冷たく熱い氷
「どう怒ろうがお前では私に勝てない!」
「負けるから逃げる…なんて人、居るとでも!」
メシアの付近の大地から複数の氷柱が発射、
それらは意識のあるように追尾した。
「ふん、技に毛が生えた程度で!」
その複数の氷柱を容易く斬り裂く。
しかし、斬られて二つとなっても追尾し、
命中したメシアの体を凍らした。
「またこんな真似をして…
ワンパターンなんだよ!」
「なっ…!」
その氷を容易く割りつつ駆け寄っていく。
そして飛び上がり一気に剣を振りかざす。
「あんたこそワンパターンなのよ!」
「ぬっ…!?」
斬られたチルノから周囲に冷気を放った。
その周囲だけ雪景色になるほどであった。
メシアの動きが一瞬止まった。
上方から何かが落ちてくる。
「氷塊『グレートクラッシャー』!
今度こそ潰れて消えろぉっ!」
「ぬっ…!」
動きが取れないままメシアは押し潰された。
辺りが静まり返った。
「やったの…!?」
「攻撃は無効化されると言っているだろう?」
「なっ…!?」
その氷の塊からメシアの腕が飛び出し、
チルノの足を掴んだ。
その握力は並大抵のものではなかった。
「馬鹿な子にはおしおきをせんとなぁ…!」
「あっ…ぁぁああッ!!!」
周囲に大きな音が響き、
チルノの脚から熱い血が流れている。
メシアはその脚を容易く片腕でへし折った。
「まだおしおきは終わってないぞ?」
「ぐっ…」
再び大地へ戻り、チルノを
何度も休む事無くその大地に叩きつける。
その度に大地が揺れ動き、亀裂が走る。
「あのままだと…あの子が危ない…!
槍符『キューティ大千槍』っ!」
「む…貴様を忘れていた…!」
背後から複数の人形がメシアを刺突する。
しかし、威力がなく突っついているようだった。
その後にそれらの人形は二つに斬られ、
大地に叩きつけられたチルノを無視し突撃する。
「また脳筋みたいに一直線に突っ込んで!」
「効かない攻撃をわざわざ避けてもなぁ!」
「魔符『アーティフルサクリファイス』!
爆発に包まれて焼け死になさいッ!」
辺りの雪景色を一瞬で戻すほどの爆発が発生。
その爆発にメシアは包み込まれた。
しかし、その爆発の中からメシアの手が伸び、
アリスの首を両手で絞めた。
メシアの圧倒的な力になす術はなかった。
「両手なら…首がもげるかもな…!」
「ぬっ…ぐっ…!」
そのまま首を絞めている。
首がもげる前に意識が遠のいていく。
「だがしかし!このまま容易く殺すのも惜しい…
いたぶって殺してやる…!最後の最後まで…!」
その首を掴んだまま何度も腹部を強打する。
その度に鈍い音が響き、アリスが血を吐く。
メシアのヘルメットに返り血が浴びる。
「(こんな奴…勝てる訳…ない…!)」
「そろそろ死ぬか?死にそうだな…?
じゃあ…終わりにしてやるよ…!」
再びメシアは剣を振りかざす。
毎回同じような体勢で、大きく振りかぶっている。
彼女の胴体はガラ空きだった。
「終わりだァ!死ねええええええッ!!」