第三十一話
前回から時間があきまして申し訳ありません、
待っていてくれた方も、
そうでない方も、
お待たせしました、
相変わらず短いですが、
少しでも楽しんでいただけますように。
でわ。
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side董卓一行
武威に到着した董卓一行、
「では、私は馬騰殿に明日の謁見申し込みをしてきます。」
「我々は宿に荷物を置いてきます、大市も近いために街は賑わっていますので皆様はお気をつけて街を散策なさってください。」
「ええ、ではよろしくお願いしますね。」
董卓がにっこりと微笑みながらそう言うと
華雄は数人の共を引き連れて武威の政庁に向かっていき、
供回りの兵士たちは荷物を持って宿に向かっていった、
ちなみに今の彼女たちの服装は市井の者たちが着るものよりも裕福そうな者が着るような服といった感じである、
いつもの格好ではお忍びで散策を楽しむ事も出来ないために他領に入る場合に彼女たちはこのような措置をとることが多かったのだ、
「じゃぁ、ウチらの護衛で散策といこやないか。」
張遼の声を受け…
る前に呂布がフラフラと歩き出す、
「って、ちょ、何しとんねん。」
張遼が呂布の肩をつかみ呼び止める、
「良い匂いがする。」
張遼の制止を振り切って進もうとする呂布、
「ちょい待ちぃな、ウチらは護衛やで、その護衛が勝手したらあかんやないかい!」
その言葉を聞きシュンと項垂れ、
「ゴメンナサイ…」
と謝る呂布、
彼女自身に悪気はなくただ良い匂いに釣られただけなのだ、
普段から大食いの彼女である、
確かに嗅ぎなれない良い匂いがする、
「じゃぁ、まずはその良い匂いのするお店に行ってみましょうか。」
との董卓の言葉に、
「ん、ん、ん。」
とコクコクと頷き進んで行く呂布、
甘いなぁ、と、そして、それが良い所だ、と諦めた表情の賈駆、
「まぁ、しゃあないか。」
そう言ってついて行く張遼であった、
少し行った所でその屋台はあった、
それは彼女たちが見たこともない小さな楕円形の凹みのある鉄板で焼かれた焼き菓子のようであった、
「よかったらお一つどうですか。」
そう言って小さな女の子が、
器に盛られて一つ一つに楊枝のついた菓子を差し出す、
「では皆さんいただきましょうか、一ついただきますね。」
董卓がそう答えるのを聞きその女の子は頷く、
董卓が器から菓子を受け取ると、
それを見て他の娘たちも菓子に手を出す、
「ふわぁ~、外側はカリッとしていて、中はトロトロ、しかも甘くて美味しい。」
「こんなの初めて食べたけれども、確かにこれは美味しいわね。」
「へぇ~中々イケルやないか。」
「美味しい、もっと食べたい。」
董卓、賈駆、張遼、呂布の感想である、
「もっと食べたい方は買ってくださいね。」
そう言ってにっこり笑うと先ほどの女の子は店に入っていった、
恐らくは店主の子供といったところなんだろう、
最初にこれだけの物を食べたら買わずには居られなくなる、
上手い商売を考えたものだ、
そう思い店主の方を見ればこれがまた自分たちと大差ない年齢の少年(恐らくは華雄や張遼と同じくらい)である、
先ほどの子は店主の妹といったところであろうと認識を改める、
「は~い、いらっしゃい、いらっしゃ~い、美~味しいよ~。」
そう言いながら刷毛で鉄板の凹み部分に何かを塗り(恐らく油)、
そして見たこともない道具を握るとその下の先から先ほどの菓子の材料であると思われるものが鉄板の凹みの中に落ちていく、
一通りそれが終わるとその鉄板を二枚重ねて閉じ、
さらにその上側を半円筒の蓋で閉じている、
(金属であれほど見事な形の半円筒は見たことがない。)
そして閉じてあったもう片方の半円筒の蓋を開け、
二枚重ねの鉄板を開き出来上がった菓子を取り出していく、
時間は10分とかからずに出来上がるようで、
一回の工程で50個ほど出来上がるようだ、
値段を見ると、
一銭 三個
三銭 十個
五銭 二十個
十銭 五十個
と書かれているではないか、
「ねぇ、ちょっと、これ値段表がおかしいんじゃない?」
賈駆が質問をぶつけると店主が、
「いいや、間違ってないよ、たくさん買ってくれるお客様にはおまけが付いているだけさ。」
と答えるではないか、
「じゃぁ、百銭分欲しいと言ったら何個になるのよ?」
賈駆がついそんなことを言う、
しかし店主は左手を顎にやり少し考えると、
「百銭買ってくれるのならば六百個だね、一時間くらいかかるけれどもそれでもいいかい?」
ニッコリと笑ってそう答える店主、
賈駆もここまで来ては、
「いらない。」
と言うわけにも行かず、
バツが悪そうに董卓を見る、
董卓はいつものようにニッコリと笑って、
「では、百銭で六百個いただけますか?」
