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戦いの地へ

 “大儀の間”で、ようやく蜘蛛王女パナマリアから解放された“大聖女”モモ。

パナマリアは侍女長ナーサに連れられ、ジクートと共に客室へと案内された。モモにはやや強めの勢いで話していたパナマリアだったが、客室へと向かう際にペルと目が合うと、耳まで真っ赤にして俯いていた。


「モモ…なんか、ごめん。」


ペルが疲れた表情のモモに、背後から申し訳なさそうに声を掛ける。

すると、さっきまでの疲れはどこへやら。モモがクルっとペルの方へ振り返り、笑顔を見せた。


「おかえりなさい、ペル!」

『ペル、おかえりー!!』


モモの使役妖精ルキスも、再会の喜びを小さな体全身使って、ピョンピョンペルの周りを飛び跳ねていた。


「ただいま、モモ、ルキス姉。」


そう笑顔で返したペルだったが、モモの肩に手を触れた瞬間、モモの感情が流れて来た。


(ペルが無事に戻って来てくれたのは、本当にうれしい。魔鏡で見た傷も完治してるみたい。

ルキスも一人で晩酌して淋しそうだったし……――――――でも……)


モモの見せる笑顔に嘘はない。けれど、それ以上に自分の中に仕舞い込んでいる感情の大きさに気付いていないことを、ペルは不安に感じた。


「―――…ラウルは、行ったんだね、自分の戦地に…」

『ちょっ…ペル!!』


 ちょうど、モモ達が蜘蛛王女パナマリアを迎え入れている頃。ラウルと大地の勇者一行は、闇夜に紛れてピーニャコルダ王国へ出発していた。ここでモモは“大聖女”という役目に縛られ、見送りは出来なかった。

 ペルの言葉に、モモはどう返していいかわからなくなってしまい、不安、心配、そしてラウルを想う気持ちが溢れて、混乱を隠すように、ペルから離れ顔を両手で覆った。その両手はわずかに震えていた。


「モモ…」

「あ…っ、ちがうの…ペル。ペルに会えたのは本当に…―――――っ」


言葉に詰まるモモを、ペルは抱き寄せた。


「ボクはラウルにはなれないけど、モモのそばにいるから。一人で悲しまないで、隠さないでいいんだよモモの気持ち。」

「―――――――っ」

「早くモルネードの件を片付けて、ラウルを助けに行こう。」

「…っん…うん…ありがとう…ペルっ…」


 返事を詰まらせてしまうくらい、ひとりで抱え込んでいたモモの想いが、ペルの腕の中で涙となって溢れ出た。

 その様子を遠目で見ていたラインハルト。モモの自由を奪ってしまった“大聖女”という地位を悔やむ様に、拳に力を込める。しかし、同時にその手を優しく包む者がいた。


「! リリン。」

「手を痛めるわよ。」


 この時、リリンにもモモの感情が流れていた。


「モモは自分の感情に不器用なの。誰かがそばで支えてあげないと、その役目はペルとルキスで大丈夫そうね。」

「? リリンは?」


 モモと主従関係にあるリリンが、なぜ主人を支える中にいないのか、ラインハルトは不思議に思った。そこへ、リリンを追いかけてきたロイドが姿を見せる。


「もう、ロイドは自分の支度していてって言ったでしょ?」

「出来るか!」


まるで夫婦の様なやり取りにラインハルトは笑みをこぼす。


「ロイドはどうしたんだ?」

「ラインハルト、お願いがあって。」

「ちょっ…」


お願いを切り出そうとするリリンを止めに入ろうとするロイドだったが、リリンに押し負けてしまう。


「アタシ、ロイドと一緒に“虹の雫”探索するわ!」

「え…?てっきりモモについていくと思っていたが、モモは承知の上なのか?」

「これからよ。」


 リリンは、ラインハルトにそう告げると、モモ達のところへ駆け寄り、ペルごとモモを抱きしめた。


「モモ!ペル!」

「わぁっ、リリン…っ」


モモを抱きしめていたペルが、リリンまでは支え切れずに、体勢を崩しそうになる。それに驚いたモモの涙は止まっていた。


「やっと自分の気持ちに気付いてあげれた、モモ?」


モモの目元に残る涙を指先で優しくすくうリリンは、仕方ないなと言わんばかりの表情を見せる。


「―――あ…っと…」


頬を赤く染めて、言葉を詰まらせるモモに、リリンとペルは微笑んだ。


「もっと周りに甘えていいのよ、モモ。今、ラウルへの気持ちが制御出来ない状態は、モモにとって成長よ。アタシは心なんかよりカラダで快楽を求めて来たけど、モモに出会って、その成長に触れて

