この服…イイ!」
「なんだ霊夢?さっきより元気じゃないか」
「この服見なさいよ!良くない?ねえ?」
「あっちで試着できますよ」
「ほらりえも何か着てみなさいよ」
「私はいいですよ!着慣れてる服が愛おしいので」
「別にいいゃない!ほらっこれとか」
「むぅ…これもなかなか…じゃなくて!
そろそろ戻らないと怒られちゃいますよ!」
彼女は早苗に腕時計を見せた。
それを見た彼女は顔色を悪くしていった。
「うわ!まずい…霊夢さんそれ買ってあげるから
私たちの家まで来てください!」
「えっいいの!?」
「じゃあ私も」
「(早苗さんもしかして…遅れた時の捨て駒として…)」
そして霊夢はそのまま彼女に付いていった。
しかし、着いた先で彼女は大きな溜め息をついた。
「神社…でっか…」
「ええ!この街一番の大きさですからね!」
「ん?お前ここに住んでるのか、金持ちだな」
「お陰様で観光客も沢山で嬉しい限りです!」
「ちなみに掃除は全部私1人」
「いつもごめんねぇ…えへへ」
「まぁ…嫌いじゃないですけど」
「霊夢も見習えよな!」
「あ"?」
「うわあ怖い怖い」