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あの日のあいつは朝から苛々していた。家の前に見知らぬ車が停まっていた。それだけの理由でな。
いいから見に来いよ。まだ停まってるんだぜ。
今日はいい。忙しいんだ。昼休みにまで仕事なんだ。
あいつから電話がかかってきたのは、昼少し前だった。声が荒く、嫌な予感がした。俺は用もないのに嘘をついた。
邪魔だからよ、面白い事してやったんだ。いいから見に来いよ。
興味はなかった。どうでもいい事だ。あいつの面白いが当てになるのは漫画だけ。その他は当てにならない。映画も音楽も、あいつの趣味は最悪だ。
ちょっとでいいんだよ。いいだろ? 早くしないといなくなっちまうだろ!
面倒になった俺は、分かったよなんて言っちまったんだ。昼休み、いつものようにあいつの部屋に向かった。
あいつは制服を着てマンションの前に停まる車を蹴っ飛ばしていた。真っ白なワゴン車。靴の裏で黒く汚していた。




