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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜紅蒼運命編〜
129/245

人形の吸血鬼:4

「動けないからって安全じゃな…ぁ!」

「くっ…それも出来るのかよ…くそっ!」


レミリアの口から小さな紅い槍が放たれる。

動けない颯花は無理矢理下半身を吹き飛ばし、

少しながら上半身を移動させ回避した。


「痛いだろうが…終らせる為にはこうするしか!」


左手の刺剣を構え、一気に額へ向け貫く。


「ひゃぁっ…!」

「…くそっ…

意識があると躊躇ってしまう…なんで…!?

今まで相手に慈悲なんて思ったことなんか…!」


額に刺さる寸前に、颯花の刺剣は止まった。

その刺剣の刀身は震えている。

そして切れることのなかったワイヤーは、

とうとう切れることを知り、

レミリアの身体は再び動き出す。

上半身のみの颯花へと正拳突きを仕掛けた。


「くそっ風圧結界ッ!吹き飛べッ!」


正拳突きに風圧結界をぶつけるように、

そのまま風圧で吹き飛ばす。

そして下半身と再び連結、だがある異変が起こる。


「右足が動かない…なんで…!」

「あなたは良くやった…けどもう限界よ!」

「いいやまだやれるさ…きっと!

私のせいでまた誰かが無駄な血を流すのなら…

私はどこまでだってやれるさ…!

私は限界を越えて全力があるから!」


動かない右足を引き摺りつつ、

ふらふらとゆっくり立ち上がる。


「どうしてそこまで…!」


再び翼を生やし、片方をレミリアへ、

片方をフランへ変化させる。

紅いオーラを放ち、

2人の特徴部分が混ざったような姿になった。


「いくよ!私の全力で!

神槍『スピア・ザ・グングニル』ッ!」


両手を空へ掲げ、極大な紅い槍を生成する。

その強大な力に颯花の腕は悲鳴を上げている。

しかし、その槍は更に大きくなる。


「まだまだ…私の限界は越えてないッ!」

「なんて無理なことを…やめなさいよ!」

「全力でやらないと…一撃で倒せない…

お前が苦しんだら、咲夜が悲しむ!

お前の為にも咲夜の為にも…

そして自分の為にもベストを尽くす!」

「あなたはなんでそこまでやるのよ…!」

「こんな世界になったのは私のせいだから!

だから…1つ1つの悲劇は私がけじめをつける!」

「あなたの…せい……!?」

「そうさ…辛いのなら私を恨め、憎め!

いつか必ず来る平和を信じて…!」

「…!」


レミリアの身体も反応し、

同じく極大な紅い槍の生成を始めた。


「…全力…で!行っっけぇえええええッ!!!!」


レミリアの姿を覆い隠すほどの大きな紅い槍が、

彼女目掛けて高速で前進する。

直後、颯花の左手は爆発し砕け散った。

疲労と負担で動けなくなった。


「…………」


そのまま前進した。その残った大地の傷跡が、

その威力を物語っている。

依然として颯花は動けない。


「……本当に……つらいよ…」


「……どうしてこんなに私は無力なんだよ…!」


颯花が空を見上げる。

そこには下半身が消し飛び、

苦しい表情を浮かべるレミリアの姿があった。


「…ふっ…終わったな…私は」

「駄目よ…諦め…ないで…!」


手刀を前へ突き刺し、一気に突撃する。

満身創痍の颯花には敗北が決まった。


「…悪いな…だけどお前をこのままにはしない…

お前ごと…自爆する…!」

「駄目…まだあなたは…戦える!」

「最後まで戦ってるつもりさ…自分と!」

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