ノアとルシア その2
こういう系書いたことないし読んだことも殆どないけど書いてみたかったから書いた。反省も後悔もしていない!
ルシアがノアの事を義妹と認め、ノアの心に巨大な蟲という最大のトラウマと義姉という心の拠り所ができて早数ヶ月…ノアは以前以上に甘えん坊になった。
今まで蔑ろにされていた事からの反動なのか、ただただ認められて嬉しくなったからなのか、全力で甘える事を思い出してしまったからなのか…詳しいことは誰にもわからない。
今現在、ノアは常にルシアに引っ付いている。そして、ルシアはルシアで特に気にも止めていない様子だった。むしろ定期的にノアの頭を撫でて可愛がっている始末だ。この時点で既に5cm以上の身長差があったので、何処から見ても、ちょっと似てない姉妹だった。
早朝のミサ、朝食、簡単な勉強、昼食、外出、剣術や乗馬技術の訓練から入浴に至るまで、絶対に一緒に行動していた。文句を付けようものなら、ノアがグズり、ルシアが眼を飛ばして威嚇し、ノアが泣きだそうものなら、泣かした相手は地面に頭を埋めることになった。そんなこんなで「ノアを泣かしてはいけない」、「ノアにちょっかいをかけない」、「ノアやルシアの陰口を決して口にしない」等の謎ルールが生み出されたのは別のお話。
そんなある日の朝、宿舎に1人の少女の情けない悲鳴がこだました。
sideルシア
「ん…あれ、何か左腕が暖かっ…て、ひえあぁぁぁぁっっっ!」ドンッ
…思わずこんな情けない声を出してしまった。何故って?それは…朝起きたら隣のベットで寝てたハズの義妹が、なんと一糸纏わぬあられもない姿で、私の左腕をギュッと抱え込んで寝ていたからだ。こんな寝起きドッキリみたいな奴に驚かない奴なんていないでしょ?
sideノア
私はいま、お姉ちゃんにお説教されている。…全裸で。なんでかって?それは、まぁ、昨日の夜、私が寝惚けてお姉ちゃんのベットに何も着ないで潜った事が原因だ。…え?ちょっと何を言っているのか解らないって?大丈夫、私もわかってないから!
お姉ちゃんには、
「どこで何も着ないで寝る事を学んだのか」とか、
「この事の意味が解っているのか」とか聞かれたけど、私にはなんにもわからなかった。取り敢えず、
「暑かったから」
って答えた。…お姉ちゃんは終始呆れてた
…あの、そろそろ服着てもいい?せめて下着だけでも…ヘクチッ…風邪引いちゃう。
………
その日以来、ノアはルシアと一緒に寝ることは無かった。てか、ルシアが寝るときはノアの事を全力で避けていた。布団で簀巻きにしたり天井に吊るしたりと色々して避けた。そして、ちょっと引かれた。だっていくら義妹と言えど、朝起きたら隣で全裸で寝てたんだもの。引かれて当然だよね。むしろよく嫌われなかったよね。うん。そして、ノアの薄着癖がついたのもこの頃だった。
そんな事もあったが、それでもこの姉妹は、仲が非常によかった。喧嘩してるところなんて一度も見かけなかった。むしろ、仲が良すぎて不思議なもの扱いをされていた位だった。
…誰だって10歳を越えているであろう姉が、8歳前後(見た目はもっと幼い)の妹と並んで1つの椅子に座って一緒にご飯を食べていて、しかも、お互い食べ差し合いをしている光景を見せられたら、そう思うだろう。
こんな感じで、周辺からは一周回って心配されていたのたが、当の本人たちはそ知らぬ顔。特に、ルシアに餌付けされているノアは、周りの事なぞ気にせずにルシアに甘えていた。…後々、ルシアに
「恥ずかしいから、いい加減に止めない?」
って言われたのだが、ノアが10歳になるまで止めなかったのは別のお話。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
さて、次のお話ですが、テーマ的なサムシングが決まってないので遅くなると思います。コメントくれたら中の人が喜びます。
次回まで、のんびりと待っていて下さい。