舞い落ちたノイズ
※この小説は東方projectの二次創作です。
グロ、残酷な場面、死亡する等もあります。
それでも大丈夫な方のみお願いします。
あと、オリキャラ登場&他所ネタ使用もあります。
単語に分からない点があれば検索を…(誤字かも…?)
能力等に自分の解釈が入っています。
(スペカ、身体能力もまとめて能力と呼ぶ等)
…本当に不快ではなければどうぞ。
とある少女は目を覚ました。
別に彼女は特に特別な存在ではなかったのだろう。
しかし、今の彼女の状況は普通ではなく、例え、
一般的な生活を過ごしていれば起こり得なかった。
辺りの景色は綺麗な青空と、目が眩むほどの太陽。
地上遥か高く、靴の裏が太陽の光に照らされている。
彼女の上空にはまるで当たり前のように地面があり、
彼女の足元には宇宙へと広がる透き通った青空がある。
つまり彼女は頭の方向から落下しているのであった。
危機的だがその綺麗な景色に見とれてしまっていた。
真上を見渡せば一面木々が生い茂った見事な自然。
足元を見渡せば雲がひとつもない晴れきった青い海。
そして、更には真上に立派な神社があった。
「…て、違う違う!何ですかこれは!
…目が覚めたら落下中って…有り得ない!
どこのメルヘンよ!ファンタジーよ!」
彼女は1人でにどうにか助かる方法を考え始める。
しかし、どう足掻こうにも人間は普通空を飛べない。
脚を、腕を動かしてもひたすら真下に進んでいく。
だがそれは単純に重力に引かれているだけであった。
…時間の無駄だ、どうすることも出来なかった。
落下速度が加速していく。地面さんこんにちは。
毎日毎日踏まれてご苦労様です。そしてさよなら私。
既に諦めムードの彼女はそのままゆっくり目を閉じ、
いずれ必ずやって来る死を受け入れてしまっていた。
そして鈍い音と大きな衝撃音のハーモニーが流れた。
「なんの音…?」
赤と白の色をした巫女が、真下の神社にいた。
普通そうな雰囲気を醸し出しながらもどこかから、
普通そうではない雰囲気も出ていて、一言で言えば、
初めて見れば彼女は奇妙さと不思議さを感じさせる。
神社の裏側で箒を持ち、掃除中だったらしい彼女は、
箒を手放し護身用の頑丈なお祓い棒に持ち替えて、
謎の音がした神社の入口の方向へ注意深く歩いていく。
「…は?」
そこには何かの木片が周囲に散らばっている真中に、
純粋で綺麗な艶のある赤い髪をしていながら、
青いジャケットの服と茶色のショートパンツという、
それぞれの服の色の組み合わせがまるであってない、
負けず劣らず不思議な服装の少女が横たわっていた。
巫女は「それ」から奇妙な雰囲気を感じていた。
それから感じるものは過去に暗い事があったような、
ぼんやりとした薄暗いオーラが見え隠れしていたが、
今の巫女にはそんな事どうでも良かったのだった。
「あの音といいこの有り様といい、即死ね」
「勝手に殺すな!」
巫女が真顔で放ったボケらしくも真面目そうな発言に、
赤髪がボケを理解せず馬鹿みたいにキレて言い放った。
巫女はそれが生きている事を分かりきっていたらしく、
赤髪に対して軽くちょっかいを出していたのだった。
そんなことも知らず、赤髪は文字通りキレていた。
しかし、自分が生きていた事に驚愕しているせいで、
そんなことを彼女はすぐ忘れてしまっていた。
「なんだ生きてるじゃない(分かってたけど)」
「奇跡ですよ!運命ですよ!
もっと驚いてくれてもいいんですよ?ほらほら」
「はぁ…あほくさ。何よコイツ…」
巫女が赤髪に呆れ顔で放った言葉である。
その後溜め息を一回した。片手で頭を抱えており、
やたらテンションが低い事が仕草から伝わってくる。
不思議そうな顔でその呆れている巫女を見つめるも、
その理由を考えようとは微塵にも思っていなかった。
それはただめんどくさいからと思っていたからと、
これからその理由を巫女自身が話してくれるのだと、
ほぼ他人任せな考えを持っていたからだった。
その考えは的中し、巫女はその理由を言い放った。
「その賽銭箱は弁償してくれるんでしょうね?」
「えっ?」
そう言われて確認する為赤髪は周囲を見渡し始めた。
しかし彼女はそれらしいものは見つけられなかった。
ただ単に相手の視力がないか幻覚を見ているのだと、
そんな変な事を考え、赤髪は相手を小馬鹿にする。
「何処にあるんですか?まさか架空請求!?ヒェ~。
ゲスいっスね〜粛清されてどーぞ(満面の笑み)」
巫女は当然のようにキレた。赤髪は再び空を舞った。
巫女は赤髪の腹部を全力で蹴り上げ吹き飛ばした。
それは気を失いそうになる程の異次元的な威力で、
身長など同じ体格の少女を相手にしながら、
先程赤髪が目を覚ました高度まで蹴り上げていた。
そんな巫女の馬鹿みたいな脚力を体感したことで、
赤髪はそれによって、何か怒らせてはいけない、
とてもまずいものを見た気がしてならなかった。