第四十七話
武闘会その後、
相変わらず短いですがどうぞ。
将は一人街を行く、
辺章の家へと向かっていた、
賭け金の回収のためである、
すると辺章の家の周りを多くの人間が囲んでいる、
家はかなり高い壁に囲まれているため壁を乗り越えてはいるのは簡単ではなさそうであった、
「辺章を出せっ!!」
「金返せっ!!」
「出てこいやー!!」
などなど罵声も飛び交っている、
これは正面からは入れそうにないとふんだ将は空中を跳び壁を乗り越えて中に入る、
辺章を看た医者が帰ったというのは聞いている、
「勝手に入らせてもらってるぜ。」
そう言って玄関口までやってくると辺章の弟分たちがぐるりと将を取り囲む、
「何しに来やがった。」
昨日将に短剣を突きつけた今回の件の最大の功労者が将に声をかける、
「おうっ、お前のおかげでかなり稼がせてもらったぜ、感謝してるよ、辺章、いるんだろ?金を受け取りに来た、一銭たりとて負けないから安心してくれよ。」
そう言って肩に手をかける、
「ふざけんじゃねぇっ!!」
将に殴りかかるがその瞬間に周りにいた連中全てを殴り飛ばし叩き伏せる、
そして兄貴分の男の男の頭を踏みつけながら、
「二度は言わん、辺章のところに案内しろ。」
「だっ…」
グリっ
足に力を込める将、
「二度は言わんと言った。」
「わ、わ、解った、解ったから足をどかしてください、でないと案内できません。」
「そりゃそうだな、気がつかなかった。」
そう言いながら足をどかし案内させる、
辺章は寝台で横になっていた、
子供や妻がそばに寄り添っている、
「お前が父ちゃんをっ!!」
そう言って向かってくる子供を蹴り飛ばし部屋の端に追いやる、
その目には子供に一切の興味をもって居なかった、
「おう辺章、起きろや、金を受け取りに来た。」
「まだ眠っていますので、」
そういう辺章の妻に将は、
「お前が働いて一千万銭払うか?」
冷たい目で見ながら答えると辺章の妻は首を振り一言も喋らないようにと口に手を当てていた、
「おらっ、起きろやっ!!」
将は寝台を蹴りつける、
「何しや、が…」
起き抜けに辺章が気分の悪い声を出すが将を見て言葉が止まる、
「おう、銭出せ、銭、一千万銭、一銭たりとも負からんからな。」
「誰がてめぇ、なんか、に…」
将は腰の刀を抜いて辺章に突きつける、
「これは俺の慈悲だ、選ばせてやるよ、死ぬか生きるか、どっちか選びな。」
こうして将は一千万銭という大金を手に入れた、
その後辺章一家を武威で見かけた者はいないという。
「さて、雑技団でも見に行くか。」
将の足取りは軽かった。
将は万人に優しいわけでも聖人君子でもないです、
姜維の害となる辺章の子供を排除できる方法として手っ取り早い方法を選んだだけです、
まだまだ一日が終わらない、
長い日が続きます。
でわ、
ちゃおノシ




