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第4章―事件編 第35話 本社移転と決算  【2000.4】

長い目でお付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします。


 最近、株式市場にあった株の話ばっかりだったので会社の話に戻します。


駅前の本社もさすがに手狭になってきた。事務所を同じ階で2フロアに広げてみたが、すでに限界になりつつある。不動産担当の一郎さんに物件探しを頼んだ。

移転先を探していたタイミングで、名古屋駅前や栄近辺に土地を持っている金融系の会社が、土地の売却のため競争入札をすると話を銀行が持ってきた。少し前にあった金融ビッグバンの中、金融系の業種の会社を中心に経営の不手際が表面化してきた年だ。確かにこの金融系の会社は、最近経営があまりうまくいってないと噂が流れていた会社だ。


銀行から話を聞いた所、名古屋駅前の土地が2か所と栄近辺に広い土地の1か所の計3か所を売りに出されることになった。名古屋駅前の一つは一等地の大通り沿いの土地で、もう一つは名古屋駅から若干入り組んだ土地だった。両方とも現時点ではオフィスビルが建っていた。経過年数も同じく10年ほどで問題のないビルと聞いている。

栄近辺の土地は、そこそこの広さがある駐車場になっており、土地の再開発記事が載るほど人気な土地だ。



不動産担当の一郎さんと相談した中で、名古屋駅の入りこんだ土地のほうが値段も安く競争倍率が低そうと聞いたため、倍率の低い値段の安そうな土地に落札想定価格より高めに設定して入札に参加した。名古屋駅のため、将来的に値段はまだ上がる事を知っている。一等地の高いほうは、大手の不動産に競っていた。栄の土地に関しては、表や裏など様々な圧力があると聞いた。


後日、名古屋駅前の入り組んだ安いほうの土地を、競売で無事にうちの会社が入札する事ができた。



 買い取った土地に建っている中古のオフィスビルに、投資会社の本社を移転する事にした。この中古のオフィスビルには、買い取る以前から複数の会社が各階にて借りているが、順次契約が切れるタイミングで順々に全社立ち退いてもらうよう頼んだ。本社は今後も大きくなる予定なので、場所はいくらあっても余ることはない。そのため近いうちにすべての階のオフィスを自社関連の会社で埋められればと思っている。ちなみに1階は少し狭いがスーパードラッグの薬局に入ってもらった。


後日薬局の大杉社長に聞いたら、場所が悪いものの駅前はそれなりの売上を記録していると聞いた。駐車場もなく車では行きにくい場所ではあるが、駅から歩いてくるお客も多く駅前での出店の参考になったと聞いた。現状、全国展開に関して、郊外型の土地への出店を優先的に探していたがスーパーと違って大きな商品や重たい商品も少ないので、車が必要ない駅前でもそれなりに売上は作れると認識してくれればと思う。


また想定以上に海外からの観光客が購入に訪れていると聞いた。海外のお客様の爆買いは、もうこのころから始まっているのだろう。今後の駅前の店舗を運営する際は、在日の外国人を募集し、海外の観光客対応として成果報酬で雇ってみれば、店舗の売上高に大きく影響するとアドバイスをしておいた。今すぐ売上に影響はしないが、10年・20年先には観光地の店舗の売上の大きな部分を海外から来た観光客の爆買いが、占めていくことは確かだ。ちなみに成果報酬にする海外の旅行客対応の専用パート社員は、成果報酬によりかなり稼ぐことになるのは、訪日旅行客の伸びを見ればすぐにわかる事だ。店長より給料が多くなり、若干問題になるが、社内で問題を消化してほしいものだ。



 話は逸れたが土地の話に戻そう。私が競売に参加しなかった名古屋駅前の一等地の土地には、多くの不動産会社が参加し、ある大手不動産会社が入札をした。入札できた大手不動産会社は、現状のオフィスビルを建て壊し、上階にホテルと中位層にオフィスビルと下位層商業施設を入れた大きなビルを建てる構想を立てていた。


しかし大手不動産会社は、新しいオフィスビルへの建て替え工事のさなか、地盤調査中に遺跡が出てきてしまった。まさか名古屋駅付近で遺跡が出るとは予想外だったが、即座に地盤調査工事が中断され自治体が移籍調査に入る事となった。このため大手不動産会社が構想していた新規のオフィスビル建設自体が一旦中断となった。一旦建設中断した結果、オフィスビル建て替えの建設スケジュールが1年伸び、スケジュールの組みなおしの費用負担も含め、会社にとって数千万規模の費用が、余計に掛かる事となった。

これは遺跡調査に関しては、市の負担だったが、建設スケジュールが延びた事による名古屋市から会社への費用負担はもちろんないからであった。


後日、そんなことを伯父の一郎さんから聞いたので、一等地の高いほうを買わなくてよかったと思った。さすがに数か月間何もできないのは、うちみたいな会社では負担が大きすぎる。前の世界での俺はこんな細かいことは覚えてない。




