偽者と蘇った召使い:1
「…。良かった。まず最初に君にあえて」
「まさか生き返るなんて…本当に颯花なのか?」
「ああ…そうさ。
まあその事はもう気にしなくていい」
颯花は幻想郷に帰ることが出来た。
そして最初に会ったのはにとりだった。
「まさか私の勘が外れるなんてな…
いい強運を持っている…憧れるよ」
「はは…ありがとう。
で、片目が見えないと言ってたね。
一応どっちの目の義眼もあるけど、
ツケは高いよ?」
「またか…まあ構わんが…どうせまた、
私の身体の技術を取り入れたいんだろ?
何故私が機械人形として作ったのは
単なる戦闘力強化、あるいはゼィルとして
蘇った印象の為にかもしれないが…
よく分からんが関係ないか…。技術提供は
片腕だけだった筈なのにいつの間に目も…」
「細かいことは気にしない。
で、どっちの目だ?」
「ああ…右目だ。目を開いても真っ黒だ」
「そう。はいこれ、眼帯タイプだけど
素材があれば吸盤でもなんでも作れるよ?」
「いいや、眼帯とはなかなかいいセンスだ。
ありがとうね」
「えっ…眼帯でいいのか…?まあいいや」
「ああ。じゃ、またな」
2人は別れ、颯花は神社へ向かう。
颯花は例の翼を生やし、飛び立とうとする。
「また…これを使うなんてな…
まあ今度は大丈夫そうだからいいか」
「…まずいな…お前がここにいるなんて」
「おはよう、紛い物」
「おはよう、正真正銘のオリジナル」
颯花はその殺気に気付いた。
「また場所がバレた…そこまで殺気は
出していないはずなんだが?」
「あんたは馬鹿か?そんな凄い殺気、
アリでも気付くぞ」
颯花は道の端の木の陰にいる、
その赤い人物と目が合う。
颯花は冷や汗をかいている。
「そっそのー…なんだ、
もう…ここに居るなんてな…はは…」
「ん?ビビってるのか?」
「いっいや…はは…
身体が怠けて動きにくいのさ…
多分のそのせいだよ…ききっと…
(まてよまてよ、いきなり過ぎて把握しきれん…
私の一番嫌いな言葉は理不尽なんだよ…!)」
「動揺してるな…この世界のお前は、
相当なビヒリなんだな…これじゃあまだ、
他のお前の方がやりがいがあったぞ…」
「…?ビビリ…?この私が…?
上ッ等じゃないか…!」
「テンション上げてるところ悪いが…
お前の相手は俺じゃない…」
「…。…。…。…は?」
メシアの周囲に白い灰が舞う。
颯花は即座に察知した。
「(まさか誰かを蘇らす気なのか…!
だがそんな生成させる暇は与えない!)」
颯花は左手の機械を露出させ、
大地を思い切り踏み込み飛びかかった。
0.5秒でその殴りは届いた。しかし、
その風圧を発している手を、
風圧の上から機械を余裕で掴んだ。
「なっ…どうして…!?」
「攻撃は無効化…だが、これは確か防御用の…
つまりこれは私の実力という訳だ」
「ああ…そうかよ…!」
メシアのヘルメットを横から叩き蹴った。
しかし、相手はびくともしない。
「何故効かない…くそっ…!」
「無駄さ。無駄無駄…」
「ならば…こうするしかないよなっ!」
颯花の服装が深紅の色基準に変化。
頭の飾は炎を表す様な形と変化した。
「妹紅の力を借りる…灰を焼き尽くすッ!」
「…っ!」
瞬時に颯花の身体は炎を纏い、
周辺に無数の火花を飛ばした。
「ふん…だが遅いな…!」
メシアは例の剣を取り出した。
その剣は瞬時に颯花の能力を吸い込み、
無効化させた。
「め…迷惑なものを使いやがって…!」
「ふん…やはりお前はお前なんだ。お前は」
メシアの目の前に白い灰が集まり、
それらは人の形を成していった。
「さあ…ご対面だ…ははっ…!」
「…っ!!…まさかそう来るとは…!」
その白いに色が付き、
見た目は完全にその人物へ変化した。
その姿は十六夜 咲夜だった。
「これは…まいったな…友人を撃つ時が…
まさかこんなに早く来るなんて!」
「ふん、では2人で楽しく踊れ…
悲しみと絶望のワルツを…!」
「貴様…どこへ行くッ!」
「すぐそこさ…また戻るかもな」
メシアは徐々に粒子化し、
そして完全に姿を消した。あの殺気もない。
「咲夜…なのか…」
「…」
「どうして黙っている…!なにか言えよ!」
「…」