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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第12章 オリハルコンのナイフ編
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友人宅の夜に

 結局、食事はクルルとルーシーの話でもちきりになった。まぁ、うちの娘達は可愛いからな。

 そんな食事も終わって、〝いつも〟の通り女性陣はもう少し話をしてから寝るとの事だったので、


「明日に響かないようにな」


 とだけ言って、俺も〝いつも〟の通りに先に休ませて貰うことにした。俺はほとんど何もしていないのに、やけに疲れている。

 気兼ねない友人宅とは言え、それなり以上に緊張していたか、気を使っていたのかもしれない。

 出来ることは何もなくても、さっさと寝て明日に備えるに限る。そうしておかないと、いざ何かあったときに対応できないからな。


「寝られるときには可能な限り寝ておく」


 ブラック企業時代に学んだ大切なことだ。歳を取ると、どんどん時間あたりの回復量が減っていく。そこは時間を長く取るしかないのだが、更に歳を取ると回復量の上限が下がってくるのが難点である。

 なるべく早く寝ることと、そもそも疲れすぎないことが重要になってくるのだが、それがいつも満たされるかと言えば、それは非常に難しいと言わざるを得ないだろう。


 ともかく、そんなわけで早めに寝ようかと思ったのだが、そこに追いかけてくる声があった。

 ボーマンさんではない。彼は今俺を先導してくれているからだ。結構この家の位置関係も分かりつつあるのだが、どの客室があてがわれるかはその時でないと分からないし、先導して貰えばうっかり客が入ってはいけないところに入ってしまうこともないからな。


 声の主はもちろんと言うべきか、マリウスだった。


「もう寝るのかい?」

「ああ。歳を取ると回復が遅くてな」


 俺がそう言うとマリウスは笑った。


「まだそこまででもないだろう? どうだい、もう少し」


 割と真面目に歳で回復しにくいなと思うことがちょこちょこあって、ウォッチドッグには戦闘能力や筋力といったフィジカル面のチートも多少貰っているのだが、この「回復量」のファクターにもチートを貰っておけば良かったなと若干の後悔を覚えているくらいだ。


 とはいえ、友人の誘いを無下に断る理由もない。俺がこの屋敷に宿泊することは滅多にないのだし、多少疲れて〝黒の森〟に帰っても、勝手知ったるそちらで身体を休めればいいか。


 そう思った俺はマリウスに頷き、ボーマンさんにも頷いた。

 ボーマンさんは俺に頷き返すと、それでは、と言って去って行った。マリウスと俺を先導してくれるのかと思っていたが、どうやらこの先はこの屋敷の主自ら案内してくれるらしい。


 手にした燭台に壁の明かりから火を移すと、マリウスは、


「こっちだ」


 俺の記憶している客室がある方向とは、全然違うほうへと俺を先導していくのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ディアナ「男の子って、秘密基地、好きねえ」ヘレン「あたいも好きだなあ」ル「わん」ク「クルルルル」リディ(クルルちゃんちは秘密基地だった)
[一言]  こんな時間なら自室でしょうな。 どんな部屋なのか、今から興味津々w。
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