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東方project 〜東方少女録〜  作者: mariari
〜紅蒼運命編〜
111/245

颯花の死後:2

「あのチップの複製にはある時間にしか、

それと同じものを作れる代物じゃない」

「…」

「メモリの抜き取られた直後と同時に、

それとそのチップの素材はこの世に一つしかない」

「なら、その素材を複製すればいいだけ」

「だから、無理だといっている。

あんたは何を言っているんだ」

「簡単に言えば、人の亡骸から作られた」

「人の亡骸で作る?そんなの不可能だ、

そもそもその亡骸は誰だっていうんだ?」

「貴方の身近な人物。

それと、その亡骸はある特殊な方法で、

死を受け入れなければならない」

「身近…特殊な方法…」

「この世の憎悪を司る者に、

希望を吸い取られると、とある白い灰となる」

「希望が無くなれば死ぬのか?」

「希望の魂魄を抜かれれば、

湯船の栓の様に消える。

それ以外の全てが身体から抜け、

ここにも来れない身体となる」

「生き死の状態…それが白い灰…」

「その白い灰は、全ての欲を作り出す。

もし貴方が、それを手にして、何をする?」

「…。この世界の正当化…死んだ人の蘇生。

…まさか…その身近な人物…って…!」

「貴方のお仲間達、ね」

「…そんな…ありえない…!」

「それが分かる方法、それは貴方が、

他の人物の能力を扱えるということ」

「…!」

「貴方とジーグ、それらの人物達の身体を、

その白い灰から作り出された。

そう、仲間の亡骸でね。

まずは本者の貴方を作る。そして頭に、

一つのチップが埋め込まれる。

そして貴方は死に、それを抜き取られる。

白い灰は全てを作り出す。再現不可能な代物も」

「ならそのチップ、そのまま入れれば…」

「それを、本当の貴方が拒んだ。

自らのチップを破壊してでも」

「破壊されて、新しい物を

作らなければならなかった…か」

「そう、それで一つ目のチップの

記憶はほぼ消えた、

けどそれが消えた訳じゃない」

「まさか、それが生きていて、それがジーグに

入って来たということか?」

「そういう事、ほぼ無意識に復讐に成功してね。

それで、彼女に憎悪が溜まり込み、

やがてああなってしまった」

「でも最終的には普通に戻って…」

「彼女が最後に言った、危険な人物、

それは異世界から来た人物達を指していない」

「…?」

「その本者が、身体から抜け出した。

それを忠告していたのでしょう」

「待て、私の推測なら、そいつ1人に

ジーグの仲間達が殺されたというのか?

霊夢がそんな簡単に死ぬやつではないぞ」

「それは貴方の本物が、ある能力を手にした。

それは2つある、けど一つしかわからない」

「…」

「その能力は、全ての自身への攻撃の無効化。

もちろん、本者へ攻撃しようと思わず、

本者を攻撃したっていう作戦もしたけど、

その本者の着ていた装甲服、あれに

攻撃を吸収する力があった」

「近接なら倒せるだろ…!」

「近接もほぼトップクラスで強い印象で、

ほぼ相手に隙が無かった。

遠距離攻撃はない。けど、移動速度が優秀、

更には最強ともいえる防御力。

無効化出来ないものを自身の力で防ぐ」

「…。そんな力がそんな長期間、

扱えるとは思えんな」

「弱点は分からないわ。あれはいつも黒い球体と

行動を共にし、憎悪を行動源とし、

短時間で生命を殺傷、あるいは球体での浄化」

「弱点はない…で、何故その話をする?

まさかそれがあそこの幻想郷に居ると…!?」

「そう、それを話したかった」


そして、時は元に戻る。


「あの本者はここへも来れるんだろ!?

どうみても今止めなければ!」

「貴方が行ってどうするの?

仮に行ったとして、 あなたに何が出来るの?」

「私にだって…戦う術はある…!」

「あんな劣化するだけの模倣能力で?」

「なら吸血鬼の力がある筈だ!」

「あんな弱々しい力でどうなると」

「くっ…」

「仲間を…信じなさい。あなたが言ったことよ」

「…信じてそれで何かを出来るのなら、

とっくに平和だっただろうよ」

「…」

「まだ黒い球体は確認されてないんだろ?

今がチャンスなんだ…!」

「チャンスは二つも無いわよ」

「チャンスは作ればいい…!小町!

そこにいるだろ!あんたなら仮の姿でも、

元の世界に戻せるはずだ!」

「待ちなさい!貴方は!」

「邪魔をするんじゃない!私は何でも罰を受けよう

だが!それは私が死にたいと思ってからだ!」

「再びここに戻れず、存在が消えるとしても!?」

「ああ…元から死んでいるのさ!

もう何も怖くなんかない!」

「なら、私に一つ提案があります。

あなたの体の実体化なら、

私の力でどうにかなります。

ですが貴方の体の一部を使わなければならない!」

「ならば目を使え!片目なら戦闘に支障はない!」

「なら、私はあなたに賭けましょう!

失敗は許されない、許しませんよ!」

「…ああ…!!」


そして、颯花は来た道を戻る。

次に死ぬ時に、存在が消えようとも。


「本当は、身体を蘇生するのには、

新しい全く別物の体を作るから実体化出来る…

けど、それには、

私が上からの相応の罰を受ければいいだけ。

片目も何も犠牲にするものはいらない。

この片目は、貴方のこの世とあの世を繋ぐもの。

貴方が死んで、貴方を思う人が残るように。

人の死は、誰かに忘れ去られた時が、

本当の死なのだから。

それに、私は小町に死んで欲しくないもの。

このまま彼女をここに留まらせていれば、

あのファーストはここへ必ず来る。

彼女の仲間を殺してからね。

まあ、小町は死神だけどね。

なんか…面白くなってきたわ」



「タイタニックだろ!船だろ!

もっと早く飛ばせよ!」

「もう!人力なんだから無理をさせないでって!」

「この時間のロスが後の行動に支障を与える!

分かってくれよ〜頼むよ〜!」

「あーもう…どうせ来た距離と同じ距離だし、

まだまだ先は長い…のんびりでいいでしょ…」

「…。すまない…他人に迷惑をかけるとはな…

なら飛べばいい」

「えっちょっ!落ちたら水の泡に!」

「問題ない!飛ぶだけなら疲れない」

「嘘って事が顔に出てるわよ」

「うぐぐ…」

「ほら、焦んな。とりあえずアイスティーでも

飲んでゆっくりしておきな」

「…」

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