人物紹介
エイゾウ工房の人々
エイゾウ……フルネームはエイゾウ・タンヤ。人間。男性。元日本人で猫を助けようとしてトラックに撥ねられたが、命を失うことがイレギュラーだったため転生してきた。そのため身体的には30歳だが、精神的には40歳と少し。
その際に貰ったチートの能力で鍛冶屋を始める。とんでもない性能の製品が作れてしまうため、本人はあまり積極的に作りたくないらしい。
“黒の森”で暮らす都合上からか、生産系全てに通用するチートと、そこらの兵士相手なら余裕で勝てるくらいの戦闘能力も貰っている。
なぜか自分のところに女性ばかり来ることについては不思議に思っている。
サーミャ……フルネームなし。虎の獣人。女性。実年齢は5歳だが人間年齢に直すと25歳ほど。大黒熊に襲われて気を失っているところをエイゾウに救われ、その後エイゾウから持ちかけられたこともあって一緒に暮らすようになった。
もともと“黒の森”で暮らしていたこともあり、森の植物や生物、地理について詳しく、生活上必要な知識をエイゾウに教えたりしている。
リケ……フルネームはリケ・モリッツ。ドワーフ。女性。年齢不明。ある程度の年齢になると自分の工房を出てよそに弟子入りするというドワーフの風習に従って、実家の工房から弟子入り先を探していたところ、エイゾウの作った製品を見て弟子入りをした。
チートを貰ったエイゾウとは違い、“ちゃんとした”鍛冶屋であるため、エイゾウは申し訳ないと思いながら「見取り稽古」をさせ、普通の鍛冶屋がどうしているのかを聞いたりしている。
魔力についてエルフのリディから学びメキメキと実力を伸ばしており、鍛冶屋としてのレベルは高いのだが、見ているものがエイゾウのものなのでまだまだだと考えている。
ディアナ……フルネームはディアナ・レオナ・エイムール。人間。女性。年齢不明。王国のエイムール伯爵家のご令嬢だがお転婆。エイムール家騒動のときに巻き込まれないようエイムール家から逃げ出し、エイゾウ工房に匿われる。騒動解決後には「余計な厄介事を呼ばないため」として、そのまま一緒に暮らすことになった。
かつて「剣技場の薔薇」とまで呼ばれた剣達者。剣の腕は母親譲りらしい。好きな作業は狩りや建築だが、王国の政治についてエイゾウに聞かれたときには王国伯爵家令嬢としての解説などもする。
リディ……フルネームはリディ・ローズウォール。エルフ。女性。年齢不明。“黒の森”とは違う森のエルフの里で暮らしていた。最初は魔物が大量発生した時に壊れたエルフの宝剣の修理を依頼しにエイゾウ工房を訪れた。
その後、短期間で再び魔物が大量発生した際、都からの討伐遠征隊に協力することになり、エイゾウと再会した。討伐に成功した後は、「都に一番近くて魔力が豊富なところ(エルフは生命維持に魔力を必要とするため)」としてエイゾウ工房に住むことになった。
魔力、魔法についての知識があるため、リケに魔力を扱うための手ほどきをしたり、魔力や魔法、魔物の解説をエイゾウにしたりする。
ヘレン……フルネームなし。人間。女性。年齢不明。高身長で顔に刀傷がある。傭兵をしており、“迅雷”(もとは“雷剣”)の二つ名がつくほどの腕っこきで二刀流の使い手。
元々はいい武器を求めてエイゾウ工房を訪れた。その後もメンテナンスのために訪れたりしていたが、帝国の革命に巻き込まれて囚われの身になる。その後、エイゾウたちにより救出されたが、命を狙われているので工房に匿われることになった。今は狙われていないが工房の生活が気に入ったようで傭兵に戻らずにいる。
剣の腕は近隣では最高と言って良く、エイゾウでも勝てない。その目線でエイゾウにアドバイスをすることもある。
アンネ……フルネームはアンネマリー・クリスティーン・ヴィースナー。巨人族。女性。年齢不明。帝国の第七皇女。エイゾウを帝国へ引き抜くよう言われて工房を訪れたが、あっけなく断られる。
任務の失敗はもとより想定済みだったため、自分の武器だけ作ってもらって帰還する予定だったが、とある策謀の人質としてエイゾウ工房に住むことになった。あくまで人質のため、立場上帝国第七皇女のままである。
最近はこっちの暮らしのほうがいいなぁと思いはじめている。伯爵家よりも上の貴族の暮らしであったり、王国と帝国を含む外交などについてはエイゾウにアドバイスする。
クルル……フルネームなし。走竜。メス。年齢不明。カミロが通常ルートで入手してエイゾウに譲り渡した。かなり血は薄まっているがドラゴンの末裔ではあるため、魔力を摂取することで身体の維持を行える。
エイゾウのことはパパ、他の家族はママ、ルーシーのことは妹だと思っている。荷物を牽くのが好きなのはその後パパとママが褒めてくれるため。最近は牽くこと自体が楽しくなりつつある。
ルーシー……フルネームなし。森狼の魔物。メス。年齢不明。“黒の森”の魔力で魔物化してしまった子狼で、そのため母子共々群れを追い出され、そこを大黒熊に襲われて母親を亡くす。
今はエイゾウたちに保護されてすくすくと成長し、狩りにも連れて行ってもらえるようになった。クルルのことはお姉ちゃんだと思っている。将来賢くなるらしい。
