ジーグの居た世界で:3
魔理沙はメシアに弾幕を放った。
しかし、その放たれた弾が触れた瞬間、
何事もなかったかのように弾幕は消滅した。
「くっ…なんだよそれは…!」
「貴様からエサにされたいか?
順番は問わないと許可は出ているんでな!」
メシアはワープの様に高速移動し、
魔理沙を球体へと蹴り上げた。
「あっ…まずい…!魔理沙ッ!捕まって!」
「グッ…!」
ギリギリで止まったかと思ったが、
片足が球体の中に入ってしまっていた。
そして大きな力が魔理沙を引き込んでいる。
「霊夢!足を切り落とせッ!もう無理だッ!」
「でっでも!!」
「早くしろッ!やれよ!クソ巫女ッ!」
「くぅ…魔理沙…ごめん…ッ!」
霊夢はお祓い棒の紙を霊符で硬化させ、
魔理沙の左脚を叩き切った。
「ぐっ…!!霊夢…高度を下げろ…!」
「ええっ…でもあいつの相手出来る奴はいない…
次、突撃されたら…!!」
「霊夢ッ!颯花だ!私がなるべく奴と戦う!
何か作戦を考えてくれッ!」
「そんな事をしたらあんた…!!」
「時間稼ぎ程度には戦えるッ!
私はこのまま死ぬ訳にはいけない!
無念に死に気付かず死んでしまった皆の為に!」
「また貴様か、その顔は二度と観たくない!
さっさと死んでもらおうか!
私をこんな姿に変えた貴様は!」
「何の事か…分からないね!」
メシアは黒く光る剣を取り出した。
その剣と颯花の刺剣が鍔迫り合った。
しかし、その刺剣は軽く折れ、
そのまたメシアの剣は颯花の顔を斬り裂いた。
「どうだ?この黒輝剣は」
「たかが右目…この程度の傷一日あれば治る!」
「治るなら治らなくなるまで痛みつけよう…!」
メシアは剣をしまい、
両手で連続に颯花を殴り飛ばす。
その吹き飛んだ颯花を、
腕に着けられたアンカーを飛ばし引き戻し、
再び何度も殴りつけた。
「ふふはっ、パンチングマシーンみたいだな」
「ぐっ…吹き飛べッ!」
「ぬおっ!?」
颯花は右手の機会を露出、メシアへ殴りつけた。
颯花は無効化されると思っていた。
もちろんメシアもだった。
メシアは大きく後ろへ吹き飛んだ。
「なんだ?攻撃が無効化されない?」
「…本人にダメージを、与えようとしなければ…
能力は…働かないッ!」
「まさか、そんなはずは」
「さあ…どうだろうなぁ!」
颯花は2つの能力を文に変化、
高速で移動しメシアに抱きついた。
「貴様、何を!」
「霊夢ッ!魔理沙ッ!
私を撃て!こいつには撃つな!」
「なっ…何を言ってるんだ…?」
「…なるほどね、そういうこと。
けどそれでは貴方は…!」
「問題ない…!早くしろタコッ!」
「ちっ…やるしかないのね…魔理沙、
タイミングに合わせてッ!」
「まさかやる気かおまえッ!」
「早くしてよ!今やらないと!」
「ちっ…!!」
霊夢が無数の霊符を放つと同時に、
魔理沙が極太なレーザーを放った。
それらは颯花とメシアに直撃した。
「…どうなったか…!?」
「…ッ!?」
颯花とメシアにはほとんどダメージは無かった。
メシア単体でも相当の防御力があると、
その赤と黒の装甲には傷一つなかった。
更にはその攻撃を吸い込み、
黒輝剣に取り込まれた。その剣更に黒く輝いた。
「やはりこの世界はつまらんな!」