アタシも相思相愛って素敵だなってあこがれちゃった。」

「――――――リリン…」

「でね、モモにはごめんなんだけど、アタシ護りたい人がいて…」


いつものハツラツとした自信と元気いっぱいのリリンの頬が赤く染まる。その表情にピンときたモモが、リリンの守りたい人の名前を即答した。


「あ、ロイド?」

「――――――人の事にはアンテナ広いのね…」


少しあきれ顔のリリンは続ける。


「そう、ロイドよ。彼が“虹の雫”探索に深海に行くって言うから、アタシ彼についていくわ。

ペルがモモを護りたいと思う様に、アタシも自分の大切に思う人を護りたいの、いいかな?」


モモの返事の前に、ロイドが割って入り、リリンの腕を掴んだ。


「いいわけないだろ!リリンっ、モモ様は魔人の巣窟に行かれるんだぞ!?契約している主人を放って…」


リリンは掴まれた腕を振り払い、ロイドの言葉に自分の言葉を被せた。


「ロイドは深海をわかってない!!雷神トールとクトネシリカで何とかなると思っているの?」


自身の加護にリリンが気付いているとは思っていなかったロイドがたじろぐ。


「アタシがアナタの加護を知らないとでも思った?

確かに、剣士としては超一流だと思う。でもそれはあくまで地上でよ。いくらスタリアバリアがあっても、あれは水圧に負けないってだけの装備。深海には凶悪な魔物がウヨウヨだし、厄介なのは…」


 険悪になりそうな雰囲気を察したモモが、リリンの手を取る。


「リリン、ロイドと一緒に行って大丈夫だよ。」

「モモ!!」

「モモ様!?」


リリンの手を取りながらモモがロイドと目を合わせた。主人への忠義を重んじるロイドの考えが彼の全身からにじみ出ていたが、モモは一呼吸置いて自分には出来なかった想いを口にした。


「私にはペルもルキスも、それに他にもたくさん仲間がいるから大丈夫、ロイドさん。それに、リリンとの契約はリリンが勝手に結んだんだもの。まぁ…ペルも、そういう形だったかも…。」

「―――!!」


飛び火したペルが頬をポリっとかいた。


「―――けど、リリンの気持ちもわかってあげて、ロイドさん。…私も大切なものは自分で護りたいって気持ち、わかる。私に親切にしてくれるこのモルネード王国も、一緒に戦ってくれるみんなも、私の大切なもの……もちろん…ラウルも。

 今を逃したらって、この先会えなくなったらって…不安な気持ちのままリリンにはいてもらいたくないの。私も本当なら全員で一つ一つを片付けていきたい。時間がないから、今回は分かれてしまうけど、でも“虹の雫”班にリリンがいてくれたら状況把握出来るし、私も安心出来るから。」

「……――――――。」

「リリンの気持ちに応えてあげてって言ってるわけじゃないよ。」


(モモ…さらりとひどい…)


