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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第15章 竜の目覚め編

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アプローチ

 時間の経過とともに魔力が抜けていく問題が発覚してから、我がエイゾウ工房では新たな「いつも」が追加された。

 朝の水汲みと同じように、リケとリディによる「魔力観察」の時間が設けられたのだ。


「今日も記録を取りましょう!」


 朝食後、目を輝かせながらリケが言った。彼女は束ねてノートのようにした羊皮紙を手に持っている。これは魔力の様子を記録するために用意したものだ。

 最近はちょこちょこ紙の出番がある。今後を考えると、〝黒の森〟の植物で製紙できるようにしたほうが良いかも知れないな。

俺はリケに向かって頷いた。


「ああ、頼む」


 試作したナイフ三種の魔力の状態を確認し、記録する作業は地道だろう。

 しかし、これによってどのくらいの速度で魔力が抜けていくのかが分かってくる。


「おや……」


 記録を始めて3日ほど経った頃、リディが試作品を観察しながら言った。


「どうした?」

「特注品は普通のものより多くの魔力を篭めていますよね。でも、魔力は同じくらい抜けているようです」


 リケもそれに気づいたらしく、記録を見直してから大きく頷いた。


「つまり、多く篭もっていれば多く抜けるというわけではない、ってことか」


 なるほど、割合で抜けるのではなく、絶対量なのだな。そうなると、一般モデルは思っていたより早く劣化していたかも知れない。そこもモデルの差だと言えばそうかも知れないが……。


 午前中は一度「普通の」作業に集中してから午後。

 午後は俺とリケ、リディで新しい製法の開発だ。話はもっぱら今朝分かった魔力が抜ける量からのフィードバックで、それを知った上でどういうアプローチをするべきか、ということだ。

 ああでもないこうでもないと話をしていると、ふとリケが手を打った。


「魔力を篭める時の方法を変えてみるのはどうでしょう?」

「どう変えるんだ?」

「普段は均一に篭めていますよね。でも、刃の部分と柄の部分で、篭める量を変えてみるとか」

「なるほど」


 リケの提案は単純だが、試してみる価値はある。

 俺は早速板金を手に取り、火床で熱した後、金床で叩いてナイフを作っていく。

 だが、いつもの通りではなく、刃の部分には通常通り魔力を込め、柄の部分には意識的にもっと多くの魔力を込めてみた。

 もしかすると均一化されてしまうかと思ったが、今のところはその様子はなく、刃と柄の部分では魔力の量が違うことが見てとれた。


 俺はその出来た新作を光にかざすように掲げる。


「こんな感じか」

「なるほど、違ってますね」


 リディもその様子を観察している。柄の部分が刃よりも魔力が多いナイフは、こうしてみると少し見た目に違いがあるようにも見える。


「これも記録に加えていかないとな」


 こいつがどうなっていくかによって、俺たちの未来も少しずつ決まっていく。

 リケは大きく頷くと、今の様子を書き留めていた。




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― 新着の感想 ―
研ぐ時に注入できませんかね?
炭を作るのは躊躇してたのに、製紙は良いのか?
エイゾウこーゆーの好きそう(*・ω・)
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