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第3章―会社発展編 第19話 システム部門立上① 【1999年9月】

長い目でお付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします。



 投資会社と不動産会社が稼働し始め、伯父の次郎さんも銀行を退職し、うちの会社に入ってきてくれた。

管理部門が仕切ってくれる人がいなかったので、伯父の次郎さんの入社は本当に助かる。


私は、会社に来て毎朝、市場が始まる前の午前8時から、株取引を常に画面とにらめっこして株の売買をしている。

“未来ネット”によって、翌日の株価がわかるから、株価が最高値に到達したら売却をしている。手動で行っているので売却するまで間、同時に他の株取引の売買ができない。そのため一日、一件か二件の銘柄しか売買ができなく最初の頃は問題がなかったが、今となっては資金に余裕ができ1銘柄のみだと資金も多くなり価格に影響があるため、同時に複数銘柄を売買しなければならない資金の規模になってきた。

一つの銘柄に何十万株も買っていたら、市場の株価がその売買で影響して、売却する度に暴落しかねないので、株価にあまり影響のない何万株単位かなと思っている。1日に数億円程度の売買が限度で儲けも数千万円程度となる。通常の投資家であれば、全然問題ないが株式売買で大きく儲けようと考えている私にとってはさらに大きな金額での売買もしくは、複数銘柄同時運用が必須となってくる。


そのため、“未来ネット”で予測できた最低価格に達した際に自動的に株を購入し、最高価格に達した際に自動的に株を売るシステム(仕組み)を作ってほしいと考えていた。簡単に言うと株の売買予約システムである。そんなシステム(仕組み)を考えていた。この仕組みを使えば、事前に銘柄と価格と枚数を入力するだけで売買が自動的に成立するやり方である。


それがあれば市場が閉まっているときでも事前に準備ができ、大きな取引も複数同時に行えることができる。現状一つの売買が成立するまで次に進めないのが、非常に煩わしくなってきており、資金の増加率は、金額が大きくなるにつれて悪くなってきた。増加率を一定の水準にするには、規模が大きくなったとしても同時に複数の取引を行えば今後も同様に増加していくと考えている。


ただ、このシステムは株の取引なので、証券会社のシステムと連携が必須である。連携といっても価格のデータを一方的にもらい売買のデータを送るだけのシステムである。証券会社との連携だとセキュリティの部分でNGになりそうだがあくまでもデータのやり取りのみである。


このシステムを開発しないと私の会社が発展していくことはない。一番重要度の高い案件として進めてもらうよう考えている。システムを開発するには、プロジェクトリーダーとして、金融系の知識を蓄えたシステムエンジニアが必要になるなと思った。うちの会社では採用できないかと常々考えていたが、業種も違うのでそう簡単に立ち上げる事ができない。またその開発メンバーも含めて多くの開発要員が必要になると考えていた。


今オフィスが入っているビルの違う階にシステム開発会社が入っており、うちの会社に中途で人が入社する度に中途採用の方のパソコンの準備を依頼して設定・設置をして頂いている。このシステム会社は、独立系のシステム会社としては規模も大きく名古屋駅前の支店には100人以上在籍している会社でもあった。中部地区というのは製造系の会社が多く従業員の半数は製造系の会社に常駐して常駐先の会社の開発・保守メンテナンスをしている。

そのため実際に客先に常駐しない60人ぐらいが自社内にてオープン系のシステム開発を行っている。

中部地区のオープン系の開発を50人以上規模で中部地区にて行っている会社は皆無であった。唯一といって言い過ぎではないぐらいに開発要員が揃っており、独立系では、日本有数のシステム開発会社の中部支店となる。この会社のシステム系での常駐先には、中部に本社を置く地方銀行や証券会社など金融系会社も多く、会社自体が金融系営業を率先して行い金融系のシステム開発に強いメンバーも多く在籍していた。同じビルだしこの会社にシステム開発の依頼を考えていた。

しかし、システムのすべてを丸投げすると開発費用や、その後の運用費用も含めてかなりの金額になるのが眼に見えていた。またブラックボックス化して、開発会社から提示される費用が適正かどうかの判断ができなくなることを私は困っていた。



また一方で、日頃の株式売買の手数料もバカにならないくらい高くなってきた。一件当たりの取引金額によって異なるが手数料の平均5,000円になっていた。今は取引金額・件数も大きいため毎月10万単位の手数料になりつつある。今後も増加の一途をたどるであろう。手数料を削減・もしくは固定化を進めたく思った。来月にあたる10月には国会で株式売買の手数料が自由化される事が決定され、証券会社間でも取引手数料の差別化が大きな課題になってくるであろう。弊社内においても手数料の部分での削減は会社との経費削減と利益確保の面でも必須となってきた。

先月Y証券廃業のため中途採用で入ってきた佐藤部長とシステム開発による証券会社との共同開発と手数料削減の両面を実現できる作戦を考える事にした。


「株式売買での手数料の削減は必要ですが、今後も株取引の売買を増やしていくなら、手数料の固定化のほうがいいのではないですか。いくら売買しても手数料の月間固定の形式です。ただ、今使っているN証券は大手ですから弊社のために手数料を固定化の提案を受け入れる事はかなり難しいと思います。」

佐藤部長からは、私も予想していたが、かなり手厳しい意見を言われた。


「そうですね。証券会社の中でも最大手ですから、うちみたいな新興企業相手に新たな仕組みを作るなんて、ありえないでしょうね。交渉は難航しそうですね。」


「口座を含めた証券会社を変更する事もありうると前提で交渉しませんか?もし話し合いが合意できなかった場合は、小規模の証券会社とかにも同じ条件の話もっていきませんか。」

今後の展開が難しい為、佐藤部長から新たな提案をしてくれた。


「まぁ、確かに今後の事も考えると、この手数料で払い続けているより、支払い条件を改善したほうがいいし、また証券会社とシステム面で連携の開発が必要なら、手数料の話で柔軟に検討してくれるような会社と今後付き合っていったほうがいいですよね。では、N証券に一度打ち合わせをする場を調整して頂けませんか。」

私は佐藤部長の意見に同意した。今後の方針も踏まえて現時点で取引があるN証券に話を最初に持っていって、打ち合わせが不調に終われば、別の会社へ契約を変更する方向で進める事を話した。


「はい、わかりました。口座のあるN証券にアポイントを取っておきます。」

佐藤部長は返事をしながら、N証券会社の担当営業にアポイントを取り、権限を持っていそうな支店長を同席して頂く打ち合わせの場をセッティングする事で時間を調整してくれた。


今回は難しい打ち合わせになるなと思い、佐藤部長に頼んだのだった。


----------------------------------------------+

1999.3  投資会社立ち上げ

1999.3  高校卒業

1999.4  投資会社 名古屋駅前に本社移転

1999.5-7 親族や佐藤さんなど即戦力入社 

1999.8  不動産会社買収


スミマセン。長くなりましたので今回投稿3回に分けておりますので、ご了承ください。


数多くの小説の中で、私の小説を読んで頂きありがとうございます。


読んで頂ける皆様にお願いがございます。


「ブックマーク」と広告下の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けますととても嬉しいです!



皆様の応援が、本作の連載を続ける原動力になります!


どうか清き一票をよろしくお願いします!!


選挙っぽくしてすみません。



カクヨム様にも投稿しています。

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