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第五十五話

「……と言うわけで、草薙さんには時間のある時に私の相談に乗ってもらう事と、兵士の皆さんや将軍の皆さんに指導して頂くことになりましたので。」


ここは天水董卓の居城である


「董太守、よろしいですかな?」

小柄な女性、李儒の問いかけに董卓はどうぞと促す


「董太守や他の将軍が見てきたものを嘘と断じるつもりもありませんが、中には承服できない者も居るでしょう、よろしければ幾人かを相手取り力の程を見せ付けては貰えないでしょうかの?」


董卓が将を見ると将はそれに頷く、

「それも当然でしょう、それでは誰かこれはと言うものは居ますか?」


「ハイ、ハイ、ハイハイ、ウチ、ウチ、ウチ。」

と張遼が手を上げ、

「ん。」

呂布が一歩進み出る、

「私も行かせて貰おう。」

そう言って華雄も一歩進みでる、


しかし、


「ああ、お前らは駄目だ。」

片目の大女、牛輔がそれを拒否する、


「ちょっ、なんでやねん。」

張遼が抗議するが、


「あんたたちは董太守とともにこの男を見てきただろう、董太守が連れてきた理由も知っているし、実力も知っているはずだ。」

「せやからウチらでなければ話にならん。」

「そう言う事じゃない、その男を知らない者から見ればお前たちが手を抜くのではないか? と言う疑問を挟む余地が生まれると言うことだ。」






董卓軍の練兵場、

将の相手に選ばれたのは五人、

集められたのは張遼・呂布・華雄たちの部隊の副隊長たちが計三人、

普段から彼女らの実力を知っている者が相手をすればそれ以下も従うであろうと言うことだ、

そして董卓の親衛隊の中から一人、

そしてもう一人は牛輔であった、


練兵場に集められたのは文武百官、

ある程度以上の立場の兵士たち、

それを壇上から見下ろす位置に居るのは董卓、賈駆、李儒、華雄、張遼、呂布、


「なんやかんや言うて自分が()りたかっただけちゃうん?」

牛輔を指差す張遼のぼやきに呂布や華雄もウンウンと頷く、

「そう言うな、あれだって武人なんだ、強い者とは戦りたくなるのが性なんだろう、それにお前たちはもう戦ったんだろう?」 

張遼らの頷きを見ると、

「なら多少は譲ってやりな、それにお前たちは宿題に出してあった春秋、きちんと読み込んだんだろうね? この後で確かめさせてもらうよ。」

クククと李儒は笑う、

それを見て三人は自分たちの数時間後を思いぞっとした。


「では、始めてください。」

董卓の声を受け将の周りを五人がぐるりと囲む、

将の得物は例の棒一本、

「キエエエエエェェェェーーーーーっ!!」

将の前の兵が槍を突き出す、

将はその兵の小手に棒を叩き込み自身の棒を反動で跳ね上げながら前進し兵の腹に蹴りを入れ吹き飛ばす、

次の標的を右前方に居た兵に定めるとそのまま棒を右斜めへと振り下ろす、

兵はそれを受けようとしたが槍を叩き折られ、そのまま兵は吹き飛ばされた、

反転すれば残りは既に自分の前方向のみ、

棒を片手でクルクルと回転させながら右腕を時計回りに回転させ、

ビシッ、と

棒を右脇に構えると唇をペロリと舐め、

左掌を上に向けたまま前に突き出し掛かって来いとでも言うようにちょいちょいと手を動かし、

「来なよ。」

そう挑発した、


「「なめるなああああぁぁぁっ!!」」

「ばっ」

牛輔が止めようとした時には既に二人の兵士は飛び込んでいった、

その突きの連携は凄まじく、都の腰抜け将軍ではおそらく一合と持たないであろうと思われる、

が、

この男相手ではそれでも赤子扱いであろうと感じていた、

二人の隙をついて棒が二人の鳩尾に吸い込まれるように突かれていた、


牛輔は思う、

自分にゆっくりと向けられる棒を見れば解る、

(これが蛇に睨まれた蛙の心境か)

どうしようもない力の差、

喰う者と喰われる者の明確な立場、

だからと言ってむざむざと負けるわけにはいかない、

兎は狼に喰われるかもしれないがただ喰われはしない、

逃げることが兎にとっての戦いであるように、

自分もここで何もせずに降参するわけには行かないのだ、


そう思った瞬時に棒をつかむ、

棒を引き相手を引き寄せ槍を繰り出す、


が、


引き寄せたと思った棒は幾つかの節が分かれ、見れば節と節に鎖がついている、


(しまったっ!! これは多節棍かっ!!)

そう感じた時には時既に遅く将は棒を牛輔の斜め後方へと投げていた、

当然牛輔を中心に円を描き牛輔を絡め取る、

牛輔がバランスを崩した隙に将は後ろへと回りこみ牛輔を後ろへと引き、

首に手を回す、


「これでこのまま締め落とせるが、どうします?」

「ふふ、野暮なことを聞かないでおくれよ、あたしの負けに決まっているじゃないか、ここまでされてどうこう出来る何て言うほど馬鹿じゃないつもりだよ。」

どちらとも無く二人は笑っていた、

そんな中で将は、

(翡翠さんの部下もこれくらいさっぱりして居れば良かったのにな。)

そんな風に考えていた。





「これで草薙さんの実力は解って貰えたと思います、では草薙さん、しばらくの間よろしくお願いしますね。」


「では、姓を草薙と申す、字や真名は無いがこちらの流儀に従うと我が名は真名に近しいとの事なのでこの場に置いては姓だけでご容赦願いたい、この地に留まる限りは董卓殿に力を貸すことを約束いたしましょう。」


「では、今日はこれで解散とします、それでは草薙さんにお部屋を案内してあげて下さい。」






将は侍女に連れられて宛がわれた部屋に行く、

「こちらが草薙殿の部屋です、御用の折には備え付けの鈴をお鳴らし下さい、近くの者が参ります。」

「汗を拭きたいので湯が欲しいんだが。」

「それならばお風呂の用意が出来ておりますが如何いたしますか?」

「風呂が沸いているなら貰いたい、しかし俺が入って大丈夫なのか?」

「はい、草薙様はお客様ですから、どうぞお風呂はこちらです。」


天水の風呂はかなり広い、

まるで銭湯のようだ、


「ふうーーーーっ、やっぱり広い風呂は良いねぇ。」


次回はエロイ回の予定、

読まなくても話はたぶん通じる




と思います。



でわ

ちゃお

ノシ

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