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JCの修学旅行 ~遠い日の約束Ⅱ~  作者: Red/春日玲音


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1/14

前夜

 ピコーン。


  間の抜けた電子音が、静かな部屋に響いた。


 スマホから鳴ったそれは、チャットアプリの受信音。


  本当は設定で好きな音に変えられるらしいのだが、まどかは機械操作があまり得意ではない。結果、初期設定のまま放置されている。


「あ……ライトさんからだ」


 まどかはベッドの上で身を起こし、スマホの画面を覗き込んだ。

 表示されたメッセージに、胸がきゅっと締めつけられる。


 ――――――

  ライト

  『ゴメン。仕事で急用が出来て、今日は行けない。後日、必ず何かお詫びするからって、ミドリちゃんにも言っておいて。』

  ――――――


「……そっか」


 思わず、小さな溜息がこぼれた。


  今日のお出かけを、どれだけ楽しみにしていたか。自分でも驚くくらい、ショックは大きかった。

 けれど。


「でも……お仕事じゃ、しょうがないよね」


 そう呟いて、気持ちを切り替える。


  まどかは指先で、ゆっくりと返信を打ち込んだ。


 ピコン、と軽い音。送信完了。


 ――――――

  まどか

  『会えないのは残念ですが、お仕事じゃしょうがないですよね。がんばって下さいね。後、来週は必ず会って下さいね。お土産渡したいので。』

  ――――――


 送信後、しばらく画面を見つめていたが、「既読」の文字は表示されなかった。


  きっと、もう仕事に入ってしまったのだろう。


「……うん」


 自分に言い聞かせるように頷き、スマホの画面を閉じる。


  さっと着替えを済ませると、まどかは階段を下りていった。


 ◇


「あ、まどか。おはよう。今日、出かけるんじゃなかった?」


 階下のリビングから声をかけてきたのは、妙齢の女性。


  まどかの姉であり――そして、母でもある人。


 旧姓・鹿島真理。


  つい先日結婚し、今は霧島真理と名乗っている。


「あ、うん。そうなんだけど……それより、これ大丈夫かなぁ?」


 まどかは少し不安そうに言いながら、真理に一枚のカードを差し出した。


  保険証だ。


 そこに記されている名前は、旧姓の――


  『野原まどか』


「あぁ、それね」


 真理は一目見るなり、あっさりと笑った。


「まぁ、何かあった時に説明すれば大丈夫よ」


  「……そう、だね」


 曖昧に頷きながらも、まどかの胸には小さな引っかかりが残る。


  “説明”と一口に言っても、どこから、どこまで話せばいいのだろう。


 ――まどか自身は、もう気にしていない。


  けれど、ここに至るまでの経歴は、少しだけ複雑だ。


 まどかが九歳のとき。


  実の両親は事故で亡くなった。


 一人生き残ったまどかは施設に預けられ、そこで引き取られたのが――


  父親の旧友だった鹿島夫妻。真理の両親だった。


 その日から、真理はまどかの姉になった。


  血の繋がりはなくても、かけがえのない家族として。


 さまざまな手続きや問題を乗り越え、ようやく正式に養子縁組をしようとした、その矢先。


  今度は鹿島の両親が、相次いで亡くなった。


 それからは、真理が一人でまどかを育ててきた。


 それが、まどかには嬉しくもあり、同時に申し訳なくもあった。


 そんな真理も、つい先日――


  幼なじみの霧島清文と結婚した。


 そして、その節目に。


  真理は改めて、まどかを“自分の養女”として迎え入れたのだった。


 だから、今の名前は――


