暗い世界の入り口はすぐそこに
私は、いつかの自分自身を殺した。それは自分自身を愛せなかった証拠であり、見捨てた証拠に過ぎない。私は私を許せずに、私の中から追い出したのだ。
私が逃げてきた人生。私が受け入れられなかった出来事。逃げた先には何もなかったけれど、昔も今も惨めで滑稽だけれど。その時は救われた。
───インターネット上で見かけた、いわゆるネット小説。
無料で閲覧できることから、僕は以前からぼちぼちと利用していた。
偶然に見かけたそれはノンフィクションというジャンルの中で書かれていた。───
この話は誰一人として読んだ後、得になることはない。呆れるくらいに生産性のない話だ。
それでも、このページを開いてくれたあなたの、大切な時間を少しだけ頂戴できるのなら、私のちょっとした人生の物語を読んでほしい。
───文章は一旦そこで切れていた。僕はパソコンの画面から目を逸らし、瞬きを数回繰り返してそのまま目を閉じた。
僕自身、物語を読むことが好きな人間なのだが、読むにあたっての媒体が本ではなく、電子機器の画面上となると少し、目が疲れる。
それにしても、先まで読んでいたこの物語は決して明るい内容にはなり得ない雰囲気があった。何となく次のページに繋がるリンクがあるはずの場所をカーソルでなぞる。そこにリンクは存在していないので当然、次話はまだ存在しない。
ずいぶんと短い回だな。そう思った。次いで、この人が書くこの物語の続きを読もうかどうか悩んだ。僕はあまり暗い話は好きではない。どちらかというとファンタジーが好きだ。非現実を味わうあの何とも言えない感覚。例え想像の世界だとしてもだ。僕はその物語に出てくる登場人物たちと共に冒険をする。
だがしかし、この人の書くこの小説も少々気にはなる。ノンフィクションという括りの中で、この人が一体どんな物語を紡いでいくのか、興味が湧いたのだ。
インターネットとはいわば仮想現実空間であり、書き込もうと思えばなんだって書き込むことが出来る。その対象はブログに限らず、なんだって。この小説だってその対象の中の一つだ。この人はこの物語をノンフィクションに分類してはいるが、実際はどんな風にだって誇張できてしまう。
…。僕はマウスを持ち直してウィンドウを閉じ、カーソルをパソコンのシャットダウンへ誘導させる。
まあ、この物語が必ず完結するとは限らないわけだし。また来た時に見かけたら、その時の気分で決めようじゃないか。―――
初投稿です。不定期な更新になるかと思いますが何とか完結させたいと思います。このお話は私自身の人生であります。
…といったところでこのネット上ではあらすじに書いた通り、作り話と受け取られても当然なのですけれど。信じるかどうかはあなた次第といったところですね。
さて。プロットも考えずにこの回のお話を打ち込み、すぐに投稿を実行したものですから私自身、終わりが見えておりません。なので無事完結するのかなといった不安と、どんな内容になるのだろうかといった関心も少々あります。
この時点では感想も何もないかと思われるので、また次回にこうしてお会い出来たらお聞かせください。お聞かせもらえなくてもページを開いてもらえただけで充分ですが。
では、また次話にて。