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21 大変身

次の日、登校すると廊下に人が群がっていた。

私達の予想どおり、大変身を遂げた先生が大勢の生徒にわいわいと囲まれてた。


三時間目の授業で理科室に行くと、そこにも人の群れができている。

うちのクラスの女子と男子が、浅井先生を取り囲んで質問攻めしていた。

「先生どうしたの!? 超すごい!」

「うそー! 浅井せんせーなのー? マジで?」

「先生かっこいいじゃん!」

「すごーいっ!」「ホンモノ?」

「せんせー、一体何があったの?」

中心の先生はオロオロしているというかもう、ぐったりしているように見えた。

きっと朝から他のクラスの生徒達にもあんな感じでもみくちゃにされたんだろうなって想像される。


その後、理科の授業は二十分遅れでようやく教科書を開いてスタートした。

黒板の前に立つ先生は、本ッ当に、今までの先生とは大違いで。

うん、・・・カッコイイ、かも。

そんなことを考えてたら、先生とばちっと目があった。

先生の目はまだちょっと赤い。昨日も遅くまでなにかやっていたんだろうか。

先生はこちらに向かって照れを隠すように、少しはにかんだ。

ちょっと、こっちまでなんだか照れちゃうくらいのぎこちない笑顔だった。

前は震え上がるくらい気味悪かったのに。

髪形だけであんなに印象って変わるものなのかな。

話をしてみたら思ったよりずっといい人だったからだろうか。

なぜだか分からないけど、その目を見ていてはいけないような気がして、私はすぐに視線をそらした。


そしたら次は、斜め前にいる秋斗君と目が合う。

秋斗君に目で、「今、浅井にほほ笑まれてたでしょー」って訴えられる。

ちょっと嫌そうなジト目。これは苦笑いするしかない。


その後は、なるべく先生の方は見ないようにして授業を過ごした。



*****


そして一週間経って、土曜日。

実は今日も先生のマンションに向かってる。

昨日、秋斗君と提出物のプリントを持って理科室に行った時に、タイムマシンを使った時のことを詳しく話して欲しいと改めてもう一度お願いされてしまった。

今後の改善点とか課題とか、色々考えたいからと言われた。


横を歩く秋斗君は、ちょっとゴキゲンななめな感じ。

「・・ごめんね、秋斗君。やっぱり、断った方がよかった?」

「まあ、そりゃーね。せっかくのお休みなんだから、浅井とじゃなくって、さくらちゃんと二人でいたかったけど。

・・・でも、さくらちゃんの今日の一番の目的は、チョコレートでしょ?」

「え? あは。バレてる?」

「バレバレ。さくらちゃん、浅井が、いただきもののチョコレートがあるので よかったら一緒に食べましょうって言った時、目がキラーンって光ってたよ」

「だってー。プリミアのチョコレートって真っ赤な箱に入ってて、小さいやつが五個で千円とかなんだよ! 雑誌で見て一度食べてみたかったんだもーんっ!

買ってまでは欲しくないけど、あるなら食べたいッ!」

拳を握って力説したら、隣で秋斗君があははと笑い出した。


そうなんだよね。昨日私が行くかどうしようか悩んでいると、先生は「そうそう」って付け加えた。

普通のおまんじゅうとかだったら別にひかれないし、クッキーとかケーキだと悩むところだけど、プリミアのチョコレートならもう即決だよー。


「しょうがないなあ。今日だけだよ。

明日とか、来週は行きますって言っちゃ駄目だよ。二人でデートしよう」

くすくす笑いながら、秋斗君が私の手を握る。

「うんっ!」

うれしいな。デート。


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