  『霧島まどか』


 姉が母になった。


  でも、それでも。


 大事な家族であることに、変わりはなかった。



「ふわぁぁ……おはよー……なにしとるん?」


 真理とまどかが話しているところへ、寝ぼけ眼の少女が階段を降りてきた。


  髪は跳ね、目は半分閉じたまま。明らかにまだ夢の世界の住人だ。


「あら、ミドリちゃん。おはよー。先に顔洗ってらっしゃい。あなたも今日出かけるんでしょ?」


  「あ、うん……そうするわ……」


 翠はふらふらと洗面所へ向かいかけ、ふと思い出したように振り返った。


「……ところで、おにぃは?」


  「清くんなら、急な会議とかで呼び出されて行ったわよ」


  「急な会議? なんやそれ……明日に関わることやろか」


  「さぁ? それより早く顔洗ってきなさい」


 ぴしゃりと言われ、翠は「はーい……」と間延びした返事をして洗面所へ消えていった。


 まどかは、その背中を見送りながら小さく息をつく。


 ――霧島翠


  まどかの親友であり、そして少しややこしい立場の少女だ。


 真理が結婚した相手、霧島清文の義理の妹。


  五年前、清文の母と翠の父が再婚し、兄妹になったのが始まりだった。


 さらにややこしいことに、その清文が真理と結婚したため、 書類上では――翠は、まどかの「叔母」になる。


 もっとも、冗談でも翠に「おばさん」などと呼ぼうものなら、 三日は口をきいてもらえなくなるので、誰もそんな無謀な真似はしない。


 今も昔も、呼び方は「ミドリ」のままだ。


 そんな翠は現在、家を出て、まどかの住む喫茶ヴァリティの二階に居候している。


 理由は本人曰く、


  「おにぃの新婚生活を邪魔したくあらへんから!」


 ……なのだが、清文としては結婚を機に家を出るつもりだったため、 正直なところ、完全に気遣いが空回りしていた。


 しかもその流れで、


  「二階を下宿にしよう」という真理の提案が出て、まどかと翠の共通の親友・美音子も住む話になりかけている。


 そうなると大人の管理者が必要、という話になり、結果として真理はヴァリティに残ることになった。


 ――結果。


  新婚のはずの清文は住む場所を失い、結婚早々、別居生活を送る羽目になっている。


 ……世の中、ままならない。


 ◇ ◇ ◇


「なぁ、約束って何時からやっけ?」


 顔を洗って戻ってきた翠が、まだぼんやりした表情でまどかに訊ねた。


「あ……ミドリ、それなんだけど」


  「ん?」


  「ライトさん、急なお仕事で来られなくなったって」


「……何やてっ!?」


 翠は勢いよく立ち上がりかけ、テーブルの食器が倒れそうになって慌てて押さえ、再び座り直す。


「ライトはん来ぇへんのやったら、意味ないやないか!」


  「仕方ないよ。仕事だもん」


  「せやけどなぁ……」


 今日の外出理由は、表向きは


  「修学旅行に必要な物の買い出し」


 けれど本当の目的は――


  最近なかなか会えていなかったライトとの、久しぶりのデートだった。


 そもそも、修学旅行の前日に慌てて買わなければならない物など、ほとんどない。


「でもさ」


 まどかは少し考えてから、柔らかく笑った。


「ネコちゃんと出かけるのも久しぶりだし……やっぱり、出かけたいな」


  「……せやなぁ」


 ネコちゃん――根岸美音子。


  まどかの、もう一人の親友だ。


 幼い頃に両親を亡くし、施設で暮らしている少女。


  その影響か、とても自立心が強く、アルバイトにも励んでいる。


 そのせいで、三人揃って遊べる機会は、実はあまり多くない。


 それでも。


  何かあれば、どんなときでも必ず駆けつけてくれる――


  そんな、優しい子だ。


 だからこそ、まどかは思う。


