第二十四話
次の日の昼、
鄒、智の鍛錬の傍ら輝に手ほどきをする、
本来の歴史では後に麒麟児とも呼ばれることになる姜維の師匠となるのだから中途半端では済まされない、
基礎の基礎から教えていく、
鄒や智もそれを見て一からやり直すことにしたようだ、
俺が教えられるのは草薙家武芸十八般だ、
内訳は、
剣、刀、拳、槍、馬、弓に鞭、錘、槌、棍、盾、銃に大筒、斧、焔、杵に投げ武器に鎖鎌、
となるが剣~弓までの6種で十分だ、
槍、馬、弓の三つでも十分だとは思うが近接戦闘用に剣、刀、拳も基本だけは教えておこうと思う、
それ以上に必要だと思えば自分で鍛錬すればいいのだ、
俺もまだすべてを修めた身ではないが基礎はみっちり叩き込まれているし、
基礎から中級レベルまでならばいくらでも教えられる、
上級以上は本当に達人レベルになるので教えるのではなく自分で研鑽し登っていくしかない、
何も達人になる必要はないのだ、
この世界で生きていくのに必要な力量があればいい、
態々【呂布に勝つ】等という目標を立てる必要はない、
鄒や智には構えに少々癖があるのでそこを矯正する、
輝は逆に変な癖がつかないように基本の型を体に覚え込ませる、
輝くらいの子供に怒鳴りつけて叩き込もうとしても逆にやる気をなくすだけなので褒めて伸ばす、
褒めすぎると逆に変な癖がつくので三つ褒めたら一つ注意するくらいがちょうどいい、
「兄上、これでいいですか?」
「ああ、その調子で頑張れ。」
「はいっ!!」
そうそう、輝が俺のことを兄上と呼ぶようになった、
恵がそう躾たそうだ、
「おお、やってるな。」
「三人とも頑張ってるね。」
不意に後ろから声がかかる、
翠とたんぽぽだ、
俺は振り返らずに鄒や智が構えを解き挨拶しようとしたのを手で制して、
「二人はあと15分その構えを維持、そのあと片付けをして今日は終わりでいい、輝は後100本素振りを終えたら片付けをして終わり、いいね。」
「「「はいっ。」」」
そこで俺は振り返り、
「二人ともどうした?」
翠が少しモジモジしている、
「あっ、あのさ、あたしにも、そのっ。」
たんぽぽがみかねて声をかける、
「ほら、お姉さま、さっさと言わないと将さんが呆れちゃうよ。」
別に呆れはしないけどね、
「将っ!!あたしにも手解きをして欲しいっ!!」
俺がニンマリと笑うと翠とたんぽぽが少し後ずさる、
俺が一体何をしたって言うんだろう?
そして俺は今年一番の笑顔でこう言った、
……………
…………
………
……
…
「いいよ!!」
俺の言葉を受け翠とたんぽぽは拍子抜けした顔をしていた。
ルビ振りがおかしかったのを訂正、
相変わらず短すぎて申し訳ない。