黒の森の人々
ジゼル……“黒の森”の妖精族の長。妖精族は身体の大半が魔力で構成されているが、妖精族特有の魔力が徐々に抜けていく病解決のため、エイゾウに協力を依頼した。
リージャ……“黒の森”の妖精族。病にかかり死にかけているところをエイゾウに助けられた。
ディーピカ……“黒の森”の妖精族。病にかかり死にかけているリージャをエイゾウ工房に運んできた。
街の人々
カミロ……元行商で今は街の新市街に大きな店を構えるやり手の商人。最初はエイゾウの品物をちょこちょこ買っていくだけだったが、品質と価格を考え店を構えるにあたって正式に取引することになった。
マリウスや侯爵などともつながっており、厄介事に巻き込まれやすいのはエイゾウとどっこいだが、最終的にエイゾウに持ち込まざるを得ないのは本人も気にしているらしく、街の鍛冶屋とトラブルになる前に品物を自分のところで引き取ったり、走竜を「没落貴族から譲り受けた」と安値にしたりと気を使っている。
衛兵隊……町の入口で検問したり、街中や街道を巡回したりと何かと忙しい人たち。エイゾウのことは「嫁の多い変な鍛冶屋」だと思っているが、態度が丁寧なので一定の信頼をおいているらしい。
都の人々
マリウス……マリウス・エイムール。エイムール伯爵家現当主。街の領主でもある。最近結婚した。元々は世間を見てこいとの父親の指示で街で衛兵をしていたが、父と長兄が死去した際に次兄と家督を巡ってエイムール家騒動が勃発。マリウスが勝利して当主になった。
その騒動でエイゾウを頼ることになり、そのあと魔物討伐遠征隊に誘うなどお互い友人であると思っている。厄介事を持ち込むのが大体自分であることは気にしているらしい。友人知人にはあまり裏表を出さないようにしているが、やるべきところではちゃんと貴族としての策謀もできる“やり手の若者”。友人相手にはよくイタズラを仕掛けるのが玉に瑕。
ジュリー……ジュリー・デランジェール・エイムール。マリウスの奥さん。ディアナは全く気がついていなかったが、結構幼いときからマリウスとは相思相愛であったらしい。侯爵にとって直系ではないが縁戚にあたるため、今回の結婚でマリウスも縁戚となった。
ボーマン……エイムール家の使用人頭。何かと気が利く人で先代から仕えている。エイゾウのことは「お客様なのに我々にも大変心を配ってくださる方」として覚えている。
カテリナ……エイムール家の使用人。あまり家事系の仕事は任されておらず、“特別な”仕事が多いらしい。その特別にエイゾウたちの出迎えやルーシーをモフることが含まれているかは不明。
マティス……エイムール家の馬番。言葉の足りない喋り方をするが基本的には心配りもできるいい人。
ルロイ……ルロイ・マクマホン。マリウスの友人で魔物討伐遠征隊の時の副官。マリウスが街で衛兵をしていたときは同僚だった。マリウスがエイムール家の家督を継ぐにあたって、街の代官候補として都に呼び寄せた。エイゾウとも何度も会っており、他に人のいないときはお互いにタメ口である。
侯爵……グレゴール・メンツェル。王国の侯爵で大臣。マリウスの親(=前当主)と友人関係だった。エイムール家騒動の時にエイゾウを知り、そのあとあちこちで見かけるため「なんだかんだであちこちに首を突っ込んでんなあの鍛冶屋」と思っている。
エイゾウの鍛冶と戦闘の腕前を知る数少ない人物。豪放磊落を絵に描いたような人だが、それなりのやりとりはできるらしい。エイゾウ曰くは「政治が絡まなければ気のいいオッさん」。
サンドロ……都で“金色牙の猪亭”という料理屋をしている。ドワーフと見間違えられるくらいの体躯をしている。エイゾウとは魔物討伐遠征隊のときに知り合った。腕前は確かで元貴族お抱えの料理人だったという噂もあるが、本人が否定している上に性格的に無理でしょということで信用はされていない。知り合いが来るとよく無料で料理を振る舞って、あとで妻にどやされているらしい。
ボリス……サンドロのところで働いている見習い。背は高くないがガッチリしている。料理の腕前はそこそこ。
マーティン……サンドロのところで働いている見習い。背が高めでガッチリしている。あまり喋らない。料理の腕はボリスとサンドロの間くらい。
フレデリカ……フレデリカ・シュルター。あまり身分が高くない貴族の家の娘。普段は税関連の仕事をしている。エイゾウとは魔物討伐遠征隊に文官として従軍した時に知り合った。動作の小動物感が凄い。後に大変な人物に成長してしまう。
その他の人々
ニルダ……魔族。ヘレンに武器を壊され、その時に言われた言葉を頼りにエイゾウ工房を訪れて自分の武器を作ってもらった。魔界辺縁地域の偵察部隊隊長で魔王とも直接の面識があり、エイゾウ工房の武器を魔王が知ることになったのはニルダがきっかけである。
ウォッチドッグ……猫の姿を借りて地球を“観測”していたら、うっかりトラックに撥ねられそうになりエイゾウに助けられる。その見返りとしてエイゾウを転生させた張本人。