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過去5 始めての托卵

「リュート、お待たせぇ」


 その夜、森の待ち合わせ場所に現れたミアは純白のドレスを着ていた。

 ドレスの尾は引きずる程長い。頭にはヴェールをかぶっている。


 花嫁衣装というやつだ。

 ミアは今日この日をもって、隣村の村長の嫁になったのだ。


 村では昼から盛大な結婚式が催され、ド派手な余興やご馳走が供された


 式の最中、村の男達はみんな泣いていた。

 俺達のミアが、隣村のじじいのものになるなんて……と。


 俺も正直悲しかったが、同時に嬉しくもあった。

 だって、俺はこれからミアに――


「ごめんねぇ、なかなか抜け出す隙がなくて。お詫びに今日はたっぷりリュートにサービスしてあげるねぇ」


「ああ、頼む」


 俺はミアにあらかじめこう命じておいた。


『結婚式の祝賀パーティーを途中で抜けだし、誰にも見つからないように注意しながら、いつもの待ち合わせ場所まで来るように』


 俺はこれからミアの体を使って、“実験”の総仕上げをするのだ。


「ミア、お疲れのところ悪いけど、そこの大樹に背中を預けて座ってくれ」


「はぁい」


「足、大きめに開いて」


「はぁい」


 花嫁衣装を着たまま、だらしなく開脚するミア。

 俺はそんなミアに最後の命令を下した。


「ミア、俺はこれからお前の胎に種を撒く。今日は一切の避妊をしない。もしかしたら俺の子をはらむかもしれないが……俺がお前の胎に種付けした事は、生涯秘密にしておいてくれ」


「うん、いいよぉ」


「もしも生まれた子が俺にそっくりだったとしても、そのへんは上手い事誤魔化してくれ。あくまでお前の旦那の子供という事にしておいて欲しいんだ」


「うん、わかったぁ」

 

 俺はミアのヴェールをめくりあげ、舌を絡ませるキスをした。

 さあ、お別れの儀式を始めよう。


 俺はドレスのスカートの中に体ごと潜り込み、ミアのへそに何度も何度もキスをした。

 俺を男にしてくれたミアへの感謝を込めて。


 そして――


「リュ、リュートぉ……」


 ミアの体の奥深くに潜り込み――隣村の村長より先に、胎に子種を植えたのだった。


 事が済むと、ミアはドレスの尾を引きずって、いそいそとパーティー会場に戻っていった。

 俺の子種をたっぷり胎に抱えたまま――


「孕んだかなあ、ミア」


 もしもミアが俺の子を腹に宿せば、俺は隣村の村長の血筋を乗っ取る事ができるわけだ。

 隣村の村長は、俺の子の養育に財を費やす事になる。 

 妻に裏切られたとも知らず――


「ふひっ……」

 思わず邪悪な笑いが漏れた。


 なんだそれ、最高じゃん。

 労せずして子孫を増やす――それは全ての雄の夢である。

 ミアの旦那よ、せいぜい俺の子を丹精込めて育ててくれよ。


「王妃にも、同じ事をすればいいわけだ」

 この瞬間、俺の目標は固まった。


 俺はいずれ王の目を欺いて、王妃の寝台に潜り込む。

 そして植えるのだ、俺の子種を。

 王妃の胎に――王家の血筋に。


「待ってろよ、王様。お前の血筋を奪い取ってやるからな」


 この国の王になるのは、俺の子孫だ!


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