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第4章―事件編 第37話 貴金属買取店舗の購入 【2000.7】

長い目でお付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします。


 社内で夕方、株式部門の佐藤部長より、相談があるとのことで声をかけてきた。

「社長、相談がありますが今いいですか?」


「あ、はい、どうぞ。」

本日の株式市場の時間を終えて、眼を休めるため湿ったタオルを顔にかけていたが、話しかけてきたので、佐藤部長のほうに顔を向けた。


「社長が多角的に業務の幅を広げていると思いますが、貴金属の分野は興味ありますか。」


「貴金属?ゴールドのことですか?」


「はい、金も含めた貴金属です。興味ありそうな表情してますね。」


「興味がないことはないですが、何かありますか?」

いかん、無表情を装ってるつもりだが、興味津々な表情になっていることがすぐにばれた。


「株の営業をやっていると、追証※で貴金属のバイヤーさんともコネを作る事ができましてね。そいつが独立しようか悩んでいるらしいんですよ。そいつ優秀な奴なんで、独立のお手伝いがてら、弊社から資金提供とかしませんか。」

※追証とは、信用取引などで購入していた株が大幅下落などにより、信用取引で必要な追加担保を求められることをいう。追加担保は、現金の必要はないが、手っ取り早く手元のものを現金化する人もいるため、買取屋のバイヤーと知り合いになることもある。信用取引関係なしに株取引をしている人は急に現金が必要になる事はざらにあるので、買取屋さんの常連になる。買取屋さんの常連はホストやホステスだけではないのである。



「えっと、人材への投資ですか。面白いですね。資金提供はやぶさかでもないですが、その方が独立志向であれば、私どもの会社からの資金提供は受け付けないのでは?」


「独立はしたいが狭い業界なので、どこかの会社からバックアップしてもらいたいのが本音らしいです。後、貴金属の買い取りを考えているので、本来は広い場所は必要ないのですが、顧客がいる栄の錦で構えたいらしく、そうすると土地代が高く、土地代も含めて支援をしてほしいとのことです。」


「なぜに栄の錦なんですか。錦っていえば名古屋の歓楽街ですよ。もっと安い土地なら、いくらでもあるでしょう。」


「そいつが働いている会社の資金操りがあまりよくなくて、今非常に良くない噂が流れているのと、経歴が珍しく元ホストで、夜の水商売系の方で顔が広く、その場で宝石や時計を見て相場を相手に伝えてしまうんですよ。その手軽さが相手にうけて、歓楽街周辺に多くの太客がいるらしいですよ。そのため歓楽街近辺で店を立ち上げたいらしいんですよ。」

佐藤部長もちょっと苦笑いしながら教えてくれた。


「若干危険な匂いがするんですが。ちなみに名前って教えて頂くことはできますか。」


「もちろん。別に大丈夫だよ。瀬川君。瀬川俊介って名前ですよ。」


(おっと、確か前の世界で買取店舗数を全国TOPに押し上げた人と同じ名前だ。これは投資しておくべきかな。)

「分かりました。会うことは了解しましたが、いくら準備すればよろしいのですか。」



「おっ、乗ってきてくれましたね。店舗は、栄の錦に居抜きの建物にするらしいのですが、店舗準備資金と会社設立資金や買取用の資金諸々含め1億円とのことです。」


「・・・それは、吹っ掛けているのか。適正価格なのか。判断が分かれますね。わかりました。会社の株の半分を弊社が握って共同経営で先方がOKの条件であれば、会って判断しますので、日程の調整お願いします。」


「了解しました。打ち合わせ時間の調整をつけておきますね。」



「自分で提案しておいていまさらですが、金の買取って、金相場が下がり気味で儲からなくなりましたが、大丈夫ですか。辞める予定のそいつの会社もかなり綱渡りって聞いてますが、本当に宜しいですか。社長。」


「今がちょうど金相場って、底なんですよ。数年したら金相場は上げ基調になるので大丈夫ですよ。」

未来を知っている僕はせこいのだが、どや顔で答えておいた。



後日、佐藤部長の紹介の元、瀬川さんと会うことになった。ホスト上がりらしく金髪に近い明るい茶髪の青年が、一人で会いに来てくれた。最初は人見知りなのか。ソワソワした感じで話をしていたが、会話の途中から覚悟を決めたのか、決意した顔で投資をお願いしてきた。


(お、やる気があるなら、全国展開する未来も知っているし、投資するかな。でも画像で見た姿って、こんな明るい茶髪のお兄さんだったのかな。まぁ、前の世界で画面越しに見た記憶は黒髪だった気がする。会社が大きくなった際のインタビュー画像だったから、俺の覚えている印象と違うのかな。えっと・・・ぁ、たしか店舗数全国1位になったインタビュー時、会社立上当初に副社長の川瀬さんを引き入れた事が、大きく飛躍した要因と言っていた気がするけど、それをこの場で言えないな。なんとなくでいいから、名前を出してうまく聞いてみるか。)



「では、支援を前向きに検討しますが、お一人で進めるのですか?知り合いに、・・・えっと川なんとかさんって、います?」


「はい、川瀬君とは、できれば一緒に仕事をやりたく誘うつもりでした。」

緊張してた表情から、かなりびっくりした表情で俺を見ながら答えてくれた。


(瀬川さんと川瀬さん二人一組なら、結果もわかっているから投資にて進めるかな。)


打ち合わせの結果、会社の権利を半分AtoB投資会社が握る事で、同意したため、弊社の傘下にて会社を設立した。会社名は、AtoB貴金属会社として、会社名を「買取王ABSエビス」として貴金属やブランド物中心に取り扱う事にした。全国展開の会社がここに発生する事となった。


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1999.3  投資会社立ち上げ

1999.4  投資会社 名古屋駅前に本社移転 

1999.8  不動産会社買収 

1999.9  システム部門立上 システム開発開始

1999.10  薬局/病院資本参入  

1999.11  病院/専門学校買収

2000.4  本社移転と決算

2000.7  貴金属会社立ち上げ


数多くの小説の中で、私の小説を読んで頂きありがとうございます。


読んで頂ける皆様にお願いがございます。


「ブックマーク」と「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けますととても嬉しいです!



皆様の応援が、本作の連載を続ける原動力になります!


どうか清き一票をよろしくお願いします!!


選挙っぽくしてすみません。



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