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28 お昼ご飯

お昼はフードコートで食べることに。

それぞれ自分の好きな物を買って、一つのテーブルに集まった。

関口先輩はダブルバーガーセット。美穂はオムライスとスパゲッティのハーフハーフセット。

「カズヤ、こんなとこに来てまでそれ? どんだけジャンキー中毒なの、あんたは」

「うるせーなあ。好きなんだからいいだろ。おまえこそ、こんなとこでそんな洒落たもん食うのかよ。カフェのランチかっての」

二人でアレコレ言ってる様子はホントおもしろい。コントみたいだなー。


「で、さくらとアキトは二人して似たようなモン頼んで」

美穂は私と秋斗君のお盆を見て、仲良しねえとニヤニヤ笑う。

別にわざとしたわけじゃないんだけど。

私は皿うどん。秋斗君は長崎ちゃんぽん。麺は全然違うけど、まあ、上にのっかてるアンは同じような感じ。

だって、こういう家で作れなさそうなの、食べてみたくなるんだもの。

このパリパリ麺、おもしろそうだなあって思って。


「じゃ、いただきまーす!」

みんなで食べるご飯はおいしい。昼前はけっこう体を使って遊んだからイイ具合にお腹も減ってるし。

あー、このアンは美味しいなあ。どうやって作るのかな。

鶏ガラスープとか、 中華っぽいダシなんだろうなー。レシピ検索してみよっと。


・・・と、美味しく食べてたんだけど、半分くらいで私の箸は止まった。

だって、この揚げた麺がすごくクドイというか、重いというか、ツライ。

残してしまうのももったいないし、でも全部食べるのはちょっと無理。

お持ち帰りも不可能だし、どうしようかなーと、お皿とにらめっこしていたら、トントンと横からつつかれた。


「さくらちゃん、おれのとかえっこしようか」

「え? いいの?」

秋斗君からのありがたい申し出に、救われた。

「うん。おれ、そっちも食べてみたいし」

「ありがとう!」


秋斗君のちゃんぽんはあっさりしていてとってもとっても美味しい。

「秋斗君、それ、けっこう、クドくない? 大丈夫?」

「平気だよ。そのちゃんぽん思ったよりアッサリしてたからさ。お腹いっぱいになんないなーと思ってたんだ。ちょうどよかったね、お互い」

「うん。ありがとう。どうしようかと思っちゃった」

「早く言えば良いのに。あ、エビ食べたいな」

「はい、どうぞ」

ちゃんぽんの中のエビを箸で差し出すと口を開かれたので、突っ込んであげた。

「お礼にウズラの卵、いる? 好きでしょ?」

「うん! ありがと」

ひょいっと私の口にウズラの卵が運ばれる。ぷりっとしてて美味しい。


「はー。あっつーい。ここだけ真夏みたーい」

はっとして前を見ると、超満面の笑みの美穂、と関口先輩。

「あ」

しまった。つい、二人でいる時のような感覚になってた。


「んもー、さくらったら、超らぶらぶじゃなーい! ねえ、カズヤ」

「見てて和むなー。ほのぼのカップルだな。お前ら」

・・・関口先輩にまでからかわれた。秋斗君は、たいして気にした様子もなく楽しそうに笑ってるけど。

ちょっと・・・恥ずかしい。



午後からはとりあえずカラオケということになった。

カラオケって、美穂とか女子の友達五人くらいではたまにいくけど、秋斗君とは一緒に行ったことないんだよね。

そう美穂に言ったら、ものすごく驚かれた。

「ええ? そうなの? じゃあさくら達はいつもどこでデートしてんのよ?」

「えっと、お互いの家とか、科学館とか、図書館とか・・・」

「なにそれ、マジで?」

私達の家は坂西地区。坂西地区は学校が多いところなので娯楽施設はほとんどない。科学館、博物館、図書館、本屋とかはあるけど。


「坂南まで行けばカラオケだってゲーセンだって色々あるじゃない。

坂西は遊ぶとこなんてないじゃーん」

別にそんなとこ行かなくても、秋斗君が一緒にならどこでも楽しいけどな。

そんなこと言ったらまたからかわれちゃうから言わないけど。


「じゃあ、今日は二人にとって初カラなのねー。

ふふ、わたしいーこと思いついちゃったー」

美穂はすごーく楽しそうに笑っている。なに? この顔はなにか企んでるよ。



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