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第三十話

天水・董卓の居城・太守の間



馬騰の元へと向かった使者の報告を受ける董卓及び文武百官



「そうですか、では明日発つことにします、賈駆、華雄将軍、張遼将軍、呂布将軍は明日の夜明けには出られるように準備をしておいてください。」


「「「「「はっ。」」」」」

賈駆、華雄、張遼、呂布が包拳礼にて答える、

それを見て頷く董卓、


「では、今日はこれで解散とします。」




董卓の居室


そこには先程までとは様子の違う董卓と賈駆の姿があった、


「ねぇ、ねぇ、(えい)ちゃん、明日の出発楽しみだねぇ、あれ?詠ちゃん何か考え事?」

詠とは賈駆の真名だ、


よく見れば顎に手をやり考え事をしていると思われる賈駆、

「あ、ごめんね(ゆえ)、少し考えてた。」

月とは董卓の真名、

二人は幼馴染であり、親友である、


「月、入らせてもらうよ。」

そう言うなり入ってきたのは李儒であった、

後ろには牛輔もいる、


「どうしたんですか?樹里(じゅり)叔母様、(ゆたか)叔母様。」

樹里とは李儒の真名、

豊とは牛輔の真名である、


「ちょいと気になることがあってね、詠も同じだね。」

そう言うと李儒は賈駆の顔を覗き込む、


「樹里様も、ですか?」

顔を上げて樹里を見る賈駆、


「草薙の件で見落としていることがないかい?それとも先日は態と言わなかったのかね?」


ハッとする賈駆、

「樹里様にはお見通しですね、ボクはあの時あえて言わなかったことがあります、それは…」


董卓が賈駆の手を握り、

「詠ちゃん、何か不安があるのなら教えて。」

と促す、


「詠、軍師ってのはね、あらゆる可能性を考慮しておくもんだ、できるだけ多くね、そうすりゃぁ、不測の事態に陥っても対処する手立てを探しやすくなる、そもそも策なんてものはすべて上手くいくわけじゃない、」


「「むしろ失敗することを前提に策を立てろ。」でしたよね。」

賈駆の声が李儒と重なる、

散々教えられてきたことなのだ、


「自分の策に自信を持つのは良い、策の成功を願うのも良い、けれども次の手を打っておく事が出来るかどうかが、」


「「全軍の命運を分ける。」ですよね。」

再び李儒と賈駆の声が重なる、


満足そうに頷く李儒、


吹っ切れたような顔つきの賈駆、

「月、ボクがあの時言わなかったことはね、もしかしたら草薙っていうのは…

天の御使いかもしれない。」


董卓が驚きの表情を見せる、

「えっ、でも前に詠ちゃんや樹里叔母様もそんな者は眉唾だ、って。」


「草薙って男が天の御使いかは別にして、月、これはあたしの勘だけどね、馬騰は草薙を利用するつもりじゃないか、って思うんだよ。」

今まで黙っていた牛輔が董卓に語る、


「では、馬騰様は漢への…」

董卓が口篭る、


「まだそうと決まったわけじゃないけどね、可能性としては考えておく必要はあるということ、よく覚えておきなさい、その辺を踏まえて二人は馬騰と草薙を見てくるのですよ。」


董卓と賈駆が頷くのを満足そうに見届けると李儒と牛輔は部屋を後にする。






翌朝


武威に向かう一行とそれを見送る居残り組、

董卓領は今日も安泰であった。




メンテナンス前に無理やり投稿、

いつも以上に短いのはご勘弁ください。

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