リリン達がモモの一言に心の中でツッコむ。

するとロイドが折れたのか、ガシガシ頭をかき、ふぅ、と一息。呼吸を整えた。


「わかりました。モモ様の許可があるなら、リリンにも同行してもらいます。」

「ロイド!!」


喜びのあまり、リリンがロイドに飛びつき、腕にしがみついた。


「遊びに行くんじゃないんだからな?」

「アタシだってデートコースに深海は選ばないわよー」


 その様子を遠くから見ていたラインハルトがロイドの肩に触れた。


「じゃ、よろしく頼むな、ロイド。」

「で、殿下も…まぁ、承知致しました。

――――――でも、リリンはサキュバスって言っていたよな。色香系の悪魔が魚とどう戦うんだ?」

「魚って…」


リリンがロイドの魚発言に不意を突かれて笑みをこぼすと、ペルがリリンの背中を押した。


「ロイド、リリン結構強いよ。今回一緒に戦ってわかってる。」

「ペル~、なんて優しいフォロー…」

「そっか。期待してる。」


ロイドのその言葉で、その場にいた全員に笑みが溢れた。


 しばらく雑談をしていたモモ達の前に、第三騎士隊長オーフェンが姿を現した。

オーフェンがラインハルトの前で片膝をつく。


「殿下、カピルス村奪還への騎士隊準備、整いました。モモ様達は夜明けと共に出発致します。」

「わかった。モモ様達も今夜はもう休むといい。カピルス村までは王都から西の森を抜けて、ポーカテペトル山を越えた先、一般人なら7日はかかるくらいの道のりだ。」

「7…?」


ラインハルトの言葉に驚くモモ達にオーフェンが笑みをこぼしながら付け加える。


「主力となる方々、モモ様達は竜騎士達が現地付近までお送り致しますので、到着は順調にいって翌日となるでしょう。歩兵部隊については5日ほど前に出発しております。現在、魔物との戦闘もありますが、負傷兵は数名たらずだと報告を受けております。」


 いよいよだと、モモ達の肩に力が入る。


「では、我々は必ず“虹の雫”を手に入れて参ります。モモ様、気を付けて。」


そう、ロイドがモモに告げながら手を差し伸べた。モモは差し出されたロイドの手を両手で包んだ。


「ありがとうございます、ロイドさん。ロイドさん達も気を付けて。」


 モモの言葉に、ロイドとリリンは笑みを見せた。



――――――――――― ☆ ――――――――――



 モモが明日の最終準備を確認する部屋では、ルキスも人化し晩酌が始まっていた。ルキスに“二日酔い”という言葉はない。ザルのルキスに合わせてペルの足元にはペリエの瓶が数本用意されていた。お互い久しぶりとあって、話題が尽きない様だ。

 そんな二人の姿を横目に、カバンの蓋を閉めたモモ。


(明日…レンダーさん達が今までの戦いとは違い、過酷を極めるって言ってた…

ルキスとペルはもちろん、みんなにも負担掛けないように、頑張らなくちゃ!)


と、モモが決意を心に誓うと、ルキス達の談笑がピタリと止まった。


「なぁにー、モモ。モモは負担なんか掛けてないわよ?もっと甘えてもらって欲しいくらいなんだからぁ~」


グラスを片手に、モモにルキスが絡まってきた。


「あ、ごめんっ。二人の晩酌…」

「ルキス姉、ワインこぼれるから…」


ペルがルキスからグラスを取り上げる。すると、ルキスがモモを優しく包み込んだ。


「アタシもペルもいるから。モモ一人が頑張る事なんてないのよ?

モモは、なんでも抱え込みすぎなの。モモのやりたいこと、もっと言っていいのよ。ご主人様の願いを実現させてこその使役妖精なんだから、ナーガ様もきっと同じように思っているわ。そのためにアタシをモモに仕えさせた。

 …アタシ、モモ以外に使役されたことないって、前に言ったことあったわよね。」

「うん、たしか、私がこの世界に初めて来たときに…」

「アタシの“光”の力は、ナーガ様の力なの。」


ルキスの言葉に、モモとペルは目を合わせて驚いた。


「“浄化”と“蘇生”の力を持つ妖精を扱えるのは、清らかな、謙虚な心を持つ人間だけ。誰でも扱えるわけじゃない。だから、ナーガ様に生み出されてから、ずっと一人だった。他の妖精は、戦闘や防御に使える能力で、すぐにご主人様が見つかって、その人の助けになれる。主人の命令は絶対。だからアタシの力を悪用する邪心を秘めた人間は、もちろん使役出来ない。誰でも“蘇生”出来るわけじゃない。輪廻転生の理を守らないといけないこともある。