  もし美音子に何かあったなら、今度は自分が全力で助けたい、と。


 ――要するに。


  三人は、少し境遇が似た者同士なのだった。


 カランカラーン……。


 軽やかなベルの音とともに、喫茶ヴァリティの扉が開いた。


  顔を上げると、そこには見慣れた少女の姿がある。


「二人とも、おはよ」


「あ、ネコちゃんおはよー。何か食べる?」


  「ううん。お茶だけでいいわ。ダージリンのミルクティー」


  「了解。ちょっと待っててね」


 まどかはエプロンの紐を整え、カウンターの中へ。


  手慣れた様子でカップを用意し、いそいそとミルクティーの準備を始めた。


 その様子を横目に、美音子は向かいに座る翠へ視線を向ける。


「……なに話してたの?」


  「んー……ちょっとな」


 どこか難しい顔をしている翠に、美音子が首をかしげる。


「ライトはんがな、今日来れぇへんのやって。せやから、どないしようかって話」


  「あー……そうなんだ」


 少し間を置いてから、美音子はぽん、と手を打った。


「だったらさ。ちょうど話したいこともあるし、班別研修の打ち合わせしない?」


  「班別研修?」


 修学旅行二日目に予定されている、班行動の研修。


  東京観光を自由に楽しむ――と見せかけて、


  “将来の職業選択に役立つ場所を最低一カ所訪問し、話を聞いてレポートにまとめる”


  という、地味に面倒な縛りがついている行事だ。


 もっとも、実態はかなり自由。


  芸能界志望と称してテレビ局へ行ったり、ファッション研究と言い張って原宿・表参道を練り歩いたり。


 中には


  「日本のサブカルチャーを追求する」


  という名目で秋葉原に突撃し、外国人とオタクトークを繰り広げ、挙句の果てにメイドカフェへ雪崩れ込んだ猛者もいた、という噂まである。


 翠たちの班はというと、


  美音子が「行きたいところがある」と言っていたものの、受け入れてもらえるか分からない、という理由で行き先は保留状態。


 そのまま、美音子に判断を任せていた。


 ――話したいことがある、というのは。


  きっと、その結論が出たのだろう。


 本来なら、こんなギリギリで話が通るはずもない。


  だが、そこは“身内に教師がいる”という強み。


  裏でいろいろと無理を通してもらっているのだ。


「ほな、エイジ達にも連絡した方がええなぁ」


  「うん。お願いできる?」


  「よっしゃ! すぐ呼び出すさかい、待っとり」


 そう言うと翠はポケットからスマホを取り出し、迷いなく発信する。


 このスマホは、以前起きたある事件の後、清文から半ば強引に持たされたものだった。


 とはいえ、使ってみると便利この上ない。


  今ではすっかり使い倒している。


 ちなみにまどかも、ほぼ同じ理由で真理からスマホを渡されていたりする。


「はい、ダージリンのミルクティー」


 まどかがカップを差し出しながら首をかしげる。


「……ミドリ、どうしたの?」


  「ありがと。九十九君と佐藤君を呼んでるとこ」


  「?」


  「班別研修の件、ちゃんと詰めようって話になったの」


  「あ、そっか。話、うまくまとまった?」


  「まぁね」


 意味深に笑う美音子。


「結局、ネコちゃんの行きたいところって、どこなの?」


  「それは……みんなが集まってからのお楽しみ」


  「はーい」


 まどかは肩をすくめ、待ち時間のあいだに自分のコーヒーを淹れることにした。


 最近、ライトに少しでも近づきたいと思って、背伸びしてコーヒーに挑戦しているのだ。


 もっとも――


  ミルクと砂糖は、たっぷり入れないと飲めないのだけれど。



 しばらくして、喫茶ヴァリティの扉が勢いよく開いた。


 カランカラーンッ!


