scene3 実践演習開始
「よーしお前ら装備の選択は終わったな!さっそくチーム分けするぞ!」
演習の担当教師が演習の班分けをしていく。
私...ディアナはラザンヌとその取り巻き2名が同じ班になる。
ここまではシナリオ通り...。
「今日ははオープンフィールドでの演習だ」
担当教師の説明が事務的に続くが、特に興味のない情報として切り捨てる。
オープンフィールド...隠れる場所が少なくエリアも狭い。
数か所ある小さなバリケード、中央にあるキルハウス...キルハウスを先に取ったほうが圧倒的有利...。
ゲーム中ではこのキルハウスをリリアたちが占拠して善戦する。
それをディアナが圧倒する展開...それでは目立ちすぎる。
目立つことは得策ではない。
目立たず騒がず静かに...そして生き残る。
今回はラザンヌ達にしっかり働いてもらう。
「ラザンヌさん、前衛は任せましたよ。まずはキルハウスの占拠です。これは絶対...まずはキルハウスの手前のバリケード、ここまで一気に攻めてください。そこでキルハウス占拠する為の攻防戦です。ここさえ落とせば後は楽勝のはずですわ」
「ディアナ様...私しっかり頑張ります」
ディアナからの指示に目に涙を浮かべ喜ぶラザンヌ...感動しているところ申し訳ないけど期待はしていない。
あなたには出来ない...でも大丈夫。
私の力であなたたちが占拠できたようにする。
そう...これは私の戦い。
「よーしお前らそれぞれの陣地で配置につけ」
教官からの指示とともにそれぞれ配置につく。
小バリケードの裏に配置されるラザンヌら3人。
「開戦だ!」
教官の声が響く。
さて勝負だ。
まずここでシナリオを改変して見せる。
ラザンヌらが指示通り前線に向かって走り出した。
だが...遅い...そして丸見え。
敵からしたら恰好の的。
やられて当然の動き...でもやらせない。
私はライフルを構える。
この世界の武器は魔法の力が大きく作用する。
ディアナの魔力は圧倒的...スコープを除くと全てが見える。
ヒロイン...リリアたちの動きは丸見え。
スコープの中心がリリアの眉間をとらえる。
殺れる…でも殺さない...。
私は活躍しない。
狙いをずらす。
足元...リリアの足元に一撃放つ!
地面に着弾すると同時に地面に爆炎があがる。
しまった、威力があり過ぎる。
ディアナの特性...炎がライフルとの相性が良すぎるのだろうか...強すぎる。
あやうく勝負がついてしまうところだ。
あくまで動きを止めるだけ、自由にさせない...それが目的。
リリアの動きが止まった所にラザンヌが走りこむ。
バカか...あくまでキルハウスの占拠が最優先事項、今の段階でリリアをとりに行く必要はない。
殺られに行っている。
リリアのライフルが狙いを定めている。
やらせない...。
スコープを移動させる。
狙いはリリアが構えるライフル。
ただし、当てない。
リリアが撃つ瞬間、本人ですら気づかない程度にかすらせて狙いを外させる。
リリアがラザンヌに狙いを定める。
引き金を引くその瞬間。
ドンッ!
ディアナの撃った弾がリリアの側面をかすめる。
わずかなズレ...それで充分。
リリアの放った銃弾はラザンヌの足元に着弾。
着弾しただけ...まだ魔力は高くない。
魔力がこもっているというだけの普通の弾。
「あぁぁぁあ!!」
叫び声をあげサブマシンガンを放つラザンヌ。
無駄だ...人を撃つのに叫び声は要らない。
感情の揺らぎが丸見えだ。
ただ冷静に撃てばいい。
着弾!
リリアに着弾する。
「いっ痛ったぁい!ヒットよぉ!」
両手を上げリリアがヒットを宣言する。
ラザンヌがそのままの勢いでリリア陣営全員を倒していく。
「そこまで!勝者ディアナチーム」
教官の宣言とともに私たちの勝利が確定する。
この戦闘のMVPはラザンヌ...そうそれでいいディアナが認められなければイベントが発動しないはず...。




