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第十七話

思ったよりも難産、

頭の中にあるものと文章が一致しないのは相変わらず、

時間がかかりましたが短いのはいつもと一緒です。

****************************************

side婁圭


婁圭は梅を見て、


「【聖地に龍()り、数多の龍を率いて八方を鎮す。】か。」


誰に言うでもなくそう呟いていた。


梅の枝ぶり、花の咲き方、散り方、実のつき方、その出来、不出来、また、葉の繁り方、散り方によって占う、

それが夢梅の道号を持つ彼女の真の姿であった、


彼女にできることは自分の見た夢が近々訪れる正夢であること、

これは抽象的であったり見たままであったりと様々なので一概にあてにならないことが多い、

そしてもう一つが梅による占いだった、

故に師から与えられた道号は夢梅だったのだ、


【桜()る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿】


こんな言葉を知っていると思う、

これは梅の実が成る枝が数年で枯れてしまうために実を採るのであれば定期的に枝を剪定する必要があるということだ、


同じ枝ぶりには育たない、それ故にその枝ぶりが占いに適している、

婁圭はそう信じ修行したのだ。



その婁圭の呟きに聞き耳を立て、そっとその場を離れた者が居た事に婁圭は気がつかなかった。









****************************************

side館



「これからの生活に何が必要になる?」

俺の問いかけに響がいろいろと答える、

そしてあまりの多さに俺はこう答えた、

「じゃぁ、皆で買い物に出かけよう。」


梅を見ていた恵にも声をかけ全員で買い物、

あれだ、女性の買い物って長いね、


で俺は余計なことを言ってしまったわけだ、



「今着ている服だけじゃ少ないから買ったほうが良いんじゃね?」



流石に女性だ、目を輝かせて服を見繕っている、



それにしてもこの世界っていろんな服があるのな、

現代日本で通用しそうな服ばっかりじゃん、

そのくせに一般人は昔っぽい服装なんだよね、

それにしても女性陣の服選びの長いこと長いこと、

俺にはこういうノリは無理だ、

とはいえ美女、美少女が可愛い服をあれこれ選んで楽しんでいるっていうのは見ていて気持ちがいいものではある、


そんなこんなで小一時間ではすまないくらいにたっぷりと時間をかけて選んだ服は、


恵は白い道服、八卦衣ってやつだ、演劇とかで孔明が来ているような奴って言えば解かるかな?

鄒と智はチャイナドレス…だ・と、鄒が白で智が黒、どっちも似合いすぎている。

輝は普通にワンピースだ、ってそもそもワンピースがおかしいとか言われても俺の方が困る。



そして…




響は…なぜにメイド服?いや、いいんだよ、可愛いし似合っているから、俺は思ったね、この世界の文化レベルの異様な偏りは【そういったもの】なんだって理解すべきだとね。




家に帰ってから思ったことは…





風呂ってどうするんだ?




この時代風呂に入るのは労力がいるし金もかかる、

しかし俺は毎日風呂に入りたいタイプの人間だ、

何か考えなければいけない、

そう思った俺はやはりこういう時はAI頼みだ、

飯の支度は5人に任せ、

俺の部屋となったこの家で一番立派な部屋へと進む、


「AI、俺はできれば毎日風呂に入りたい、なんとかする方法はないものか?」


「火の方は問題無いですよね。」


「ああ、氣炎で氣の供給を止めなければいつまでも沸かし続けるくらいのことはできる、そもそも沸騰させる必要はないからある程度の温度になれば問題無いし、湯を沸かすなんていうのは造作もないことだ。」


「湯船が問題…と、五右衛門風呂やドラム缶風呂もどきであればなんとかなるのでは?」


「俺は湯船に浸かって手足を伸ばしたい。」


AIは考える、

この土地で温泉が出るかどうかは賭け以外の何物でもない、

そもそも温泉を掘るための道具を将は契約していないからこの時代の道具で、

しかも人力でなんとかするとなればどれくらいのコストがかかるのか見当もつかなかった、

であれば簡単なのは蒸し風呂や五右衛門風呂等なのだがそれでは将の欲求には答えられない、

将自体は自分の氣で炎を出すことに躊躇いは無い様なのだから燃料費は無視してよい、

とすればAIの出した回答は昔ながらの木桶風呂、

通称【鉄砲風呂】だった、

釜をどうやって作り出すのかは技術レベルでの不安点はあったがなるようにしかならないだろう、

そう結論付けたAIだった。


モニターに画像を出し説明する。

「木桶風呂はどうですか?パイプ部分は竹でもなんとかなるでしょう、釜を作れるかどうかはこの時代の技術レベルを見ていませんからなんとも言えませんがローマ時代には既にボイラーで湯を沸かしていたのですからできなくもないと思います、それでも不可能であった場合には瓶に水を張り貴男が沸かして大きめに作らせた桶にでも移し替えるか、それこそ大きな瓶を作らせてそこに水を張り貴男が湯を沸かすしかないと思います。」


