双璧:3
「私を殺す…?何度も貴様より強い奴らを殺した…
そんな私を1人では何も出来ない貴様が…?
幻想に振り回されていると…
絶望して死ぬ事になるぞ…!」
「だから…何度も言わせないで…
こんな状態…普通なら死んでいる出血の量…
何度切り取っても繋げば動く手足…
まるで人形…こんな私が生きているように見える?
こんなあなたが作った人形共みたいな奴が…
生きているなんて言えるのかな?」
メシアはその脚を弾き飛ばし、
2人の距離は再び広がった。
互いにダメージは当たり前の様に無かった。
「じゃあ死んだお前が誰の為に人形として動く…
ただの動く死体が…誰の為に!」
「誰の為にでもない…
仲間の為なら…誰よりも先に死んでいた…
自分の為なら…仲間だろうが殺していたさ…
必ずしも誰かの為に動く訳じゃない…!
私は…未来の為に戦うんじゃない…」
「じゃあ何故戦う?
理由もなく血に飢えて彷徨う吸血鬼とでも…
…憧れているとでもいうのか?」
メシアが呆れた顔をしながら歩み寄ると同時に、
ほぼ同じ様に颯花も歩み寄っていく。
2人はその目を逸らすことは無かった。
「…私は…あるべき過去を取り戻す為に戦う…!
それが出来るのなら…正義の象徴だろうが…
最強無敵の…ヒーローだとか…
吐き気を施す邪悪だろうが…関係ない…!
私の道を阻む敵が居るのなら…
それが私自身であろうとも…殺す…!」
「ふん…力が無ければ…そんな理想…
思いついた時から崩れ落ち消えるだけだぞ…!」
2人は同時に歩み寄る事を止めた。
颯花がメシアへ問い掛ける。
「力はある…覚悟もある…理想も…勇気も…
お前には…死ぬ覚悟はある?」
颯花は顔を、思い切り正面から殴られた。
しかし、その攻撃に、微塵たりとも動じない。
「生意気な…!」
「生意気で何が悪い…
他人がどう思っていて…どう私が思われようが…
そんな個人の意見で何が変わると…?」
「知るかよ!世の中は見た目や噂で左右される…
貴様がテロリストと言われたとすれば…
ただの薄汚れたテロリストなんだよ!」
颯花はその腕を掴み、振り回して投げ飛ばす。
メシアは強く投げ飛ばされても、
相変わらずの無傷であった。
「それが…外の世界の常識なのか?
そんな世の中でまともな人間がいるのか?」
「そんなこと知らないね!
まともな人間が居ようが居なかろうが…
それでも世界は歯車の様にひたすら回っていく!」
「歯車はひとつひとつしかない…
1人が壊れたらみんな壊れるぞ?」
「この世界には替えがきくほど人間が居るんだよ!
たかが個人の命が消え失せようとも…
この巨大な組織は崩れる事は無い!」
「ふん…それは誰に教わった…?
1人で敵地へ送られ、殺し、また戻り、繰り返す。
どうせお前が死ぬ時は簡単に捨てられるだろうよ」
「そんなはずないね…私は最強なんだ…
こんな優秀な人材を簡単に捨てるなどない!」
「最強ほど恐れられる物はない…
お前が陰で言われていることを…
私の勘で1つ考えてあげる…」
再び殴りかかったメシアの拳にぶつけるように、
颯花は同じ左腕の拳で殴った。
周囲に響き渡る音は先ほどよりも大きかった。
「その言葉はたった一つの言葉だ。
お前をその一つの単語だけで表せる…
単なる指示通りに動く…手の上で踊る…
何よりも便利に利用でき…
使い終わったら楽に切り捨てれる『駒』だと…!」
「駒?私はそんな気安い存在じゃないことを…
テメーの脳内に刻み付けてやるよ…!」
今度はメシアが颯花の腕を掴み、
何度も振り回し大地へ叩きつけた。
その度に大地に亀裂が入り、大きな音を出す。
しかし、全くの無傷だった。
「そんなだらだら話すから…
お前の能力はあと数秒しか持たないだろう…
このままぶん回されて終わるぞ?」
「そう焦るなよ…私には考えがあるのさ…
お前を驚かす『とっておきの秘策』をな…」
「驚かせるものなら驚かしてみろ…!
もたもたすると…何も出来ないぞ!」
「秘策は基本教えないものだ…
秘策をすると先に言えば警戒されるのは当たり前…
だけど…私が秘策と言ったその時、その瞬間…
既に秘策は行動となって終わっていたのさ…!」
同時に手を話され、勢い良く遠くへ吹き飛んだ。
土煙が舞うその中で、ゆっくりと立ち上がる。
「次にお前は…
『結果のない行動など何になる』と放つ!」
「結果のない行動など何になる!…なっ!?」
自身の言動を読まれ、驚いたその僅かな隙を、
颯花は逃すことは無かった。
その僅かな隙を時を止め、大きな隙へと変えた。
そしていつの間にか拾った刺剣で切りつけた後、
能力の制限時間の終了で時止めは終了した。
「お前の最強の部分を取り除いた。
今からお前は……ただの…歯車だ…!」