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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第12章 オリハルコンのナイフ編
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お話の中身

「で、結局どの辺に落ち着いたんだ?」

「えっ? ああ……」


 俺はアンネに話の落ち着いた先を聞いた。別に帰る道すがらでもいいのだが、このあと公爵派の人間と、王国の偉いさんが帰るまでは、まだもう少し時間があるだろうし、その間に聞いておいたほうがやきもきしなくて済む。

 というのはまぁ、付けたりみたいなもので、実際の所は、


「俺の我が儘みたいなもんだが……」


 俺が早めに知っておきたいだけではある。結果を知ってどうできるものでもないが。


「今聞いちゃうと帰りの道中の空気がヤバくなりそうとかだったら、帰ってから聞くことにするけど」


 俺は少し慌てて付け足した。今回のは内容が内容だけにいい話だけとは限らない。都からうちまではそれなりの距離があるから、その間ずっと沈鬱に過ごすのもよろしくないだろう。

 それならせめて、気晴らしが沢山ある〝黒の森〟に帰ってから聞いたほうがいい。

 うちの家族以外が聞いたら、〝黒の森〟で気晴らしってなんだよと思われるだろうが。


「いや、大丈夫よ。結論から言えば、〝私たち〟にとってはどうということもない話になったわ」


 そうして、アンネは今朝の「会談」について話しはじめた。


 会談の場に現れたのは、公爵派の貴族2人(アンネ曰くは「普通のつまらなさそうな貴族」)と、王弟ルイ・アレクサンドレ・アントワーヌ・ド・ヴァロアだ。

 一口に王弟と言っても一人や二人ではないのだが、ルイ殿下は末っ子である。国王陛下との間には5人ほどのご兄弟がいらっしゃるそうで、よっぽどのことがなければ次期国王ということにはならなさそうである。


 そうではあっても、王族には違いないので一応公爵としての身分があり(〝公爵派〟の公爵とは彼のことではない)、身分の低い人間がするような仕事をさせるわけにもいかず、さりとてあまり権限のあるようなものは身の丈にあっていない、ということで身分は要求されるが仕事の内容は大したことがない閑職を宛がわれているらしい。

 本人はそれを特に悔しがったりすることもなく、今日みたいにお出まし願う時以外はのんびりと日々を過ごされているようだ。

 ……やはり諜報関連の仕事かなにかしているのではなかろうか。


 あとは侯爵とマリウスだ。カミロは「ただの商人」なので、「ただの鍛冶屋」である俺と同じく、参席しなかった。


 帝国側は俺も前に見たことがある細身の男が来たらしい。アンネの姿を見ると、ほんの僅かだけ驚いた顔をしたが、すぐに戻ったそうだ。

 それくらいの胆力がないと外に出てきたりはしないか。


 話は途中までは穏やかに過ぎていったそうだ。ほとんどは今現在の状況の追認みたいなものだからな。

 唯一、アンネが人質として〝黒の森〟にいることだけは念のために伏せられた。公爵派の面々も、ルイ殿下も知っている可能性が高いことが予想はされるが、公にしていない以上、わざわざ言及してやる義理もないということであるらしかった。


 そして、話はいよいよ「帝国への贈り物」の話にさしかかった。

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