将は筆記具や紙を取り出しモニターに映し出されたボイラーの構造を書き写していく、


「ボールペンやシャーペンはともかく消しゴムが先に無くなるのは目に見えてるな。」


将の呟きにAIが答える、

「貴男が自分の立ち位置を決めるまではその道具も今後は自重したほうがいいでしょう、いつ誰がどこで見ているのかも解りません、今後はできるだけ墨をすって筆を使うか妥協してもガラスペンですね、それでもあの細さはこの時代では奇異の目で見られても仕方がありませんよ。」


「解った、けれども今日のところは勘弁してくれ。」


そう言いながら書き写していく将だった。






この日の夕食、食事にはやはりこの時代ではありえないものが並ぶ、

食材を買ったときも思っていたが本来この時代には無い物が店先に並んでいる、

その割にはご丁寧に砂糖はなかったりするのだ。


必要になるであろう調味料の作り方をAIと相談しなければならない、

将はAIの重要性を理解すると共に自分はいらないのでは?

とも思ってしまい思わず苦笑した。






「なぁ、5人はこれからどうするつもりだい?」


食事も終わりみんなが少しまったりしているところで不意に将が質問をする、

まず返答するのは決まって最年長の恵である、

「我らが不要でありますか?無用でありますか?それならばそう仰ってください。」


「悪い、そう言う意味じゃないんだ。」

将は手を振って否定する、


「では、」

恵が続けるのを手で制し、


「5人の身柄、確かにこの将は預かった、だが、言っておく事がいくつかある、よく聞いてそして判断してくれ、途中で聞きたいことも出てくるだろうが後で答えるから口を挟まないようにしてくれ。」


5人が頷くのを確認してから俺は続ける、

「まずさっきも言ったが俺はこの大陸の人間ではない、それは漢民族ではないということだ、そして俺は氣を扱える、これは実際に見せたほうが早いな、少し待っていてくれ。」


5人を手で制し待機させておくと俺は台所から薪を一本持ってくる、

左手で薪を持ち、右手で刀印を結ぶ、


「よく見ておけよ、【氣刃剣(オーラ・ブレード)】。」


指の根元から30cmほどの氣で出来た直刀が顕現する、

5人が驚いているのを無視して薪を斬る、

その切れ味に5人は更に驚いていた、


「氣の技自体はこれだけじゃない、けれどもこれで俺が氣を使えるということ、又は理解できない技を使えるということを理解は出来たと思う。」


5人が解ったという意思を示したので次に進む、


「おそらく5人が一番信じられなく、理解に苦しむことがこれから見せるものだ。」


そう言って俺はランタンを取り出す、

5人の驚きは先ほどの氣刃剣の比ではなかった、


「俺はこういったものを出したり、仕舞ったりできる。」


そう言いながらランタンを出したり仕舞ったりを繰り返す、


「これが俺の扱う【術】だ。」


「将様よろしいでしょうか?」

恵が聞いてくる、

俺が頷くのを確認すると言葉を続ける、

「この涼州という地は異民族が多うございます、漢民族であるかどうかは些事でしかありませぬ、氣に関してもたしかに驚くべき技ではありますが氣を扱う武人がいることは確かでございますから問題はございません、しかし、なぜ、このような【術】まで我らにお見せになったのでございますか?我々の忠をお疑いでしょうか?」


5人はその意を知りたいと見つめてくる、


「一つ所に住むんだ、君らがどう思うのかは解らないが、俺にとってはこれは家族だ、家族にだって隠し事はあるだろうが、それでも俺はこの先この【術】を封じて生きるわけにはいかん、だから最初に教えておく必要があった、俺のこの【術】を妖術・奇術と恐れ一緒に居られないと思うのであれば当座に必要な銭も食料もやるから遠慮なく去っていけば良い、これは俺に助けられたとか、謝儀だとかそういった全てを忘れて一から、一人一人が考えてくれ、君らの一生の問題だ。」


俺は全員の顔を一人一人見つめる。



はい、またいつものように中途半端な引きです、

次回でこの件が終わって、

次にちょっとした話を入れてって感じで構想練ってますが…


多分いつものように無理ですねw



では次回。

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