魔法使いと生き返りし者:1
「確かお前は…パチェ…?だっけな。
あいつの仲が良かった記憶があるな…」
「だから…どうした…!」
「確かこの世界では死亡済みだったな…
なら…会わせてやる…」
「…何を…」
「会わせてやると言ったんだ二度も言わせるな…
喜べよ、この私が会わせてやるんだからな…」
そして彼女は長く赤い髪を抜き、
目の前に投げ捨て、何やら言葉を発した。
そして、その髪は光を放った。
「…ふん、成功だ…」
「……っ!」
その髪しか無い場所に、ある人物が居た。
それは、パチュリー・ノーレッジ。
メシアの言った通り、文字通り蘇ったのだった。
「パチュリー…!?」
「…ん…?…あれ…私は…ん?」
「本当に…パチュリーか?
「何よ、そんな変な顔をして…」
そして魔理沙は1歩歩んだのと同時に、
目の前から1つの光が放たれた。
それはパチュリーが放ったものだった。
「…えっ…!?私…身体が勝手に…!?」
「…なっ何が…!?」
「生き返らせるとは言った。
だが彼女は今は私の手駒だ。
貴様は彼女を殺すか、殺されるしか、
…その二択の未来しかない」
「…お前…!!」
「世界はそんなに優しくない。
そして貴様らはこの世界の1部しか見ていない。
この幻想郷の外に1歩出てみろ…
どんな顔をするか楽しみだな」
「…私は外の世界なんて知らない…けど!
今はあんたを倒す…私はもう死人を…
目の前で悲しみを生み出させはしない…!」
「ほう…なら、その決意を保ったまま…
この仲間を自らで殺すことはできるかな?」
「魔理沙…構わないで…私はもう死んでるの…」
「…今、君は生きている…
二度も死なせはしない…絶対…!」
「ふん、やれ。パチュリー」
「っ…!?」
パチュリーの身体が勝手に動き、
魔理沙に手の平を向け、弾幕を構成した。
「魔法瓶…弾幕花火型…これでっ!」
その弾幕の中心に1つの瓶が投げ込まれ、
その瓶を中心に花火の様に光が拡散した。
その花火の光は周囲の弾幕を打ち消していく。
「(狙いはあの糞野郎だけだ…!)」
魔理沙はパチュリーを無視し、
全力でメシアへと駆け寄る。
「余所見をすると寿命が縮むぞ?」
「くっ…!」
再びパチュリーから攻撃された。
メシアと魔理沙の間に一本の閃光が、
魔理沙の行動を制限した。
「やっぱ…パチュリーは強いな…
どうすれば…」
「魔理沙、躊躇わないで!
こんなの私が生き返った訳じゃない!」
「うるさいっ!お前は…私が助ける…!」
「魔理沙…」
「なら無理矢理戦わせてやるよ…
向こうに生体反応があるんでな…」
「待て!どこへ行く!」
「紛い物の場所に…だ 」
同時にメシアは粒子化し、
完全に姿を消した。周囲に気配もない。
「くっ…ミニ八卦炉…閃光型っ!」
パチュリーはその閃光弾で、
一時的に視界を潰された。
魔理沙はその隙を接近に利用した。
そして互いの距離は縮み、
魔理沙はパチュリーの頭部へ思い切り、
手に持っていた箒を叩きつけた。
しかし、気絶させることも出来なかった。
完全に隙が生まれた魔理沙へと、
ほぼ0距離で光を放たれた。
それは魔理沙の右脚に当たり、
少し大きな爆発が発生した。
「いっ…まだまだ…! 」
「魔理沙…!私は貴方に傷ついて欲しくないの!
だから…遠くからマスタースパークを放てば…!」
「こんぐらい…全然問題ないぜ…!」