一郎さんには、順調に不動産会社経営が進んでいるために東京駅付近と新大阪駅付近に各支店の開設を依頼した。不動産会社に関しては全国展開を考えているので、東京・大阪を軸に支店を増やしていけばいいのかなと思う。



ちなみに初の決算を今回迎える事となった。

AtoB投資会社の傘下にAtoB不動産、スーパードラッグAtoB、AtoB病院、AtoB専門学校がいる状況となる。スーパーはスーパードラッグAtoBに吸収された状況となる。病院と専門学校は連結決算にできないので決算上は分離させた状態でとなった。


決算を迎えるにあたって社内取締役会議で決算会議を行った。



- AtoB投資会社-

私:「AtoB投資会社は、株式の投資のみとなりますが、順調に資産が増えている状況です。」

  「資産としては、200億円となっております。今回一時的に税金を納めた事により、遊動資金は落ち込んだものの計画通りとなります。本社移転も順調に進め、今後も投資が必要となる会社をどんどん資金投入して拡大していきます。」


- AtoB不動産-

松田一郎:「AtoB不動産は、土地の売買が中心でしたがマンションや分譲地やスーパードラッグの店舗を率先して建設していますので、今後数年は赤字となりますが、中期経営計画に沿って数年以内に黒字に転換する見込みです。」

「また、銀行からの借入金も親会社の投資会社が担保になっておりますので、今までよりも借入枠が増加しております。その借入金を最大限に有効活用して開発を進めていきます。」「まぁあとは、どっかの投資会社の拡大路線には、いちいち口を挟んでいく必要があるなと改めて思っています。」

「むちゃな拡大はしてないつもりですけど、気をつけます。」

私は苦笑しながら軽く反論することとなった。


-スーパードラッグAtoB-

大杉海:「スーパードラッグAtoBでは、新規の出店に関しては、2階建てとしているので出店費用が5割増しですが、建物の費用は、AtoB不動産持ちのため出店費用が今までより安価になっており、出店スピードが維持できております。半面、各店舗面積が広くなり、2階建てとなっているため維持費が増加傾向にあります。計画では、維持費の増加分より、売上の増加分が大きく見込めますので問題ない見込みです。取り急ぎスーパーで出店していた5店舗を改築して、来月中にもスーパードラッグに順番にリニューアルできるスケジュールです。」

「店舗数も順調に増加しており、30店舗突破しました。新しい店舗に関しては2階建てを中心に建設しておりますが、過去の出店はすべて1階建てとなります。今後建設から20年経過した店舗は建て直しを考えます。その際には2階建てにしますが、古い建物に関しては、20年経過するまでは現状のまま進めていきます。」

「急激な拡大に人員が追い付いていませんでしたが、スーパーの社員を回すことによって、人員の改善はできると考えております。スーパーの社員も含めて社内教育できる体制を作ります。」

「また銀行からの貸し剥がしによって、頓挫していた大手流通グループとの業務提携も前向きに進んでおり、東海地区では優先的にショッピングモール内に出店ができる内容で話が進んでます。尚、その際はスーパー併設ではなく食品不可の薬局となります。薬局専用のブランドも立ち上げ、今のスーパードラッグAtoBと新業態のブランドの2種類にて成長させていく予定となります。」


ここで薬局は、2業態のブランド展開をすることにした。

食品を加えるとモール内で食品販売店よりあまりいい顔されない為、新ブランド“薬局ABS”を立ち上げ、食品やお酒を販売しない薬局をモールやデパートの中に併設できるようにした。社内ではややっこしい事になるが、店舗展開には必要なので進める事にした。飲食業界なんて様々なブランドを展開して広げていくのに、画一的な展開は、お客様にはわかりやすいが戦力として幅を狭めていると思う。その件に関しては、薬局の社長の大杉さんも賛成し、複数ブランドにて展開していくこととした。


- AtoB病院・AtoB専門学校-

竹田次郎:「既存の駅前の場所は、立地条件も良く美容整形と内科で十分の黒字が見込めます。また新規の大型病院は、来年を目安に建設を目指しております。専門学校に関しても病院の附属病院みたいな位置づけになり定員を満たしておりますので、引き続き定員を満たすと同時に即戦力になるように内容を充実させます。」




分かりにくいが、全体的に順調にいっている。今回は無事に決算を終える事ができた。


----------------------------------------------+

1999.3  投資会社立ち上げ

1999.4  投資会社 名古屋駅前に本社移転 

1999.8  不動産会社買収 

1999.9  システム部門立上 システム開発開始

1999.10  薬局/病院資本参入  

1999.11  病院/専門学校買収

2000.4  本社移転と決算


数多くの小説の中で、私の小説を読んで頂きありがとうございます。


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タックスヘイブンは悪だと言いますが、海運業なんか世界中の船がパナマ船籍だからなぁ。
投資会社の本社を海外に移すようにする会社が多かった年だったなぁ( ̄▽ ̄;) 理由は海外の方が日本より税が安いんだよね 特にフィリピンやマレーシアは海外の会社を誘致するために税を極端に少なくしてたんよそ…
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