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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第12章 オリハルコンのナイフ編
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魔力の素

 普通の大黒熊はともかく、魔物化したようなのは人数によってはそのまま討伐、難しそうな場合は一旦家まで帰ってきてから、体制を整えて捜索、討伐ということになった。

 危険度も鑑みてではあるが、ある程度予防的になることも織り込むべきなんだろうな。


 翌日、今日も俺とリケ、そしてマリベルはオリハルコンの作業だ。他の皆は普通のものを作るらしい。

 森へパトロールには出ないのかと聞いたところ、


「今後もおんなじように2人ともこっちができないことはあるだろ。その時の予行だよ」


 とはサーミャの言葉だ。


「どれくらいできるようになったか、腕試しもしたいし」


 そう続けたのはディアナだった。2人はそこそこ長い期間手伝ってくれているからな。

 止める理由は全くないし、むしろこちらからお願いしておいた。


 そうなると、オリハルコン組もうかうかしていられない。身を入れて作業をしないとな。

 さて、魔力が重要そうなことは推測できた。しかし、巨人族ならぬ我々の力と魔力でどれだけ太刀打ちできるだろうか。


「何か良い方法はあるかな」

「そうですねぇ……」


 俺とリケは並んで首を捻る。傍目には親子が悩んでいるようだった、と後でヘレンが言っていた。せめて兄妹にならんかな……年齢差的にはそれくらいのはずなんだが。

 それはともかく、魔力についてである。


「一気に高濃度の魔力を叩き込む方法、ですよね」

「そうだな」


 俺がちょっと頑張ってリケの分を補うとかか? もしくはリケに頑張って貰うか……。などと考えていると、リケが言った。


「魔宝石を使うのは?」

「ああ……」


 以前にメギスチウムを加工するとき、高濃度の魔力に晒す必要があった。

 その時の副産物として生まれたのが純粋な魔力の塊である魔宝石である。妖精さんたちの魔力が身体から抜けていく病の治療にも使ったそれを、オリハルコンを鍛えるときに一緒に使えば、加工と魔力を両立出来るかも知れない。


 問題はオリハルコンは温度が下がりやすく、魔宝石は今のところ長くはもたないことだろう。少し時間をおくと文字通り雲散霧消してしまうのである。

 つまり、マリベルに加熱してもらっている間に魔宝石を作り、即座にオリハルコンを鍛える作業を開始する必要がある。

 この作業について、俺はリケとマリベルに説明をした。


「なるほど、難しそうですね」

「そうなの?」


 マリベルが首を傾げる。俺は頷いた。


「タイミングがズレると加工できる時間が極端に短くなるからな」


 オリハルコンを加熱して加工できる時間と、魔宝石が有効な時間が重なっている間が最も効率よく加工できる時間になる……はずだ。

 ということをマリベルに追加で説明する。


「なる……ほど?」

「ま、タイミングは俺が教えるから、マリベルはそれに合わせてくれたらいい」

「おっ、それなら任せて!」


 ドンと胸を叩いて、マリベルは請け合った。タイミングはチートではかるしかないな。


「よし、それじゃあかかろう」

「はい!」

「わかった!」


 2人の声に、俺は気を引き締め直して、魔宝石を作る準備を始めるのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作業工程を模索しながら上手い事、魔法石の固定化に繋がるヒントが見つかれば良いな~。^^
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