「おいっすー!!」


  「……朝っぱらから呼び出すなよ……」


 元気よく手を上げたのがエイジ。


  対照的に、裕也は目をこすりながらフラフラと入ってくる。


 どう見ても、翠の電話で叩き起こされた顔だ。


「ごめんごめん。でもな、今のうちに話し合っといた方がええ思て」


  「話し合い?」


  「あ、うん。班別研修についてね」


 まどかが説明すると、エイジは納得したように腕を組む。


「あー、もう明後日だもんな」


  「それで?」


 裕也が欠伸を噛み殺しながら訊ねる。


「根岸の行きたいところって、結局どこなんだよ」


 その問いに、美音子は一瞬も間を置かず、さらっと答えた。


「スターナイト・プロデュースよ」


 ――ピタッ。


 空気が、完全に止まった。


「……スターナイトって」


  「……まさか」


  「……あの?」


 固まる三人を前に、美音子は涼しい顔のまま続ける。


「そう。セイさんの企画会社。モデルのプロデュースがメインだから、一度ちゃんと話を聞いてみたくて」


  「いやいやいやいや!」


 エイジが思わず前のめりになる。


「よく許可下りたな!?」


  「うん。昨日の夜遅くに連絡があったの。色々難しかったみたいだけど……」


 美音子は指を一本立てる。


「当日、引率してくれる人が責任を持つ、って条件で許可が出たみたい」


  「引率?」


 まどかが首を傾げる。


 班別研修は基本、生徒主体。


  先生が付き添うことはほとんどないはずだ。


「特殊案件やから、先生同行が条件やったんちゃう?」


  「多分、そうかも」


 美音子は頷き、話を続けた。


「それでね。ここからが大事なんだけど」


  「お、おう……?」


 一同、身を乗り出す。


「企業研修の一環として、東京観光も組み込んでくれるんだって」


  「マジで!?」


  「ただし、基本的には向こうのお任せ。だから、みんなの行きたいところも聞いておこうと思って」


 そこで、美音子は微笑んだ。


「どうしても行きたいところ、ある?」


 一瞬の沈黙。


 そして――


「「「オフィス・スノウ!!」」」


 翠、エイジ、裕也。


  三人の声が、見事にハモった。


「あはは……」


 まどかは、乾いた笑いを浮かべるしかなかった。


 三人が口にした《オフィス・スノウ》


  それは、あの――Yukiの所属事務所。


 行きたいと言って、はいどうぞで行ける場所ではない。


「それは……さすがに無理……」


 と言いかけて、


「……じゃないかも」


  「「「えっ!?」」」


 一斉に食いつく。


「ホンマかっ!?」


  「分からないってば!」


 美音子は慌てて手を振る。


「ただ、セイさんの伝手で……ワンチャンあるかも? って、ほんとそれくらい!」


  「ワンチャンで十分や!!」


 翠がガッツポーズ。


「ウチはそのワンチャンに全力で賭けるで!!」


  「期待しすぎないでね……?」


 美音子は苦笑する。


 ――実は。


  三人が崇拝してやまないYuki本人も、同行する予定になっているのだが。


 この場でそれを明かしたら、翠のテンションが天元突破するのは火を見るより明らかだった。


(二日後には分かるし……)


 美音子は、そっと胸の内にしまっておくことにした。


 どうせなら。


  楽しみは、取っておいた方がいい。


「……まぁ、あくまで可能性の話だけどね」


 美音子がそういった、その瞬間だった。


「セイさんの伝手で、って言うたな?」


  「言った……けど?」


  「それってつまりやで?」


 翠が、ゆっくりと、意味ありげに笑う。


「スターナイトと、オフィス・スノウが……繋がっとる、ってことやんな?」


 ――沈黙。


 次の瞬間。


「え、ちょ、待て待て待て!!」


  「それってさ、それってさ!!」


  「ワンチャンどころの話ちゃうやろ!?」


 エイジと裕也が、同時に前のめりになる。


「セイさんって、前にYukiと仕事してたっていったよな!?」


  「してたどころか、企画立ち上げ初期から関わってたって噂あるぞ!?」


  「っていうか、一緒のバンドメンバーやん!」


「ちょ、ちょっと待って!」


 まどかが慌てて割って入る。


「まだ何も決まってないし、ただの可能性なんでしょ?」


  「可能性がある時点で事件やろ!!」


  「それな!!」


 翠が机を叩く。


「考えてみ!? もしやで!?