 だから、ナーガ様に選ばれたモモはアタシにとって初めてのご主人様で、特別なの。

とても大事。モモは前世で命と戦ってきた。だからその理もわかってる。アタシを使役してるんだから“聖蛇の化身”と言っても過言ではないわね。」


 ルキスの話に静かに耳を傾けるモモとペル。


「もっと頼って欲しい。モモの願いはアタシとペルが叶えてあげるから。」


 ルキスの言葉に、ペルも力強く頷く。


「もちろん、モモもルキス姉も、ボクが守るよ。ルキス姉は戦闘タイプじゃないからね。」

「ふふ、その件だけど、ペルも進化したのよ?」

「え?どういうこと?」


 モモとペルが不思議そうに首をかしげる。


「“ルブロン”様救出の際、ナーガ様の御力を託されたって言っていたわよね。」

「うん、ボクの糸に聖属性の力が宿って魔人を浄化出来たんだ。」

「そう、それ。ナーガ様だって誰にでも御力をお与えにはならないし、その御力に呼応出来る者も、そうそういないの。けど、ペルは呼応出来た。つまり、アタシの力にも対応出来るって事よ!」


 ペルが聖属性の力を扱える。そのルキスの言葉にモモとペルが手をハイタッチした。


「すごーい、ペル!!戦闘(バトル)も浄化も出来るの!?」

「でしょ?わかったら、ペル、脱ぎなさい。」

「へ??」

「モモとの契約紋が胸にあるでしょう?」


 ルキスの突飛な発言に驚くも、契約紋のことかと、ペルは上着を脱いだ。

ルキスの透き通る美しい手が、ペルの左胸にある契約紋にそっと触れる。すると、紋がルキスの妖力に呼応し紋様が変化した。ルブロンの時と同じ、契約紋の周りを蛇と光の紋様が囲った。

 

「―――きれいな紋…」


 あまりの紋様の美しさに、思わずモモの口から言葉がこぼれてしまった。

ペルも体に、自身の魔力に変化を感じたのか、手を閉じたり開いたりを繰り返していた。


「アタシの力は10%にも満たないものだけど、ペルの糸には確実に聖属性の力が宿ったから、

攻撃の上で、魔人を浄化出来るわ。」

「―――――!

ありがとう、ルキス姉。」

「以前、カピルス村偵察に行ったレンダーとザックの話によると、村人が魔人化しかけていると言っていたわ。魔人化しかけている村人の浄化は魔力をコントロールしないと出来ないから、それは必然的にモモの仕事になる。けど、魔人を浄化させるだけなら、ペルにも出来るってわけ。」

「なんて心強いの、ペルっ!」


 ペルのスキルアップの話の後、モモとペルは疲れから深い眠りについてしまった。モモの穏やかな寝顔を目にしたルキスが、そっとおでこに触れた。

 少し開いている窓辺から、夜風が舞い込む。


(―――――以前、オティウス様にお会いした時、何かを伏せる…?いえ、探るような話し方をされていた。この世界は瘴気の浄化だけでは済まない…ナーガ様もその事に気付いている?

……平和な世界を取り戻す、その代償がすべてモモに課されるなんてこと…ないですよね…)


ルキスの心の問いに答える者はいない。窓から抜ける夜風だけが、そっとルキスの頬に触れた。

水平線がオレンジ色に染まり出す。




―――――――――― ☆ ―――――――――――




 第三騎士隊宿舎前では、騎馬隊が出陣の隊列を組み、隊長オーフェンと竜騎士隊の隊長カーティス、そして竜騎士達が竜を従え、カピルス村奪還班を待ち受けていた。

 すでに姿を見せているのは、レンダー、ザック、ナナ、トルチェ、シュアだった。そこへボタンは掛け違え、クリーム色のマントはダラリと羽織っているのか、肩に掛けているのか、眠そうに目をこすりながら何故か髪だけ整っているダンが現れた。


「ダン…大丈夫か?」


レンダーがダンの前にしゃがみ込み、我が子をあやす様に声を掛ける。


「メシは食ってきた―――――。ぐぅ…」


立ったまま眠りにつこうとするダンを追いかけて、ラインハルトが走って来た。


「こらこらこら、ダン!!早起き頑張ったのはいい事だが、あとがグダグダだぞ!!」

(ああ…早起きを頑張ったんだ…)


レンダー達が、ラウルがいないダンがどうなるのか心配していた。ラウルからダンの取説を受けた中に、確かに「朝が弱い」とあった。まさに今の状態だ。今まではラウルがフルカバーしてきたが、ラウル不在だと、一国の王子がそのカバーをするのか…どんだけ?と、その場にいた者達が思った。


