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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第14章 秘密のインク編
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選抜

「そうは言っても全員で行くわけにもいかないんだよな」


 俺はそう呟いた。人が多い方が何かと助かる場面が多いのは確かなのだが、娘たちやリディにはそろそろ魔力の問題がある。

 一旦、家に帰してやりたいところだ。

 皆を見回すと、頷いてくれたので、意図は理解してくれたらしい。


「そんなわけで、選抜して向かうことにしよう。なに、うちで強いのが2,3人いればなんとかなるはずだし、それでなんとかならなかったら、本格的に兵を入れるべきだ」

「……そうだな」


 カミロも頷いた。俺の言い分に納得してくれたようだ。


「よし、それじゃあ誰が行くかだが、ヘレンと俺は確定として」


 ヘレンはこの地域最強の傭兵。俺はエイゾウ一家の代表として、後は戦力としても向かわない選択肢がない。


「あと1人、誰が向かうかだな。俺とヘレンだけ、という選択もあるが」


 都でのことを考えれば適任はディアナだろう。エイムール家の令嬢である彼女は、半分当事者のようなものでもあるし。

 ただ、「後から追いかける」場合、その時にディアナがいてくれた方が何かと助かるのが事実である。


 戦力、という面で考えればサーミャだろうな。だが、彼女は〝黒の森〟のエキスパートだ。何かあった場合に森を行くなら、彼女が必要になる。


 同じく戦力ならアンネも外すわけにはいかないのだが、何せ帝国皇女である。今更という気はするが、本来であれば都にホイホイ入っていい身分ではないし、未知の領域に踏み込んで万が一があると、非常に困ったことになる。


 リディは魔力の都合でダメだし、リケは戦力的には外さざるを得ない。武器の補修は俺が出来てしまうしな……。


 うん、と俺は頷いた。


「ひとまず俺とヘレンだけで行こう。他の皆は家で待機していてくれ。何かあったらアラシたちに頑張って貰うよ」


 カミロの店に常駐している伝書竜の名前を出すと、俺たちの傍らにいたハヤテが小首を傾げ、リディに頭を撫でられていた。

 そして、頷く家族の皆。特に異論はないようだ。まぁ、積極的に冒険に行くぞー! って感じの皆ではないからな。

 いざ行くとなればワクワクはするのだが。


「ということでいいか?」

「俺に文句はないよ。いきなり大規模な探索はしないだろうし」


 カミロは顎をさすりながら言った。

 遺跡にはまず先遣隊を送り、そこに王族が加わることで王家の権利を主張するわけだな。


「よし、それじゃ早速行くか」


 俺たちの準備は整っている。カミロの側も今話している間に準備が終わったようだ。


「おう」


 カミロはそう言って自分の馬車に乗り込んだ。

 今回御者はカミロ自身がするらしい。カミロが御者をするのを見るのは、かなり前に都に行ったとき以来な気がするな。


 俺とヘレンは森の入り口までは自分たちの竜車に乗ることにして、いつも帰るときのように乗り込んだ。


 そしてすぐに、馬車と竜車は連れだって、カミロの店を後にした。




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