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第2章―会社創業編 第14話 新拠点での家族会議 【1999年4月】

長い目でお付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします。



 名古屋駅のオフィスに拠点を移転してから、初めての取締役会議の日だ。

おばあちゃんは、実家での会議は参加していたが、名古屋駅のオフィスまで来て取締役会議に参加する事は、外に出かけるのは大変とのことで、名古屋駅で取締役会議を行う今回からは辞退する事にした。

取締役会議は、今後毎週土曜日の午後1時からにすることを伝え済だ。



午前11時ごろに集まって、近くの飲食店で食事をすることにした。1999年当時は名古屋駅の駅近くにワンコインで豪華と思われるお食事を食べる事ができた。俺はお刺身と唐揚げの2品と御飯とみそ汁の定食を食べた。前の人生でのおれも新入社員当時は、場所は東京だが先輩に案内され美味しいお店を教えてくれたなと、まだ社会人の大変さを味わう前の新入社員の頃を思い出した。



食事も終えて、昼の12時半過ぎには、会議室に自分も含め家族4人があらためて集まったところで、

「では、少し早いですが会議を始めます。」

「では株式の口座残高は1億超えました。パフパフパフドンドンドン。」


「おまえ、毎回その擬音いらんだろう。」

父さんから少し呆れ気味にヤジが飛ぶ。


「3人ともテンション低いな。これから擬音は入れないように気を付けます。」

「でも本当に順調すぎるな。口座残高がいつの間にか、わしの貯金残高を越したな。」

おじいちゃんが唖然としながら嘆いた。


「ぇっ、おじいちゃんの残高が1億もあったの?」

そう、口座残高がとうとう1億円を超える金額となっていた。順調すぎて俺も驚きです。


「そんなにあるか! 40年県庁で働いて貯金3千万ぐらいだ。これでも借金して家を買ったりと土地を買ったりしたから、貯金は少なかったが大変だったんだぞ。それを短期間で株の売買だけでわしの生涯財産を抜かしおって。おまえは人生をなめとるな。」

おじいちゃんは、苦笑しながら嬉しそうな声で話した。


「世界的経済学者が、『仕事を一生懸命することは大事だが、投資をすることは、仕事で手に入る対価より、投資で手に入る対価のほうが多い。』とか『仕事と投資を実施する時間が同じときは、投資のほうが手に入るお金は多い』とか投資に対するプラスの名言は多いよ。楽して儲かると勘違いする人は多いけどね。」


まぁ、確かに株での儲けは順調すぎる。おじいちゃんの話に俺は適当なこと言って、ごまかしておいた。

でもネット上では儲けの比較として、投資>仕事とよく書かれている。あまり賛成はできないが、投資で儲けすぎている人がいるから、平均では投資のほうが稼げると思われがちだ。通常の人はそう簡単に株では儲からないと思う。これはパチンコのパチプロと同じような事でどの世界でも儲ける人はおるけど、簡単には儲からないと俺は思っている。



「話がそれてしまったけど、改めて今後、仕事を広げるにあたって即戦力の人も欲しい。でも若い人がこんな設立されたばかりの会社に入りたいとは思わないでしょう。現状の会社の実態は、株投資で自転車操業しているような会社なんて、世界中探してもここぐらいだよね。そこでなんと即戦力になる人が2人も身近にいるんだよ。誰かわかる?父さんならわかるかな。」

俺は、顔をニヤニヤさせながら父さんに質問をしてみた。


「はぁーっ、わかるわけがないだろう。誰だ?お前の友達なら、まだ大学生だし即戦力ではないな。」

父さんがいきなり俺から話を振られて困ったような顔して返事した。


「母さんの兄さん達だよ。2人とも定年ぐらいの年でしょう。こっちの会社に引っ張れないかな?」

「え、義兄さん達を呼ぶのか。まぁ確かに定年過ぎたはずで、今はのんびりしていると思うが、この会社に来てくれるのか?」

父さんはびっくりしながら答えた。


「だって、1番上の一郎さんは大手不動産会社の支社長をしていたでしょう。2番目の次郎さんは、地方銀行の支店長でしょ。2人ともそれぞれの分野での有能な方だから、超即戦力でしょう。今度一郎さんの家にお邪魔して、次郎さんにも集まってもらって、現状と今後の夢を語って会社に入ってもらおうよ。入社時期は任せるにしても、とてもいいアイデアだと思いますよ。身内だし、気兼ねなく誘えるし。父さん、一郎さんへのアポイントの件はお願いしていいですか。」