「殿下、大丈夫ですよ。オレがやっておきますから。」


レンダーはそう言うと、パパっとダンの身支度を整えた。


「早起きエラかったな、ダン。」


今まで、朝が弱いことを怒られてばかりだったダン。レンダーの優しい言葉に、あくびが止まった。


「本当!?おれ頑張った??」

「ああ、みんなの集合に間に合った。エラいぞー。」


 レンダーに褒められたダンは、一気に上機嫌。照れくさそうに八重歯を見せながらニヘっと無邪気な子供の顔を見せた。


(あ、かわいい)


 ホワっと、その寝起きの悪さも、だらしなさも全て許せてしまう魔法の笑顔に、レンダー達もノックアウトされてしまった。


 続いて、ダンの後を追い駆けて来たモモ、ペル、カロルが姿を現した。

今までに接した事のない、モモから発せられる凛とした空気に、一同の気が一気に引き締まった。

それは、ラインハルトも、ダンも思わず二度見してしまうほどに。


「おはようございます。カピルス村奪還、よろしくお願いします。」


 外見はいつものモモと変わらない。纏う空気が、オーラが、その一つ一つの所作が、これから起こる事に気を張り詰めている様に感じ取れた。


「おはようございます、モモ様。我々も全力を尽くす所存です。どうぞ肩の力を抜いて下さいね。」


レンダーの言葉に、自分が緊張していた事に気付いたモモの肩にそっとペルが手を掛ける。

ラインハルトも、カロルも静かに頷いた。

 

 主力陣が揃ったところへ、オーフェン隊長が駆け寄って来た。


「おはようございます、モモ様。今日からどうぞよろしくお願いいたします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします、オーフェン隊長。」

「皆様お揃いの様なので、竜騎士と共に三人乗り、二人乗りの竜に乗り、カピルス村へ向かいます。

どうぞこちらへ。」


 オーフェン隊長に先導され、宿舎奥に広がる草原に移動したモモ達。そこには、集まっていた竜騎士隊がモモ達の搭乗準備を済ませていた。

その場の指揮を執るカーティス隊長がオーフェン隊長とモモに駆け寄る。


「おはようございます、モモ様。これからカピルス村へ同行させていただく、この日のために選抜された竜騎士達です。どうぞよろしくお願いいたします。」

「おはようございます、カーティス隊長。こちらこそよろしくお願いします。」

「ご搭乗については、どのようにされますか?モモ様におかれましては、私がご案内させていただきますが。」


 カーティスの案内に、レンダーがみんなに指示を出した。


「ペルは蜘蛛化出来たよな?」

「うん、モモの肩に乗って行くよ。」

「じゃあ、モモ様とカロル、オレとトルチェ、ザック、ナナは単騎でもいいな。ダンとシュアで搭乗しよう。大丈夫ですか、カーティス隊長?」

「ああ、問題ない。この他に単騎で竜騎士が五人、お力添えさせていただきます。空にも魔物がいますからね。」


 モモ以外の搭乗が済んだところで、ラインハルトがモモに声を掛ける。


「気を付けて。貴女の無事な帰還を祈ります。」

「ありがとうございます、ラインハルト殿下、行ってきます。」


 モモのそれまで纏っていた張り詰めた空気が、いつの間にか消えていた。

ラインハルトに出立の挨拶を済ませると、モモは自分の乗るカーティスの竜の前に立った。竜と目を合わせた後、竜が顔をモモに擦り付けてきた。


「ふふ、よろしくね。」


 すでに搭乗済みのカロルに手を引かれ、モモが竜の背に乗る。最後に竜騎士隊、隊長カーティスが搭乗し竜の手綱を手にし、全隊に出立の声を掛けた。


「全隊、カピルス村奪還へ出立!!」


その声に士気を高めた騎士達が、一斉に戦地へと向かって行った。


































 





お読みいただき、ありがとうございます。

至らぬところがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。


キャラメモ ★シュア★


✿慎重派で視野が広い、落ち着いた少年

✿18歳 血液型不明

✿一人称:ボク

✿職業:白魔法使い Aランク

✿お酒:飲めない

✿髪型:マッシュ

✿孤児院育ちで、自己流で経験値とスキルを上げてきた。

✿薬草の知識が豊富で、料理上手。

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