店主に向かってそう言ったのだった、
賈駆が、
「ゴメンね、ボクのせいで。」
と謝るが、
「ううん、だってここのお菓子美味しかったでしょ、だからいいよ。」
そう答える董卓だった、
並んで待っている最中にも他の客はやってくる、
自分たちの分よりもその客の分を優先して欲しいと董卓は言うのだ、
本当に心の優しい娘である、
そんな娘を見て何もしないわけにも行かないと思ったのであろう、
「もう少しかかるからね、ここで待っているよりも街でも回ってきたらどう?」
店主が声をかけてくると、
「待っている間にどうですか?この分はお代に含まれていません。」
店の娘が店の菓子が入った籠を差し出してきた、
店主を見ればニコニコと笑いながら頷いている、
言葉に甘えていただく事にする、
呂布は喜んで食べていた、
小一時間ほどして店に戻ればそれは出来上がっていた、
とても甘い良い匂いがしてくる、
代金を払い菓子を受け取る、
「そういえばこのお菓子の名前を聞いていませんでしたね、教えてもらえますか?」
屋台に何か書いてはあるのだが一部しか読めない、
ほかの部分は文字なのかも怪しい、
「ああ、これはね、俺の国のお菓子でベビーカステラって言うんだ。」
店主はそう言ってニッコリと笑っていた。
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side将
「いやー今日はだいぶ儲かったなぁ。」
市場も開かれ暇を持て余していた将は馬騰の許可をもらい市場で屋台を開いていた、
小麦は前日の賊から手に入れた分があり、
はちみつは高かったが楓や胡桃の樹液から作り出したシロップがかなりいい感じで出来上がっていた、
甘葛も出来上がっていた、
そのためわざわざ高いはちみつに手を出さずに済んでいたのだ、
甘葛とはツタ植物を切り取りその樹液を煮詰めて作ったもので、
古い時代の甘味料の一種である。
ベビーカステラの焼き器や屋台は中等部時代の学園祭で使用したものだ、
家の倉庫にしまうよりも簡単なので契約してしまった将だったが、
こんなところで役に立つとはその当時は思ってもいなかった、
そんな状態なので、
将からすれば元手なんてないようなものだった、
家に帰り先日完成した風呂を堪能する将、
風呂に浸かりながらここ数日のことを思い起こす、
試しに作ってみたビール、蜂蜜酒などは大して手間もかからずに出来上がっている、
収穫が上手くいけば産業としてもやっていけるのではないか?
将とAIはそんなふうに考えて色々と試している最中であった、
味噌、醤油、日本酒などの完成にはまだまだ時間はかかるだろうが、
なんとかなるだろう、
乾麺やインスタントラーメン、燻製やソーセージ、ドライフルーツなどの保存食もそれなりに出来上がってきている、
この辺もお披露目にはもう少しといった感じだがいい感じで進んでいた、
なんだかんだで将はこの世界を楽しんでいた。
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side董卓一行
宿に戻り買ってきた菓子を兵にも分ける、
しばらくすると華雄が帰ってきた、
「おいっ、張遼、呂布、この街で何が行われるか知っているか?」
帰ってくるなりこれである、
「華雄将軍、その前に報告することがあるんじゃい?」
賈駆がたしなめる、
「そうだったな、董卓様、明日の馬騰の謁見は不可能だそうです、大市の日まで外せない用があるために三日後になるそうです。」
「ちょ、そんなことっておかしいじゃない。」
賈駆が抗議を入れるも華雄に言っても仕方のないことである、
「何か理由は聞いてきましたか?」
董卓の問いに華雄が答える、
「話では草薙は馬騰殿の配下ではないそうです、そして馬騰殿が草薙を武芸の指南役に据えようとしたところを配下の将たちが反対をしたためにその実力を示すための武闘大会を開くことになったそうで、明日そのための予選が行われるそうです、そして大市の日に本選が行われ晴れて草薙のお披露目だそうです。」
「武闘大会。」
張遼が目を輝かせている、
華雄が包拳礼をとり、
「董卓様、この武闘大会の予選にこの華雄参加したいのですがよろしいでしょうか?」
なかなか書き上がらなく、
スランプというほど高尚なものではなく文章にするのに手間取っているといった感じで時間がかかり申し訳ありません、
こんなところで引くのはいつも通りのクオリティ、
しかも書いている最中に我慢ができなくなり、
【真・恋姫†無双】 北郷一刀伝
http://ncode.syosetu.com/n6891bi/
なるものを書いてしまいました、
こちらはとりあえず短編ですがあわせて読んでいただければ幸いです。
次回は多分予選の話になる…
はず。
でわ。