  もし万が一やで!?

  スターナイト行ったついでにやで!?

  “ちょうど近くにあるから”とか言われてやな!?」


「オフィス・スノウ見学、とか……」


 ――三人、同時に想像した。


「「「ッ……!!」」」


 声にならない叫び。


「無理無理無理無理!!」


  「心臓もたん!!」


  「生でYukiとか、情報量過多で死ぬ!!」


「ちょっと落ち着こう?」


 美音子が、完全に温度差のある声で言う。


「まだ“あるかも”って話よ?」


  「分かってる!分かってるけど!!」


  「夢を見るのは自由だろ!?」


「せやせや!!」


 翠はすでに完全にスイッチが入っていた。


「もしYukiおったら、ウチどうしたらええ!?」


  「まず落ち着け」


  「無理や!!」


  「サイン?写真?いや、握手したいっ!?」


  「全部アウトだろ!」


「……あの」


 まどかが、おずおずと手を挙げる。


「仮に、ほんとに会えたとしても、 たぶんお仕事中だと思うから……」


「仕事中のYukiが一番尊いんやろが!!」


  「それな!!」


  「真剣な表情とか、もうご褒美!!」


「……」


 まどかは、美音子と目を合わせた。


 (止まらないね)

  (止まらないわね)


 言葉はなくとも、完全に同意。


 このメンバーは、以前、清文と真理の結婚式で、セイとYukiには直にあっているはずなのに、相変わらずのこのテンション。


 まどかもYukiのファンではあるのだが、さすがにここまではついていけない。


「てかさ!」


 エイジが急に真顔になる。


「もしYukiいたら、俺らどういう立ち位置?」


  「ファン」


  「ただの一般人」


  「空気」


「せやけどや!」


 翠が食い下がる。


「同じ空間に存在できるってだけで、それはもう“勝ち組”やろ!!」


「……もう好きにして」


 まどかは、コーヒーを一口飲んだ。


 ――苦い。


(あ、ミルク入れ忘れた)


 そんなことを考えている間にも、


「Yukiの最近のビジュ知ってる!?」


  「あの雑誌の横顔やばかった!!」


  「分かる!光の当たり方が神!!」


  「存在がもう芸術!!」


 オタトークは、止まる気配を見せなかった。


 美音子は、静かにミルクティーを飲みながら一言。


「……まぁ、楽しみは多い方がいいわよね」


  「せやろ!?」


  「ネコも分かってきたやん!!」


(いや、違う意味で言ったんだけど)


 美音子は心の中でだけ訂正し、再び、静かにカップを傾けた。


 ――二日後。


  この騒ぎが、さらに加速するとも知らずに。


杏南中は、明日から三泊四日の修学旅行。

校内はきっと、今日一日そわそわと落ち着かない空気に包まれているだろう。


――ちょうど、今のこの場所みたいに。


「ねぇ、ネコちゃん。よかったら今日、泊まっていきなよ」


まどかが、何気ない調子でそう言うと、


「せやせや。明日の朝、ちゃんと起こしてぇな」


翠もすかさず乗っかる。


その二人を見て、美音子は小さく肩をすくめて笑った。


「はいはい。そのつもりで来たわよ」


そして、ぴしっと一本指を立てる。


「でも、早く寝るからね? 明日は四時起きなんだから」

「う……」

「それは正論……」


まどかと翠は顔を見合わせ、そろって苦笑する。


楽しみで胸はいっぱい。

だけど、明日は早い。


修学旅行前夜。

この高鳴りを胸にしまって、眠りにつく準備をする――そんな夜だった。

この作品は「遠い日の約束」の続編にあたります。

続編を書くにあたり、ライトはみやびと、そういう関係になっておらず、フリーという事になっていますので悪しからずご了承ください。



ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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