「まぁ確かに義兄さん達なら、即戦力になるが、うちの会社に入ってもらって何をさせるんだ?」



「えっと、株で稼いだ資金で、不動産会社に投資したいんだ。投資するにあたって不動産会社自体買収できればしたい。そのためにももっと資金増やすつもりだけど。」

「ちょっと待て、土地などの不動産の購入ではなくて、会社本体を買うのか?」

おじいちゃんが驚きながら慌てて質問を差し込んできた。


「うん、うちの会社を手っ取り早く大きくするには、各業界の専門の会社を投資するだけでなく、買収して経営を携わって、現場は専門職の人を任せれば手っ取り早く大きくなると思うんだ。株みたいにすぐにうまくいくとは思わないけど、うちの会社に傘下に入ってもらうなりしてもらって会社の運営を伯父の一郎さんに見てもらって、もちろん土地の売買のゴーサインは一郎さんに決めてもらうからさ。」

僕は考えていたことを話していった。


「株の運用は社長が管理していく事はわかったが、不動産の経営もおまえさんがわかるのか。株価は価格で答えが出ているから、まだ良し悪しの判断は簡単だが土地はもっと難しいんだぞ。長期的なスパンになるぞ。できるのか?」

おじいちゃんは引き続き心配な顔で質問をしてきた。


「うん、株ほど簡単と思わないけど、現場サイドで判断したのをこっちは資金を出す感じで考えている。」

「株式投資だけでは会社の経営としてリスク高いと考えている。他の業種も経営してリスクヘッジを考えているけど、おじいちゃんは賛成してくれる?」



「わかった。お前のお金で始めたんだから、好きに考えな。俺は精一杯お前を応援するだけだ。ただじいちゃんは、一郎さん達を誘うことに関して力になれんぞ。」

少しの間、黙っていたおじいちゃんが悩みながら手を頭に抑え答えた。


「おじいちゃんありがとう。伯父さん達の件は、お父さんにアポイントを任せるから、父さんお願いします。」

おじいちゃんが賛成してくれたので安堵のため息をしながら俺は答えた。


「分かった。来週の土曜日集まれるか。頼んでみるよ。場所は義兄さんの実家かこのオフィスだけど、このオフィスは、説明するのがめんどいから、義兄さんの実家にするぞ。それでいいか。次回の取締役会議は、お休みとして一週間延期でいいか。」

父さんが懐からメモ帳を出しながらメモし始めた。


「もちろんそれでお願いします。」

伯父さん達を引っ張りこむ話ができた。これは会社設立した時からの必須事項だった。大きくするためにはどうしても必要な人材と考えていた。



会議も一段落した所で、おじいちゃんが続けて話しかけてきた。

「で、お前さんの今後の方針を教えてほしい。」


「伯父さん達に話して賛同を頂き次第、地方銀行に勤めている次郎さんには、地元で不動産会社を運営している方で跡継ぎのいない、もしくは資金運用が厳しい不動産会社など、今にも売却を考えている不動産会社を紹介してもらって、そこの経営に参画して、不動産業を始める。銀行のほうが、僕らが探すよりいい会社が知っていると思うんだよね。不動産会社を買い取ったら、うちの会社の傘下に入ってもらい。会社に投資会社と不動産会社と二つの会社を並行して経営していく。そのころには父さんにも中途退職してもらって、うちの会社に入ってもらうって流れだから宜しくね。経営陣は二つの会社とも同じで自分とおじいちゃんと伯父さん達と父さんね。」


「トップは自分が担うけど、不動産会社の実務は一郎さん、次郎さんには、両社の管理部門を見てもらう。父さんには全体の営業を見てもらい、おじいちゃんには俺のブレーキ役をお願いするよ。」


「そっか。一応、今後の方針を考えているんだな。とりあえずお前の考えているように進めていくか。」

父さんはそう話しながら、会議を終わらせるため席を立った。


父さんはそのころ大手通信会社から子会社に出向していたため、今の会社を退職して息子の会社に転職する事は特に気にしていない様子だった。


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1999.3  投資会社立ち上げ

1999.3  高校卒業

1999.4  投資会社 名古屋駅前に移転

今後の活動報告として日曜日を追加し、週4回とさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。


数多くの小説の中で、私の小説を読んで頂きありがとうございます。


読んで頂ける皆様にお願いがございます。


「ブックマーク」と広告下の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けますととても嬉しいです!



皆様の応援が、本作の連載を続ける原動力になります!


どうか清き一票をよろしくお願いします!!


選挙っぽくしてすみません。



カクヨム様にも投稿しています。

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